ユベントスの親会社 Exor のエルカン会長がイタリア紙『ラ・スタンパ』からのインタビューに応じていましたので概要を紹介いたします。
ジョン・エルカン会長:
「私達アニェッリ家の情熱はイタリアそして世界中にいる何百何千万のビアンコネーレたちと同じです。
確かに私は特別な立場です。しかし、私達はまず第1にティフォージなのです。企業に源流を持つサッカークラブは存在します。オランダの PSV が代表例でしょう。
ユベントスは違います。FIAT のような企業から派生したのではありません。企業ではなく、常に家族だったのです。
曽祖父のエドアルド以来、ユベントスは常に革新を続けています。ナイトマッチが行われ、プロ選手が誕生し、ラジオ中継が始まって人気に火がつきました。
今日では自前スタジアムを最初に保有しました。トリノ経済にも貢献しており、このことは誇りでもあります。ピッチ内外で社会的問題への取り組みも学校を活用して行なっています。
自前スタジアムで得た最大の利益はクラブの収益ではありません。遠方から試合観戦に訪れた何万人もの人々に継続的な驚きを提供する術を知っているトリノの美しさを楽しんでもらっていることです。
ユベントスが問題と考える人もいますが、ユベントスは解決策です。ユーヴェは歴史的にカルチョの屋台骨であり、不可欠です。W杯を制した代表チームの骨格でもあります。
経済面では近年の移籍市場で5億ユーロを費やしてセリエAや下部リーグの予算を下支えしています。カルチョにとってポジティブでありたいと思っていますし、各機関との対話や協力に関してオープンでありたいと考えています。
『解決策の議論』と『問題の分析』を取り違えないようにしないといけません。
問題は誰の目にも明らかです。スーパーリーグはすでに存在していますし、それは “プレミアリーグ” と呼ばれています。他国リーグでは最高の選手がイングランドに移籍するため、競争力の低下は否めません。
この課題にどう対応するかの問題なのです。ユーヴェに関係する問題ではありません。欧州サッカー全体に影響を与える問題なのですから。
アンドレア(・アニェッリ)との断絶?それはないです。今日まで明らかな継続性がありますから。革新性、粘り強さ、そしてビアンコネーリが私達を幸せにする感情で結び付いています。
移籍市場で私達は重要な一撃をすでに繰り出しています。クリスティアーノ・ジュントーリが新 SD としてトリノに到着しました。
これが以前から述べている私達の歴史である適応と革新に合致した最たる例です。ジュントーリはユベントスに若き才能を発掘し、カンピオーネを輩出する働き方をもたらすでしょう。
彼はどのクラブでも素晴らしい仕事をして来ました。私達が擁する若く力強いタレントを活用してくれることに期待しています」