『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、フィオレンティーナに期限付き移籍中のアルトゥール選手の代理人であるパストレッロ氏が「完全移籍に要する移籍金の額は現実的ではない」と主張しているとのことです。
“観測気球” の意味合いが強い発言ですが、ユベントス側が移籍金を値引きする可能性は低いと言えるでしょう。
アルトゥール選手は1996年8月生まれの27歳。2020年夏にピアニッチ選手との交換トレードでユベントスに加入したものの、チームに上手くフィットすることはできず。
昨季はリヴァプールに期限付き移籍。今季は契約を2026年夏まで1年延長した上でセリエAのフィオレンティーナに期限付き移籍をしているブラジル代表への選出歴を持つ MF です。
現状としてはポゼッションを志向するイタリアーノ監督が率いるフィオレンティーナで司令塔としてポジションを確保。完全移籍の可能性が浮上しています。
ただ、以下の点が「アルトゥール選手のフィオレンティーナへの完全移籍」における懸念点になっていることは事実です。
- イタリアーノ監督の現行契約は2024年夏まで
- 後任監督がアルトゥール選手を評価するかは不明
- 完全移籍に必要な移籍金2000万ユーロはフィオレンティーナにとって高額
- ポジションの重複するM・ロペス選手がサッスオーロからの期限付き移籍で加入中
このため、アルトゥール選手の代理人であるパストレッロ氏は「アルトゥール選手のフィオレンティーナへの完全移籍の可能性を少しでも高める目的」で『移籍金の値引き』を希望するコメントを残したのでしょう。
フィオレンティーナには『アルトゥール選手の完全移籍に向けた移籍金交渉』が不調に終わった場合は『M・ロペス選手の買取 OP 行使』という『プランB』が存在するからです。
一方のユベントスは2024年6月30日時点での『アルトゥール選手の残存簿価』は約2200万ユーロとなるため、『移籍きの値引き』には消極的になるでしょう。「アムラバト選手の売却益で用立てろ」と言える立場でもあるからです。
2024年夏の移籍市場に向けた布石が打たれつつありますが、まずは個々の選手が 2023/24 シーズンを良い形で締めくくることができるのかに注目です。