10月の代表戦明け初戦となったセリエA第8節ラツィオ戦はユベントスが1点リードで前半を折り返すも、後半にインモービレ選手に2得点を許し、1-2 で逆転敗けとなりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-1-4-1 / 4-3-3] |
SS Lazio [3-5-2] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: ストラコシャ |
DF | 26: リヒトシュタイナー 15: バルザーリ 3: キエッリーニ 22: アサモア |
15: バストス 3: デ・ブライ 26: ラドゥ |
MF | 30: ベタンクール 11: ドウグラス・コスタ 6: ケディラ 14: マテュイディ 17: マンジュキッチ |
77: マルシッチ 16: パローロ 6: ルーカス・レイバ 21: ミリンコビッチ 19: ルリッチ |
FW | 9: イグアイン | 17: インモービレ 18: ルイス・アルベルト |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。ベタンクール選手を中盤の底に配置し、D・コスタ選手とマンジュキッチ選手のポジション次第で 4-1-4-1 に変化するシステムで試合に臨みます。
対するラツィオのインザーギ監督は 3-5-2 を選択。好調の CF インモービレ選手をL・アルベルト選手とミリンコビッチ=サビッチ選手などがサポートする得意の形で試合を迎えます。
試合はセカンドボールを回収し続けたユベントスがリズムを掴む。そのユベントスの攻勢が実ったのは23分。左サイドを突破したアサモアがクロス。中央で合わせたケディラのシュートはブロックされたが、D・コスタが押し込みユベントスが先制する。
ラツィオは「D・コスタがオフサイド」と抗議したが、ケディラがシュートを放った時点でアサモアのマークについていたバストスがD・コスタよりゴールラインの位置にいたため、得点は認められた。
ビハインドを負ったラツィオは中央を固められていたため、サイドからのクロスで攻め立てる。しかし、弾き返され、チャンスらしいチャンスを手にすることができない。
すると、ユベントスは36分にケディラが強烈なロングシュートでストラコシャを脅かす。37分にはバックパスにイグアインが猛烈なプレスをかけ、 ストラコシャのキックをブロックに成功。ただ、クロスバーがラツィオを救い、前半はユベントスが一方的と言える内容で折り返す。
ところが、後半に入ると立場が完全に逆転する。
47分にラツィオはユベントスの DF と MF の間に入ったインモービレがL・アルベルトとのワンツーで抜け出し、ブッフォンとの1対1を制して同点に追いつくことに成功する。
だが、ユベントスは50分にマンジュキッチのアシストを受けたイグアインが GK との1対1を迎えたが、決めきれない。すると、52分にミリンコビッチ=サビッチからのパスを受けてエリア内に侵入したインモービレがブッフォンに倒されて、ラツィオが PK を獲得。インモービレ自身がきっちり決め、ラツィオが後半開始10分で逆転する。
追いつきたいユベントスだったが、焦りと疲労からミスを連発し、守備を固めるラツィオのゴールを脅かすことができない。90分にはエリア外からディバラが左足を素早く振り抜いたものの、シュートはポストを直撃。
94分にはエリア内に侵入したベルナルデスキがパトリに倒される。両チームが入り乱れる中、VAR が適応され、主審のマッツォレーニは PK を宣告。キッカーのディバラは左下を狙ったものの、ストラコシャに読み切られており、セーブされていまう。
結局、試合はこのまま 1-2 で終了。ユベントスは痛すぎる逆転敗けを喫し、首位ナポリとの勝点差は5に広がり、ラツィオには勝点で並ばれることとなった。
出場したユベントスの選手・監督などに対する採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
インモービレになす術なし。ただ、決定的な3点目は防ぐなど奮闘はしていた。
DF: リヒトシュタイナー 5.5
戦う姿勢は見せていたが、チームは呼応せず、空回りの状態に陥っていた。攻撃面での貢献が極端に少なかった。
DF: バルザーリ 5.0
アッレグリは経験と実績を評価したのだろう。だが、この試合で見せたパフォーマンスは悲惨だった。自動ドアのように花道を作るようでは話にならない。
DF: キエッリーニ 5.5
空中戦やクロスでは対処していたが、流れの中であっさりと中央を破られたことは DF 陣としての限界が示された試合となった。
DF: アサモア 6.0
攻守に存在感を発揮し、アクセントを付けていた。合格点が与えられる数少ない選手である。
MF: ベタンクール 5.0
前半と後半の出来が別人だった。集中力が切れ、パスミスを連発という状況でも90分起用せざるを得ないという状況がチーム状態を示しているのだろう。
MF: ドウグラス・コスタ 6.5
切れがあり、ドリブルで右サイドを突破するなど適応が進んでいることを示した。ゴール前で素早く反応し、ゴールを決めたことで本来のプレーを披露することが期待される。
MF: ケディラ 5.5
中盤で落ち着きを与えるなど本来のプレーを見せた反面、対面したミリンコビッチ=サビッチを自由にするなど本調子とは言える内容ではなかった。
MF: マテュイディ 5.5
献身性を示し、同タイプのパローロを消すことに成功。自分はチーム攻撃に関与するなど優位性を維持したが、左サイドからの創造性が不足していたため、決定機を演出するまでには至らなかった。
MF: マンジュキッチ 6.0
左サイドでチャンスメイクをし、守備に奔走するなど求められた役割は十分に果たしていた。
FW: イグアイン 5.0
前節と比較すると、動きは格段に鋭くなっていた。だが、フィニッシュの精度がなかったため、得点が期待される選手として評価することはできない。
【交代選手など】
MF: ベルナルデスキ 5.5
54分にドウグラス・コスタとの交代で出場。最後に PK を獲得したことで求められた結果を示すことはできたが、攻撃のギアを上げるというところまでには至らなかった。
FW: ディバラ 5.0
ケディラに代わり、65分から出場する。スペースを消したラツィオの守備陣に手を焼き、90分まで何もできず。最後はリーグ戦2試合連続 PK 失敗で、調子を落とす結果となった。
DF: ストゥラーロ ー
リヒトシュタイナーとの交代で73分から右 SB に入る。カウンター潰しとサイドチェンジでベンチの期待には応えた。
アッレグリ監督 4.5
試合に向けた準備はできていたことは前半の内容が示していが、ハーフタイムを終えた後半開始10分の出来が悲惨すぎた。前半35分過ぎから試合がオープンになる悪癖を修正するどころが、守備が崩壊し、自滅しているのだから無冠が現実味を帯びたと言えるだろう。
マッツォレーニ主審 6.0
VAR の判断でラツィオ側は文句を言いたいかもしれないが、ラツィオは VAR を適用されないことでエリア内でのハンドを見逃してもらっている。ジャッジの基準は一定で、審判員としての能力を批判される内容ではなかった。