ハンガリー・ブダペストで行われた 2020/21 UEFA チャンピオンズリーグ第3節フェレンツバーロシュ戦はモラタ選手のゴールを皮切りに4得点を奪ったユベントスが 1-4 で勝利しました。
試合に出場した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Ferencvaros [4-3-3] |
Juventus [4-4-2] |
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GK | 90: デーネシュ | 1: シュチェスニー |
DF | 8: ゲルゲー 25: ブラジッチ 33: ドバリ 21: ボトカ |
16: クアドラード 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 13: ダニーロ |
MF | 7: ソマリア 14: ハラティン 18: シーゲル |
8: ラムジー 5: アルトゥール 25: ラビオ 22: キエーザ |
FW | 11: ズブコフ 88: イサエル 10: ヌグエン |
9: モラタ 7: ロナウド |
フェレンツバーロシュのレブロフ監督は 4-3-3 を選択。イサエル選手を1トップに両サイドでズブコフ選手とヌグエン選手がサポートする布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。キエッリーニ選手が戦線に復帰し、前線はロナウド選手とモラタ選手の2トップで試合に臨みます。
立ち上がりに先手を奪ったのはユベントス。7分に右サイドの深い位置まで侵入したクアドラードがグラウンダーでクロスと入れるとニアにロナウドが走り込む。ロナウドのヒールキックは命中しなかったが、ファーサイドに詰めていたモラタが押し込んでユベントスが先制する。
対するフェレンツバーロシュは15分にソマリアが素早い動き出しから左足を振り抜くも、シュートは枠を捕らえず。ユベントスの隙を狙う闘志を見せる。
両チームが互いに素早い攻めでシュートを放ち合う中で決定機を手にしたのはユベントス。35分にスルーパスに反応したモラタが GK との1対1を向けた場面でロナウドに横パス。しかし、ロナウドは上手く右足でミートさせれずに絶好機を逸してしまう。
0-1 とユベントスが1点のリードで迎えた後半もユベントスが主導権を握る。
ユベントスは46分にゴール正面で得た FK をロナウドが直接狙うも、これは GK の正面。ロナウドは57分にも抜け出しに成功して右足でシュートを放つが、これはポストのわずかに左とゴールを奪うことができない。
それでも60分に右サイドに開いたロナウドがグラウンダーで入れたクロスを途中出場のマッケニーがまたぐと、中央に入り込んだモラタがゴール右上にダイレクトシュートを決めてユベントスが待望の追加点を決めることに成功をする。
完全に主導権を手にしたユベントスは73分に相手のバックパスが乱れたところを突いてボール奪取に成功したディバラが決めて3点目。ディバラは81分にも今度は相手 GK のフィードを奪ってゴールを決め、試合の行方を決定付ける4点目も奪取する。
ユベントスは90分にクリアボールを回収され、最後は右サイドからのクロスに合わせたボリにこぼれ球を押し込まれて1点を返されるが、フェレンツバーロシュの攻撃を1点に抑えて試合終了。アウェイのハンガリーで 1-4 の勝利を手にした。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
枠内シュートを放たれる場面が少ない中で集中力は保てていた。クリーンシートで終えたかったことは事実だが、至近距離から放たれたシュートのこぼれ球まで防ぐのは無理だろう。
DF: クアドラード 7.0
モラタの先制点をお膳立てしたことを皮切りに右サイドで攻守において機能していた。計算できる存在であり、過密日程の中でどう休養を与えるかが課題である。
DF: ボヌッチ 6.0
チームは大勝したものの個人のパフォーマンスとしては称賛しにくい内容だった。2列目から飛び出して来る選手を捕まえるのは容易ではないが、外す機会が多すぎる。強豪相手には致命傷となるだけに向上が不可避だ。
DF: キエッリーニ 6.0
負傷からの復帰戦で試運転であることを踏まえると、ある程度は低調な内容でも目を瞑らざるを得ない。どこまで状態を戻せるか次第だろう。
DF: ダニーロ 6.5
左右のどちら側で起用しても安定感のあるプレーを継続して見せれるようになったことが強みとなった。最終ラインのポリバレントな選手であり、ゴールに直結したプレーがなくとも黒子役としてチームに貢献した内容は大きい。
MF: ラムジー 6.0
スタートポジションが右アタッキングハーフということで少しの戸惑いが見て取れた。ただ、攻撃時はクアドラードが前に来る関係で中央への侵入が可能な役割であり、この部分で躍動すればチームの戦術幅が広がることも事実。負傷交代が疑われることが気がかりだ。
MF: アルトゥール 5.5
持ち前のテクニックで相手を翻弄するはずが、危険なゾーンでのボールロストでピンチを招く原因となる。前半での交代は妥当。週末のラツィオ戦で名誉挽回ができるかが注目点。
MF: ラビオ 6.0
アルトゥールとは対称的にエラーはほとんどなく、中盤(の中央)で落ち着いたプレーを見せてチームに安定感をもたらした。
MF: キエーザ 6.0
持ち味である縦への突破力をどうするかで評価が割れるだろう。右サイドからの仕掛けで得点が決まり、決定機が作られていたのだから同様の活躍が求められるのは事実。周囲がどのタイミングでボールを預けるかが鍵になるだろう。
FW: モラタ 7.5
2得点と結果を残した上、ロナウドの決定的な場面を作り出すなど周りが良く見えていることを示した。チャンピオンズリーグ得点王を狙える好スタートを切ったことが何より心強い。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
フル出場は予想外だったが、動き出しの部分は流石だった。それだけに決定機をゴールにできなかったことは悔やまれる。ただ、その中でのモラタの2点目をアシストし、最低限の仕事は果たした。
【交代選手など】
MF: ベンタンクール 6.0
46分にアルトゥールとの交代で出場。中盤を引き締め直して安定感をもたらす。ピルロ監督が中盤 MF の構成や役割を試行錯誤している段階であり、その中でベストを尽くしていた。
MF: マッケニー 6.5
ラムジーとの交代で53分から出場する。ラムジーを上回るダイナミックさを見せて前線の様々な場所に顔を出す。モラタの2点目で良いスルーを見せるなどオフ・ザ・ボールの動きは秀逸だった。
FW: ディバラ 6.5
67分にモラタに代わって出場機会を得る。バックパスへのチェーシングをサボらなかったことで73分と81分にゴールを奪取。81分はオウンゴールになってしまったが、献身性が報われたことに変わりはない。復調のペースを加速させられるかが注目点だ。
DF: フラボッタ ー
クアドラードとの交代で76分から出場し、左 SB のポジションを務める。一定の出場時間を得られたことで良い経験を積めたことだろう。90分の失点シーンでは反省はあったとしても、ミスはなかった。
ピルロ監督 6.5
期待したパフォーマンスを見せれなかったアルトゥールを前半で見限りベンタンクールを投入する手堅さとラムジーに代えてマッケニーを投入する修正・向上力を見せた。新米監督であり、結果を残し続けることが評価の基盤となる。継続力を示せるかが鍵だ。
グリンフェルド主審 6.0
地力の差があるチーム同士の対戦であり、提示されたカードが1枚だけだったことで目立つことはなかった。手堅いレフリングを見せたと言えるだろう。選手などがエキサイトする場面が少なかったことが審判団への何よりの評価だ。