ユベントスは公式サイト上でボヌッチ選手がユベントスを相手取って起こしていた名誉毀損による慰謝料請求訴訟を取り下げたことで係争は終結したと発表いたしました。ボヌッチ選手側に裁判を継続するメリットがなくなったことが理由でしょう。
2023年初夏に構想外を通告されたボヌッチ選手は「トップチームからの締め出しは自身の選手としての評価を貶める行為」と主張し、損害賠償および慰謝料を求めてユベントスを提訴していました。
ただ、ボヌッチ選手は訴訟の取り下げを実施。ユベントスは「金銭的な支払いをすることなく係争は終結した」と報告しています。このような結末に至ったのは「 “ボヌッチ選手を取り巻く環境” が急激に悪化したから」でしょう。
- ウニオン・ベルリンに加入するもチーム成績は散々
- 2024年1月の移籍市場でフェネルバフチェに移籍
- 第21節サムスンスポル戦で先発もチームは引き分け
- 第22節と第23節は出場なし
→ チームは2連勝で首位キープに成功
- ソユンジュがアトレティコからフェネルバフチェに期限付き移籍で加入
ボヌッチ選手は「EURO2024 に出場するためのプレー機会」を求めてトルコのフェネルバフチェに加入したのですが、ボヌッチ選手と同じ理由で “トルコ代表の” ソユンジュ選手が加入して来たのです。
これはボヌッチ選手にとって誤算でした。
フェネルバフチェが「27歳の自国代表 CB であるソユンジュ選手」を優先的に起用するのは自明であり、ボヌッチ選手の立場は「カップ戦要員(= 控え選手)」が濃厚です。
“所属チームで出場機会を得ていないボヌッチ選手” では EURO2024 のイタリア代表には選出されないでしょう。
また、『ユベントスに対する名誉毀損訴訟』を継続するとボヌッチ選手が現役引退後にユベントスで指導者の職務を得ることは(訴訟の結果に関係なく)極めて困難になります。
クラブは「 “ボヌッチ監督の判断でチームから外された選手” が『ユベントスを相手取った名誉毀損訴訟』を起こすことを容認している」とのメッセージを送ることになってしまうからです。
クラブを相手取って名誉毀損訴訟を起こした時点で手遅れ感は否めませんが、ボヌッチ選手側は「アッレグリと揉めたのであってクラブとの関係は良好なので訴訟を取り下げれば問題はない」との認識なのでしょう。
ボヌッチ選手が自身が思い描いたとおりのセカンドキャリアを歩むことができるのかにも注目です。