2023/24 セリエＡ第36節が行われ、ホームにサレルニターナを迎えたユベントスは後半アディショナルタイムのラビオ選手のゴールで辛くも 1-1 の引き分けに持ち込みました。なお、ローマがアタランタに敗れたため、ユベントスはチャンピオンズリーグ出場権を確保しています。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
| Juventus FC [3-5-2] |
US Salernitana [3-4-2-1] |
|
|---|---|---|
| GK | 1: シュチェスニー | 1: フィオリッロ |
| DF | 4: ガッティ 3: ブレメル 24: ルガーニ |
27: ピエロッツィ 17: ファシオ (C) 98: ピロラ |
| MF | 27: カンビアーゾ 16: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ (C) 11: コスティッチ |
59: ザノーリ 18: クリバリ 26: バシッチ 6: サンビア |
| 33: チャウナ 55: ヴィニャート |
||
| FW | 9: ヴラホヴィッチ 18: ケーン |
22: イクウェメシ |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。ヴラホヴィッチ選手の相方には前日会見で言及していた2選手のどちらでもなくケーン選手を指名した他は予想された先発メンバーで試合に臨みます。
対するサレルニターナのコラントゥオーノ監督は 3-4-2-1 を選択。こちらも右 WB にザノーリ選手が起用された他は予想どおりのスタメンで試合を迎えます。
最初にゴールを脅かしたのはユベントス。8分に持ち上がったカンビアーゾからのラストパスを受けたヴラホヴィッチがミドルシュート。しかし、GK フィオリッロの好セーブとクロスバーに阻まれてゴールとはならず。
だが、先手を取ったのはサレルニターナ。27分にサンビアが入れた右 CK からニアサイドにフリーで飛び込んだピエロッツィがヘディングシュートを突き刺し、0-1 とリードを奪う。
サレルニターナは32分にサンビアの FK が枠を捉えたが、これは GK シュチェスニーが好守で応戦。36分にはゴール正面でフリーとなっていたイクウェメシにボールが渡るも、トラップが大きくなったところをシュチェスニーの飛び出しに阻まれて2点目とはならず。
ユベントスは43分にロカテッリからのパスを受けたカンビアーゾが左足でのミドルシュートを放ったが、左ポストを叩いたボールはそのまま枠外。前半は 0-1 とアウェイのサレルニターナが1点リードで終了する。
アッレグリ監督は後半開始と同時に3枚替えを敢行。すると59分に途中出場のキエーザがロングカウンターを発動させ、ヴラホヴィッチにラストパス。だが、ヴラホヴィッチが右足で放ったシュートは枠の左へと逸れてしまう。
ユベントスは80分にユルディズが左サイドから入れたクロスをミリクがヘディングで合わせたが、これは GK フィオリッロが横っ飛びセーブでクリア。1点が遠い展開が続く。
なおも攻め続けるユベントスは88分にミレッティが強烈なミドルシュートを放つもクロスバーを直撃。いよいよ土俵際に追い詰められてしまう。
それでも91分にイリングが入れた低い弾道の左 CK をニアでロカテッリがフリックすると、逆サイドに走り込んだラビオが押し込んで土壇場で 1-1 の同点に追い付くことには成功する。
しかし、残された時間帯で逆転にまで持ち込むことはできず。試合は 1-1 で終了し、両チームが勝点1を分け合う結果となった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
豪快なヘディングシュートで先制点を許してしまったが、それ以外のシュートストップは的確に対応。期待された仕事をしっかり遂行していた。
DF: ガッティ 6.0
前半のパフォーマンスは特筆するようなものではなく、攻めるしかなくなった後半45分間での積極的な攻撃参加で帳尻を合わせた状態だった。
DF: ブレメル 6.0
ガッティと同様に前半は試合から消えている時間帯が長く、チームが開き直って攻勢を強めた後半に攻撃面で目立つ奇妙なパフォーマンスだった。
DF: ルガーニ 5.5
試合勘の欠如による低調なパフォーマンスは否定できず。新たな負傷離脱者とならなかったことが唯一の救いだろう。
WB: カンビアーゾ 6.0
個人では思い切った仕掛けからシュートにまで持ち込んでいたが、その一方でチームとして連動した崩しや仕掛けで相手の守備網を崩すまでには至らなかった。
MF: マッケニー 5.0
試合開始時点で疲労困憊だった。シーズン序盤の WB 起用から始まるフル稼働だったのだから疲弊は止むを得ない。クリバリとバシッチの防波堤を乗り越える体力も残っていなかった。
MF: ロカテッリ 5.5
中盤でボールをゆっくり動かし、相手の守備陣に落ち着きと時間を与えていた。
MF: ラビオ 6.0
ピエロッツィを見失っていたことが先制点に関係したことは否定できない。シーズン最終盤で消耗が無視できなくなっているが、同点ゴールを奪う勝負強さで意地を見せた。
WB: コスティッチ 5.0
致命的な脆弱点になっていないことぐらいしかポジティブな要素が見当たらなかった。前半45分での交代は必然だろう。
FW: ヴラホヴィッチ 5.5
クロスバーに嫌われ、決定的なチャンスではシュートを枠の左へと外してしまった。これでは虚勢と見なされるだけだ。
FW: ケーン 5.0
そもそも今季後半戦のプランに入っていなかったのだから、チームに貢献するプレーを1つしただけで儲け物。戦力として今更カウントすることの方がおかしい。
【交代選手など】
MF: ミレッティ 6.0
46分にマッケニーとの交代で出場。プレーで中盤に活力を与えていた。ミドルシュートには力強さがあっただけにシュートなど最後の最後での正確さが備わっていれば完璧だった。
WB: イリング 6.0
コスティッチとの交代で46分から出場機会を得る。デュエルで圧倒的な優位性を確保した訳ではないが、左サイドからの攻撃を下支えし、貴重な同点弾の足がかりを作った。
FW: キエーザ 6.0
46分からケーンとの交代で出場する。ロングカウンターで見せ場を作っていたものの、押し込んだ相手を崩す仕掛けによる見せ場はなかった。正確な査定に基づく評価が下されるべき選手だろう。
FW: ミリク ー
77分にヴラホヴィッチとの交代で出場。身体を張ってゴール正面でワンタッチゴールを狙い続けた。
FW: ユルディズ ー
ルガーニとの交代で77分から出場機会を得る。左サイドから様々な手段を用いた仕掛けでチャンスメイクを行うも、これらが得点やアシストとして結実することはなかった。
アッレグリ監督 5.5
勝てば自力でチャンピオンズリーグ出場権を獲得できる試合で降格が決定している相手に辛くも引き分けるという失態を演じた。マネジメント陣のミスを現場の運用でフォローするにも限界があるし、監督ができることは何も残されていないだろう。
サントーロ主審 6.0
実質的な消化試合となっていたこともあり、審判団として的確に試合をコントロールしていた。来季以降はセリエＡでの担当数が増加するものと予想される。
