ゲヴィス・スタジアムで行われた 2022/23 セリエA第34節アタランタ戦に 0-2 で勝利したユベントスの監督および選手による試合後コメントを紹介いたします。
マッシミリアーノ・アッレグリ監督:
「肌の色に関係なく悪い瞬間です。これらのエピソードに重みを与えることなく戦わなければなりません。
権限を持つ人物が対処しなければならない問題です。ヴラホヴィッチは良い試合をしていましたし、人種差別チャントはあるべきではないのです。
冷静さを保たなければなりませんし、そういう人物は無視しなければなりません。簡単ではありませんが、そうしなければならないのです。
ピッチに立った選手たちはエネルギーを無駄にすることなく、良い試合をしてくれました。強いアタランタを相手にした重要で難しい試合で勝利したのです。
イリングは U-20 W杯へは参加せず、私達と行動を共にします。彼は成熟したテクニカルな試合をしました。他の若手選手と同様に浮き沈みはありますし、負傷した後は少し苦しみました。今は本来のイリングに戻っていますし、エリア内でのプレーも洗練されています。
ポグバはボールを簡単に失わない素質が備わっています。落ち着けと言う時もありますが、その際は冷静になるのではなくボールを保持することが重要なのです。
ヴラホヴィッチはゴールから遠ざかっていたことで怠け者のように映っていましたからね。良いプレーをしていましたし、ゴールは彼にとって良いことでしかありません。
セビージャは強くて経験豊富なチームです。ヨーロッパリーグの常連ですし、大会を制した経験も豊富です。私達は今日の試合で良いプレーができました。どの選手の活躍も嬉しく思いますし、ルガーニも非常に良いプレーをしていました」
アレックス・サンドロ選手:
「本当に難しい試合でしたし、非常に重要な勝利でした。この時期はどの勝点も大きな重みがありますし、私達はトップ4入りに近づきました。まだ終わりではありません。難しい試合が多く残っていることを私達は知っているからです。
ヴラホヴィッチは冷静です。並外れた選手ですから。不幸にも喜ばしくないエピソードが起きてしまいました。言及済みのことですが、法律が緩いからこのような出来事が繰り返し起きるのです。
もっと厳しい法律が必要だと思います。チームメイトに対してだけでなく、テレビや SNS で対戦相手の選手が人種差別を受けているのを見ると悲しくなります。
スタジアムには子供たちも観戦に訪れているのです。こういう出来事を体験させるべきではありません」
4位以内で終えるために「敗けて勝点が獲得できない事態」は回避したい思惑が両チームに滲み出た立ち上がりだったと言えるでしょう。
アタランタは CK 時にユベントスがゾーン・ディフェンスを採っていたことで優位性を発見。クロス攻撃から立て続けにシュートを放つも、ゴールネットを揺らすことはできませんでした。
一方のユベントスはイリング選手の存在が決め手となりました。
前半の時点で加速力を活かしてデュエルでの優位性を確保しており、ドリブルによる持ち上がりで入れ替わりを狙ったザッパコスタ選手の背後から追い付く形でボール奪取。このプレーから発動させたカウンターで先制点を奪取したからです。
守備時のポジショニングなど改善すべき点は残されていますが、チームを勝利に導く結果を残したことは大きな自信になるでしょう。
イタリア・メディアがアタランタ戦の試合中に発生したヴラホヴィッチ選手への人種差別チャント問題で騒ぐことが予想されるため、チームとして11日のセビージャ戦に向けて集中力を高める必要があります。
観客によるピッチ外の出来事への対応は “当局” に行動を促すべきだからです。苦手としていたアタランタ戦での勝利を UEFA のコンペティションにも活かすことができるのかに注目です。