2023/24 セリエA第18節が行われ、ホームにローマを迎えたユベントスはラビオ選手のゴールで 1-0 の勝利を手にし、2023年最後の公式戦を白星で終えました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-2] |
AS Roma [3-5-2] |
|
---|---|---|
GK | 1: シュチェスニー | 1: R・パトリシオ |
DF | 4: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
23: マンチーニ (C) 14: ジョレンテ 5: エンディカ |
MF | 22: T・ウェア 16: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ 11: コスティッチ |
43: クリステンセン 4: クリスタンテ 16: パレデス 52: ボヴェ 59: ザレフスキ |
FW | 9: ヴラホヴィッチ 15: ユルディズ |
21: ディバラ 90: ルカク |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。累積警告で出場停止となったカンビアーゾ選手の代役にはT・ウェア選手を指名し、前線はヴラホヴィッチ選手とユルディズ選手の2トップで年内最終戦のローマ戦に臨みます。
対するローマのモウリーニョ監督も 3-5-2 を選択。ペッレグリーニ選手に代わってクリスタンテ選手が先発した他は予想どおりのメンバーが名を連ね、前線はルカク選手とディバラ選手の2トップで大一番を迎えます。
最初に惜しい場面を作ったのはローマ。4分に右 CK がクリアされたところを回収したクリスタンテが右足でミドルシュート。しかし、ヴラホヴィッチの臀部に当たったボールは右ポストに嫌われてしまう。
対するユベントスはロングフィードからの速攻でシュートを放っていたヴラホヴィッチが19分にガッティからの斜めの縦パスをエリア内で受けて反転シュートも、マンチーニのスライディングブロックに阻まれてしまう。
29分にはディバラの仕掛けをラビオが引っ掛けてロカテッリがロングカウンターを発動。最後はユルディズが左足でシュートもボールは枠の右。対するローマも直後の30分にディバラが左足アウトサイドで狙ったが、こちらは枠のわずかに左へと逸れる。
ユベントスは43分にマッケニーのロングスローが流れた先で待っていたコスティッチのボレーシュートが枠を捉えたが、これは危機を察知したエンディカがゴールライン手前でのヘディングに成功。
前半は互いに譲らず、0-0 で終了する。
ハーフタイムでの修正策が機能したのはユベントス。47分にラビオが左サイドから仕掛けるとヴラホヴィッチのポストプレーでボールは再びラビオの下へ。エリア内に侵入したラビオがニアサイドを居抜き、ユベントスが先制に成功する。
1点が必要となったローマだが、先に守備ブロックを整備されていることで決定機を作るまでには至らず。71分にディバラが放った枠内シュートも GK シュチェスニーが難なくキャッチされてしまう。
交代策を駆使してディバラを中心に攻め立てるローマに対し、ユベントスは84分に相手の FK をマッケニーがヘディングで跳ね返すとキエーザがロングカウンターを発動。キエーザからの折り返しをマッケニーが左足で合わせたが、シュートは GK ルイ・パトリシオの正面を突いて追加点とはならず。
88分には相手のクリアを回収したイリングがショートカウンターを発動。キエーザからのクロスをイリングが戻して最後はキエーザが押し込んだが、リターンパスを受けた時点でオフサイド。これも得点とはならず。
それでもユベントスはラビオが決めた虎の子の1点を守り切ることに成功。1-0 で勝利し、2023年最後の公式戦を白星で終えた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
慌てるような場面もなく、冷静なシュートセーブを披露。守護神としてクリーンシート達成に貢献した。
DF: ガッティ 6.5
ブレメルとのコンビでルカクの存在感を消す。アズムンなどタイプが異なる FW とのマッチアップになっても苦戦することはなかった。
DF: ブレメル 7.0
ゴール正面を守備力で封鎖。ローマの攻撃の起点となるルカクに自由を与えず、決定機に顔を出すことすら許さなかった。
DF: ダニーロ 6.5
マッチアップしたディバラに少し手を焼いたことは否めないが、決定的な仕事を完遂するまでは許さずに粘り強く対処していた。ミスによる信頼度の低下は堅実なプレーで挽回できると体現したこともプラス。
WB: ティモシー・ウェア 6.0
背後のスペースに気を配りつつ、フル出場をした実績が収穫点。シーズン後半戦は今日の試合でのパフォーマンスにどれだけ上乗せできるかで評価されることになるだろう。
MF: マッケニー 6.5
中盤での献身性が光った試合だった。84分の決定機を仕留めてくれていれば理想だったが、あの距離を全速力でスプリントできるスタミナを残していた頭脳は評価されるべきだろう。
MF: ロカテッリ 6.5
前節フロジノーネ戦での負傷による途中交代の不安を払拭する攻守両面においての存在感が際立っていた。累積警告で次節は出場停止となっただけにコッパ・イタリアでの貢献が期待される。
MF: ラビオ 7.0
中盤の王として君臨。ヴラホヴィッチのフリックから得た決定機では値千金のゴールを決めてチームに勝点3をもたらした。
WB: コスティッチ 6.0
前節でのパフォーマンスに起因する懸念があったが、ソリッドで堅実なプレーによって懸念は払拭されていた。前半の決定機がエンディカに阻まれていなければ評価はもっと高かっただろう。少し不運だったことは否めない。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
シュートの正確性をやや欠いた現実を踏まえるとゴール前ではもう少し冷静さが欲しかったが、今節はポストプレーの選択肢とポジショニングの判断が秀逸だった。この再現度を高めれば、周囲の雑音は自然に小さくなるだろう。
FW: ユルディズ 6.0
ホーム初先発を気負いすることなく、持ち味であるドリブル中の視野の広さを存分に発揮。交代時に送られたスタンディングオベーションがパフォーマンスに対する評価を物語っている。
【交代選手など】
FW: キエーザ 6.0
65分にユルディズとの交代で出場。縦への推進力を発揮し、左サイドから複数回のチャンスメイクに成功。得点の可能性を十分に感じさせる攻撃をお膳立てしていた。
WB: イリング ー
コスティッチとの交代で75分から出場。左 WB としての強度を担保しつつ、攻撃参加した際でのフリーランニングでは状況判断の良さも示せていた。
FW: ミリク ー
75分にヴラホヴィッチに代わって出場する。ポストプレーで溜めを作ることが期待され、CF としてチームのために献身的に働き続けていた。
DF: ルガーニ ー
95分にマッケニーとの交代で出場機会を得る。
アッレグリ監督 7.0
まずは良い形で2023年を締めくくれた結果が高く評価されるべきだろう。戦術的な事情でミレッティの出場機会が減ったことは残念ではあるが、他の若手有望株はコンスタントに出場機会を得ている状況で首位インテルと勝点差2は大きい。若手が成長曲線を描きつつ首位戦線に留まり続ける手腕は素晴らしいと称えざるを得ない。
ソッツァ主審 6.5
両チームに提示したイエローカードは1枚ずつ。イエローカードが飛び交ってもおかしくない組み合わせの試合を非常に上手くコントロールしていた。キエーザへのオフサイド判定も素早くて正確であり、審判団としての内容も良かった。