2020/21 コッパ・イタリア5回戦ジェノア戦は 2-2 で延長に突入するも、ラフィア選手のゴールで勝利したユベントスが準々決勝に駒を進めました。
試合に出場した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [3-4-2-1] |
Genoa CFC [3-5-2] |
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GK | 77: ブッフォン | 32: パレアリ |
DF | 37: ドラグシン 28: デミラル 3: キエッリーニ |
5: ゴルダニーガ 13: バーニ 90: ダンブラバヌ |
MF | 52: ウェズレイ 5: アルトゥール 30: ベンタンクール 33: ベルナルデスキ 44: クルゼフスキ 39: ポルタノーバ |
18: ギリオーネ 8: レラガー 65: ロベッラ 24: メレゴーニ 99: チボラ |
FW | 9: モラタ | 9: スカマッカ 37: ピアツァ |
ユベントスのピルロ監督は 3-4-2-1 を選択。モラタ選手の背後をクルゼフスキ選手とポルタノーバ選手の2人がサポート。ベルナルデスキ選手が SB を兼任することで4バックに移行する布陣で試合に臨みます。
対するジェノアのバッラルディーニ監督は 3-5-2 を選択。スカマッカ選手とピアツァ選手が2トップを組み、両翼からギリオーネ選手やチボラ選手がサポートする陣容で試合を迎えます。
試合は立ち上がりからユベントスが畳み掛ける。開始2分にキエッリーニの縦パスに反応したクルゼフスキが左足で流し込み、ユベントスが1点を先制する。
9分にはベンタンクールからの横パスを受けたウェズレイが決定機を迎えるも、これは GK パレアリがストップ。パレアリは13分にも決定的なクルゼフスキのシュートを止め、ジェノアのゴールを死守する。
それでもユベントスは23分にベンタンクールからの縦パスをクルゼフスキが落とし、これを回収したモラタが流し込み、ユベントスのリードは2点に広がる。
しかし、ジェノアは28分に右サイドのゴルダニーガが入れた高い弾道のクロスを逆サイドでチボラが頭で合わせ1点を返すことに成功する。
後半は互いに守備を重視しつつも、攻撃はシュートで終わる時間が続く。ユベントスは50分にクルゼフスキからのパスを受けたモラタが切り返しから狙うも GK 正面。ジェノアは53分にピアツァのシュートがクロスバーを叩いて応戦する。
ユベントスは62分にモラタが、71分にベルナルデスキが決定機を得るが、ジェノア DF 陣のブロックに阻まれてしまう。すると74分にジェノアは右サイドからの展開されたパスを受けたメレゴーニがミドルシュートを決め、2-2 の同点に追い付く。
その後は両チームともに勝ち越すことはできず。試合は 2-2 で90分が終了し、延長戦で勝敗が決することになる。
ガス欠気味で攻撃に陰りが見え始めたジェノアに対し、ユベントスは96分にベルナルデスキが入れた右 CK にラビオがヘディングで合わせる。しかし、これも GK パレアリが防ぎ、ユベントスは均衡を破れない。
それでも105分に左サイドから仕掛けたモラタのクロスを中央に詰めたラフィアが押し込み、ユベントスが延長前半に勝ち越すことに成功する。
ジェノアは108分にダニーロのクリアミスで得た右 CK からドラグシンのマークを振り切ったラドバノビッチのヘディングシュートが枠内に飛ぶも、アルトゥールがゴールライン上でクリア。
最大のピンチを脱したユベントスは111分にクルゼフスキが個人技から決定的な枠内シュートを放つが、これも GK パレアリの好守に阻まれてリードを広げられず。しかし、それでも試合を 3-2 で終わらせ、苦しみながらも準々決勝に駒を進めた。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 5.5
メレゴーニのシュートを止めるのは困難だが、1失点目は GK の責任は重い。ウェズレイの守備力を考慮したコーチングができなかったのは批判の理由になるだろう。
DF: ドラグシン 6.0
ジェノアの FW 陣にボールキープを許す場面はあったが、突破までは許さずに壁として機能。戦力として計算できる存在であることを示した。
DF: デミラル 6.5
3バックの中央で最終ラインを統率し、ボヌッチを休養に回しても問題がないことを証明。出場時間をさらに伸ばすことが期待される。
DF: キエッリーニ 6.5
久ぶりの出場だったが、期待された堅牢さを守備陣に与える。注目は翌日以降のコンディションだろう。最終的な判断を下すのは少し早い。
WB: ウェズレイ 5.5
献身的に働き、攻撃時には持ち味である積極性と突破力を上手く表現できていた。一方で課題である守備が失点に直結したことが反省点。1失点目はクロスで競り負け、2失点目はメレゴーニのマーカーだった。
MF: アルトゥール 6.5
ボールを動かすという点においては質が高く、延長後半にはゴールライン上でクリアを見せるなど良い面が光った。流れの中での守備に巧さが加わるとポジションは確固たるものになるだろう。
MF: ベンタンクール 6.5
DF ラインの盾として機能するだけでなく、序盤から前線に縦パスを供給して決定機を演出。前半のみの出場だったが、存在感は十二分に発揮していた。
WB: ベルナルデスキ 6.0
4バック時には SB も兼任する役割を遂行。サイドで上下動を繰り返し、惜しいシュートを放つなど求められた役割でチームのために汗をかき続けた。
FW: クルゼフスキ 7.0
先制点を奪取するなど1ゴール1アシストの活躍。個人技でジェノアの守備網を突破するなどコンディションの良さをこの試合でも見せ付けた。
FW: モラタ 6.5
追加点となる2点目とラフィアの決勝ゴールとなる仕掛けを敢行。CF としてドッピエッタを記録できる決定機があっただけに達成して欲しかった部分ではある。
FW: ポルタノーバ 5.5
先発のチャンスは得たものの周囲から信頼を勝ち得ているとは言いがたく、ほとんどの時間帯で消えていた。44分のネットを揺らした場面も自身の安易なオフサイドでノーゴールとなるなど不完全燃焼だった。
【交代選手など】
MF: ラビオ 6.0
46分にベンタンクールとの交代で出場。ボランチの一角として中盤のバランス役を担う。メレゴーニに同点ゴールを許した際の守り方が反省点となるだろう。
DF: ボヌッチ 6.0
キエッリーニとの交代で65分から出場。DF ラインの中央で守備を統率する役割を担当する。仕事ぶりはまずまずだった。
DF: ダニーロ 5.0
65分にデミラルに代わり出場する。バレーボールのアタックのようなハンドやクリアミスで相手にセットプレー機会を与えてピンチを招くなど試合に入り切れていなかった。
MF: ラフィア 7.0
77分からポルタノーバとの交代で出場機会を得る。マッケニーを彷彿させる鋭いタックルや果敢なペナルティーエリア侵入で汗をかき、貪欲な執念が決勝ゴールへの結び付いた。チャンスを活かしたのは大きい。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
88分にウェズレイとの交代で出場。モラタの決定機をお膳立てするなどチャンスメイクに回ってチームに貢献した。
ピルロ監督 6.0
勝ち上がったことは評価に値するが、試合内容は大きな反省点だろう。ウェズレイが守備に難を抱えているのはBチームでプレーしていた昨季の段階で分かっていたこと。ディ・パルドを招集外にし、その弱点を突かれての失点で試合を縺れさせたことは猛省しなければならない。
キッフィ主審 6.0
一発勝負の試合を上手くレフリングしていたと言える。オフサイドなどの判断も審判団として的確であり、ダビデ・マッサとの違いを見せることになった。