アメリカの経済誌であるフォーブスが2015年版『世界で最も価値のあるサッカーチーム』を発表しました。チームとしての『価値』ですから、これまでの実績であったり、ブランド力や資産が評価の対象となっています。今年(2015年)のトップ20に顔を出したのは下表のとおりです。
チーム名 | 資産価値 | |
---|---|---|
1 | レアル・マドリード(ESP) | 32億6千万ドル |
2 | バルセロナ(ESP) | 31億6千万ドル |
3 | マンチェスター・ユナイテッド(ENG) | 31億ドル |
4 | バイエルン・ミュンヘン(GER) | 23億5千万ドル |
5 | マンチェスター・シティ(ENG) | 13億8千万ドル |
6 | チェルシー(ENG) | 13億7千万ドル |
7 | アーセナル(ENG) | 13億1千万ドル |
8 | リバプール(ENG) | 9億8200万ドル |
9 | ユベントス(ITA) | 8億3700万ドル |
10 | A.C. ミラン(ITA) | 7億7500万ドル |
11 | ボルシア・ドルトムント(GER) | 7億ドル |
12 | パリ・サンジェルマン(FRA) | 6億3400万ドル |
13 | トットナム・ホットスパー(ENG) | 6億ドル |
14 | シャルケ 04(GER) | 5億7200万ドル |
15 | インテル・ミラノ(ITA) | 4億3900万ドル |
16 | アトレティコ・マドリード(ESP) | 4億3600万ドル |
17 | ナポリ(ITA) | 3億5300万ドル |
18 | ニューカッスル・ユナイテッド(ENG) | 3億4900万ドル |
19 | ウエストハム・ユナイテッド(ENG) | 3億900万ドル |
20 | ガラタサライ(TUR) | 2億9400万ドル |
このランキングの並びは、会計法人のデロイトが欧州クラブの売上を発表しているフットボール・マネーリーグの順位とほぼ一致しています。大きな違いはフランスのリーグ1に所属するパリ・サンジェルマン(PSG)のランキングぐらいなものです。
フォーブスによる PSG の資産価値は12位ですが、デロイトのフットボール・マネーリーグでは PSG の売上高はバイエルンと肩を並べる水準で5位にランクインしています。
この点が PSG が UEFA から FFP に抵触しているとして調査を受けた原因だと言えるでしょう。例外的なケースを除いて、ブランド力や価値のあるチームの方が売上高に恵まれることが市場では一般的だからです。
ユベントスの立ち位置としては財政面およびクラブの価値で欧州トップ10に名を連ねているといった所です。トップ5の常連となることが今後の課題であると言えるでしょう。
クラブの持つ資産も“価値”に計算されますので、デッレ・アルピ後に建設されたユベントス・スタジアムの周辺が再開発されれば資産価値は上昇します。ですが、これはサッカークラブとして本筋だとは思えません。やはり本業であるピッチ上で結果を出すことで世界的な選手を惹きつけるチームを目指すことが重要になります。
そのためには、国内タイトルはもちろんのこと、欧州の舞台(特にチャンピオンズリーグ)での結果を継続的にに出し続けることが欠かせません。チームスポーツなのである程度までは戦術でカバーできるでしょうが、最高峰の大会で成績を残すにはそれなりの選手層を揃えることは必須条件だと思われます。
今後のクラブ方針として世界的な若手有望株の選手を軸にすることと、カルチョポリで損なわれたブランド価値を回復させることが優先事項となるでしょう。成功のサイクルを作り出し、回し続ける地道なやり方に邁進できるかがポイントだと言えるでしょう。