4月20日に 2018/19 セリエA第33節フィオレンティーナ戦が行われ、2-1 で逆転勝利したユベントスがスクデット8連覇を達成しました。なお、同日開催の女子セリエA最終節でユベントス・女子チームもリーグ2連覇を手にしています。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
ACF Fiorentina [4-4-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: ラフォン |
DF | 20: カンセロ 24: ルガーニ 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
4: ミレンコビッチ 20: ペッツェッラ 5: チェッケリーニ 16: ハンコ |
MF | 23: エムレ・ジャン 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
25: キエーザ 14: ダボ 17: ベレトゥ 24: ベナッシ |
FW | 16: クアドラード 7: ロナウド 33: ベルナルデスキ |
11: ミララス 9: シメオネ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。アヤックス戦からは2選手(デ・シリオとディバラをカンセロとクアドラード)に入れ替えただけの手堅い布陣で試合に臨みます。
対するフィオレンティーナのモンテッラ監督は 4-4-2 を選択。ミララス選手とシメオネ選手が2トップを組み、キエーザ選手を右のアタッキングハーフで先発する陣容で試合を迎えます。
試合はユベントスがポジショナルプレーにチャレンジし、最終ラインからワンタッチ・ツータッチのパス交換で前進を試みる展開で始まる。しかし、ポジショナルプレーによる弊害が大きく出てしまう。
フィオレンティーナは5分にスローインからミレンコビッチが右サイドが突破し、キエーザにラストパス。キエーザからの折り返しで発生したこぼれ球をエリア内に侵入していたミレンコビッチが押し込み、フィオレンティーナが先制する。
先制したフィオレンティーナは10分と20分にカウンターからユベントスゴールに迫るが、シュートに正確性を欠き、シュチェスニーを脅かすまでには至らない。
一方、相手の守備ブロックを崩せずにいたユベントスは37分にピアニッチの右 CK からA・サンドロがニアサイドで合わせ、同点に追いつくことに成功する。
フィオレンティーナは43分にキエーザのシュートがクロスバーを直撃。33分のポスト直撃のシュートに続き、決定力を見せつけるが、ゴールに嫌われて前半は 1-1 で終えることとなる。
後半、先に決定機を作ったのはユベントス。53分にカンセロのパスに右サイドに開いていたロナウドが反応すると、低い弾道の高速クロスを中央に入れる。これがペッツェッラに当たってゴールイン。ユベントスが逆転する。
64分には CK からのこぼれ球を最後はピアニッチがエリア外から放った左足シュートが枠を捉えたが、これは GK ラフォンがセーブ。対するフィオレンティーナは90分にルガーニのクリアミスを突いたダボが決定機を手にしたが、シュチェスニーがストップ。
結局、試合はこのまま 2-1 で終了。逆転勝利を手にしたユベントスがスクデット8連覇を達成。同日には女子チームが女子セリエAを制しており、アベック優勝となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
1失点目の際にルガーニに右手首を踏まれて負傷するも、その後はゴールを死守。好パフォーマンスを披露した。
DF: カンセロ 6.0
右サイドでのパス交換を始め、ポゼッション時に存在感を発揮する。ただ、DF ラインを合わせられずに決定機を作られるなど守備面での課題が残っていることが示された試合だった。
DF: ルガーニ 5.5
高い守備ラインが理由で、裏のスペースを狙われ続ける。奮闘はしていたが、抜きん出た守備力を見せることはできず。ストレスが溜まる試合となった。
DF: ボヌッチ 5.5
カバーでチームの窮地を救う場面があったが、内容は極めて低調。DF 最高給を得ているのであれば、相棒がスケープゴートにされる時点でマイナス評価となる。
DF: アレックス・サンドロ 7.0
左サイドで持ち味の積極性を示し、37分には CK から同点ゴールを決める活躍を見せる。良い形でアクセントを付けることができていた。
MF: エムレ・ジャン 6.5
中盤でボールを引き出し、後半からは3バックの右 CB や右 SB の役割を担い、チームの守備を安定させるために大きく貢献した。戦術的な価値も大きく、重要な戦力になっていると言えるだろう。
MF: ピアニッチ 6.5
レジスタとしてボールを動かし、ボールを持った際は持ち上がるなど普段とは異なる形で攻撃を演出する。プレスの甘さなど反省点はあったものの、魅力を残したプレーだった。
MF: マテュイディ 6.0
中央のバランスを取りつつ、左サイドからA・サンドロの攻め上がりを引き出すなど汗かき役に徹した。ただ、カウンターを止めるなど “潰し屋” としての役割までは担えなかった。
FW: クアドラード 6.0
サイドに張るだけでなく、インサイドハーフとしても堅実なプレーを見せる。攻撃面で周囲との連携が噛み合えば、本調子にまで回復したと言えるだろう。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
チームがボールを繋ぐ攻撃を選択したため、中盤でボールを引き出す動きを積極的に行う。ただ、崩しの形まで構築されて切っておらず、決定機を手にするまでには至らず。それでも、自らの突破からオウンゴールを誘発するなど存在感を発揮した。
FW: ベルナルデスキ 6.0
ピッチ上の様々な場所に顔を出し、持ち前のドリブルで局面を打開するなど持ち味をアピールした。精度については向上の余地が残されている。
【交代選手など】
MF: ベンタンクール 6.0
65分にピアニッチとの交代で出場。テクニックを活かし、良いリズムでパス交換を行う。チームがポジショナルプレーを志向するなら、両足が使えるため、レジスタとして存在感を発揮できるだろう。
FW: ケーン ー
ベルナルデスキに代わり、74分から出場する。DF と MF のライン間でボールを引き出す動きを積極的に行うも、決定機に絡むことはできず。この点は不完全燃焼に終わった。
DF: デ・シリオ ー
クアドラードとの交代で86分から投入される。右サイドの守備を担当し、相手の攻撃を制限。期待された役割を全うした。
アッレグリ監督 6.0
手堅い人選で試合に臨んだが、試合内容は「ポジショナルプレーに基づく攻撃的なポゼッションサッカー」に挑戦しており、この姿勢は評価されるべきだろう。課題点が散見されたが、地道に1つずつ潰して行くしかない。今日の戦い方を継続し、精度を高めるなら、監督続投は妥当な判断だ。
パスクア主審 6.0
ロナウドに対するチェッケリーニのプレーは微妙で PK とも取れる内容だった。PK を取らなかったことは間違いではないが、注意は与えるべきだっただろう。副審のオフサイド判定が遅く、この点は審判団としてマイナスである。