NO JUVE, NO LIFE!!

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トリノダービー(Derby della Mole)が爆弾ダービー(Bomba Derby)と化す

 4月26日にトリノで行われたトリノユベントスのダービー戦は試合内容よりも、両チームのフーリガンがピッチ外やスタジアム外で起こした問題が今も尾を引いている。この問題を受けて、ユベントスアッレグリ監督が「スタジアムに家族連れで来るのは頭の狂った人だけ」という主旨の発言をするなど治まる気配は見えそうにない。

 この日、トリノで発生したことを時系列で抑えておこう。

 

 1.トリノのサポーターがユベントスのチームバスを襲撃

 日曜日に発生した最初の事件は選手たちが乗ったユベントスのチームバスがトリノのサポーターに襲撃された件だ。これについて、ユベントスのマロッタGMは「誰もが知るメディアが、ユベントスのことを“盗人”と中傷し続けたことによる結果だ」と試合前にコメントしている。

 『法による制裁を受けない悪人なのだから私刑にすべき』とコラムに掲載すれば、どういった事件が起こるかは誰でも想定できるはずだが、それができない人物はイタリアにもいるようだ。被害状況は画像で見るといいだろう。

襲撃を受けたユベントスのチームバス

 一部のサッカー情報サイトでは「チームバスの車体がへこむ程度の被害が出た」と報じているが、これが“車体がへこむ”というレベルで済まされる状況ではないのは明らかだ。

 トゥット・スポルトが日本時間28日に報じている内容によると、この件の犯人は逮捕されたという。しかし、サッカー場外での出来事ということで、トリノへのペナルティは科されない見込みと見られている。もし、無罪放免か軽微な罪となれば、同じ事例が頻発することになるのは容易に想像できる。クラブに対するペナルティか、スタジアムへ出入りするアウェイ側のチームバスには警察隊による誘導を義務づけることを必須とするべきだろう

 

 2.トリノサポーターのエリアで紙爆弾による被害が発生

 試合中に、何者かがトリノサポーターエリアに紙爆弾を投げ込んだことが明らかになっている。"Paper Bomb" と現地記事などで報じられているので、日本では『紙爆弾』と訳されているのだ。イメージ的には日本で販売されている爆竹が大型化したもので間違いないだろう。

 投げ込んだ犯人が悪いのは当たり前の話なのだが、そのような危険物がスタジアム内に平然と持ち込めることも大きな問題点として取り組まなければならないことである。持ち物検査をしている割には持ち込まれすぎである。セリエAの中継で耳にする爆発音はチェックをすり抜けた『紙爆弾』がスタジアム内で爆発する音なのだ。チェック体制が相当ザルなのか、意図的にスルーしているかとしか思えないほどである。

投げ込まれる爆発物のような物

 肝心の犯人であるが、現時点では特定されていない。情報が二転、三転したが、ユベントスサポーターがいたアウェイセクションから投げられたことで間違いがないようだ。(映像

 スタジアム内で発生したということで、ユベントスには何らかのペナルティが科せられると思われる。罰金となるか、無観客試合となるかは不明だが、お咎めなしとはならないだろう。可能性としては、次のアウェイ戦であるサンプドリア戦のアウェイ用チケットが販売されない可能性が高いと見られている。

 

 3.試合後、トリノサポーターがピッチに侵入

 20年ぶりのダービー戦勝利がよっぽどトリノファンにはうれしかったのだろう。試合終了後にファンがピッチ上になだれ込んだ。

試合後のピッチに侵入したトリノファン

 この件も当然ペナルティの対象となる事案である。通常であれば、罰金で済むぐらいのものだと思われるが大きな問題が発生したダービー戦での出来事であっただけに厳罰が下る可能性は否定できない状態だと言える。

 

 明らかなのは、現在の取り締まり方法はあまり効果が見込めないということだ。スタジアム内で不適切なバナーが掲載されたとしても、それを取り締まる権限はクラブには存在しない。そして、罰則を受けるのはサポーター個人ではなく、クラブである。つまりウルトラスがクラブに対して様々なプレッシャーをかけることができる土壌が用意されていると言えるだろう

 解決案の1つとして、イングランドを参考にしてスタジアム内に警官隊を配備することがある。もし警官が襲撃されたら警官のメンツは丸つぶれになるので真剣に取り締まりを行うだろう。一線を越えてしまったサポーターを自称するフーリガンを取り締まるにはそのぐらいはやらなければならないと思われる。

 スタジアムはガラガラだが、サッカーの視聴率が高いという現状は何を示唆しているのかということをサッカー界以外も真剣に考える必要が出て来た事案だと言えるだろう。