アリアンツ・スタジアムで行われた 2018/19 セリエA第19節サンプドリア戦はロナウド選手のドッピエッタの活躍でユベントスが 2-1 で辛勝しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
UC Sampdoria [4-3-1-2] |
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GK | 22: ペリン | 1: アウデーロ |
DF | 2: デ・シリオ 24: ルガーニ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
7: サーラ 25: フェッラーリ 15: コリー 29: ムッル |
MF | 23: エムレ・ジャン 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
10: プラート 6: エクダル 16: リネティ 11: ラミレス |
FW | 10: ディバラ 17: マンジュキッチ 7: ロナウド |
17: カプラーリ 27: クアリャレッラ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。アタランタ戦では先発から外れたピアニッチ、ロナウド、マテュイディの3選手が先発に復帰。ペリン選手が急遽ゴールを守る布陣で試合に臨みます。
対するサンプドリアのジャンパオロ監督は 4-3-1-2 を選択。カプラーリ選手とクアリャレッラ選手が2トップを組み、G・ラミレス選手がトップ下でサポート。フェッラーリ選手とコリー選手の CB コンビで試合を迎えます。
試合は2分、ディバラからのサイドチェンジを受けたロナウドが左サイドからカットインしてシュートを放ち、ユベントスが試合開始直後に先行する。
23分にはキエッリーニがボールカットから持ち上がり、左サイドからクロスを入れる。これを逆サイドから走り込んだディバラがダイレクトで狙ったが、シュートはファーポストのわずかに左へと外れる。
一方のサンプドリアは28分に左 CK からのシュートはA・サンドロがゴールライン上でクリアするが、VAR が発動し、エムレ・ジャンの左腕に当たっていたとの判断で PK を獲得する。これをクアリャレッラが中央に蹴り込み、同点に追いつく。
1-1 で折り返した後半、先にチャンスを得たのはユベントス。52分にクロスボールのクリアを回収したマテュイディのシュートが枠を捕らえる。しかし、これはアウデーロが CK に逃れ、追加点を手にすることはできない。
ロナウドは58分と61分にも決定的なシュートを放つも、いずれもサンプドリアに防がれてしまう。
だが、ユベントスが獲得した62分の右 CK から今度はフェッラーリの右手にボールが当たり、主審のバレリは PK を宣告。VAR による確認を挟んで再開された PK をロナウドが正面に蹴り込み、ユベントスが勝ち越しに成功する。
対するサンプドリアはクアリャレッラを中心に反撃するも、ペリンを脅かせず。ユベントスも76分に左サイドからのクロスのこぼれ球をフリーのディバラが狙うも、シュートは枠を捉えず。試合を決定づけることはできない。
このまま試合終了かと思われた91分、サンプドリアはルガーニからのバックパスを受けたペリンにプレッシャーをかける。これによってミスキックとなったボールをデフレルが競り、こぼれ球を回収したサポナーラが左足でファーサイドのネットを揺らし、土壇場で同点ゴールを決める。
しかし、VAR が3度目の発動。デフレルがボールをA・サンドロと競り合った時点でオフサイドポジションにいたサポナーラがボールを回収していたことが確認され、ゴールは取り消されてしまう。
結局、試合はこのまま 2-1 で終了。VAR によって命拾いしたユベントスがロナウドのドッピエッタで 2-1 で競り勝った。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ペリン 5.5
アディショナルタイムの “失態” を除けば、上場の内容だった。ただ、安定感という点でシュチェスニーとの差を見せつけられた形になったと言えるだろう。
DF: デ・シリオ 6.0
守備で的確なポジションを取り、サイドから侵入してシュート機会を狙うクアリャレッラを離さなかった。攻撃面でアクセントを効果的に付けることができるかが後半戦のテーマだ。
DF: ルガーニ 6.0
好調なサンプドリア攻撃陣を相手に奮闘。封じ込めるまでには至らなかったが、合格点には十分に値する出来だった。チャンスは継続的に与えられるべきだ。
DF: キエッリーニ 6.5
連戦での起用でコンディションが懸念されたが、杞憂に終わった。守備陣を統率し、守備を安定させ続けた功績は大きい。23分に見せた攻め上がりも見事だった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
左サイドで攻守に汗をかき続けた。普段と比べて大人しい印象だったが、1週間で3試合目であり、先発フル出場なのだから十分な働きをしたと言えるだろう。
MF: エムレ・ジャン 6.0
中盤で攻守に奔走するも周囲と完全には噛み合わず、連携面に向上の余地が残されていることを示した試合だった。自らの持ち味をどう発揮していくかがポイントになるだろう。
MF: ピアニッチ 6.5
中盤のコントロール役として機能し、攻撃の舵取りを行った。ボールの動かし方という点で存在感を発揮した。
MF: マテュイディ 6.0
前半はフラストレーションを蓄積するなど、本来の持ち味を示せなかった。だが、後半は尻上がりに復調し、惜しいシュートやスペースへの走り出しなどチームのために貢献し続けていた。
FW: ディバラ 6.5
右サイドから攻撃に変化を付け、チャンスと見るやエリア内に侵入してシュートを放つという形で攻撃を牽引。得点が決まらなかったことだけが悔やまれる出来だった。
FW: マンジュキッチ 6.0
ポストプレーなどで献身性を示すも、シュートやアシストという決定的な仕事をするまでには至らず。疲労を考慮され、途中交代となった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.5
ドッピエッタの活躍でチームを勝利に導く。アウデーロの好セーブがなければ、トリプレッタも十分に可能だっただろう。それだけ存在感が抜きん出ていた。
【交代選手など】
FW: ベルナルデスキ 5.5
79分にマンジュキッチとの交代で出場する。4-4-2 の右アタッキングハーフを担当したが、攻撃面でのインパクトを残すことはできず。不完全燃焼だったと言えるだろう。
FW: ドウグラス・コスタ ー
マテュイディに代わり、82分から出場機会を得る。左サイドからドリブルで存在感を発揮したが、シュートを利き足とは逆の右足で放つことになるなど大きなアピールをするまでには至らなかった。
アッレグリ監督 6.0
VAR に救われた辛勝ではあったが、年内最終戦を勝利で終えられたことは大きい。ただ、直近の試合では交代枠を使い切っておらず、その結果として交代カードが限定される結果を招いたのは反省点と言えるだろう。ケーンとスピナッツォーラに出場機会を求めて期限付き移籍を希望されると台所事情が苦しくなることを自覚する必要がある。
バレリ主審 5.5
主審としての仕事は妥当なものだっただろう。判定基準は一定だったし、肉眼での確認が困難だったエムレ・ジャンのハンドは流し、フェッラーリのハンドは即座に PK を宣告した。VAR を担当したファビオ・マレスカが過干渉であり、審判団として試合の流れを分断しすぎたことはマイナスとして評価されるべきだ。ただ、ユーヴェは土壇場の VAR で勝点3を得たことを忘れるべきではないだろう。