カーディフで行われた UEFA チャンピオンズリーグ決勝は後半に3得点をあげたレアル・マドリードが 1-4 で勝利し、史上初の大会連覇を達成いたしました。
先発した選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-2-3-1] |
Real Madrid [4-3-1-2] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: ケイロル・ナバス |
DF | 15: バルザーリ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
2: カルバハル 5: ヴァラン 4: セルヒオ・ラモス 12: マルセロ |
MF | 5: ピアニッチ 6: ケディラ 23: ダニ・アウベス 21: ディバラ 17: マンジュキッチ |
19: モドリッチ 14: カゼミーロ 8: クロース 22: イスコ |
FW | 9: イグアイン | 9: ベンゼマ 7: ロナウド |
ユベントスは 4-2-3-1 を選択。準決勝モナコ戦と同じメンバー構成でファイナルに臨みます。
対するレアル・マドリードは 4-3-1-2 を選択。イスコ選手がトップ下に入り、ベイル選手はベンチスタートという形で試合を迎えます。
試合はユベントスが良い立ち上がりを見せる。3分にイグアインが遠目のレンジから右足で強烈なシュートを放ち、GK ナバスのセーブを強いる。7分にはピアニッチのボレーシュートがレアルゴールを襲ったが、これもナバスの好守により、ゴールを奪うことができない。
すると、レアルがワンチャンスを物にする。20分に左サイドから持ち上がり、ロナウドを経由して、ボールはカルバハルに渡る。カルバハルのクロスに合わせたロナウドのシュートが決まり、レアルが先制する。
守備のラインを下げたレアルに対し、ユベントスはパワープレーに近い形で対抗すると、27分に結果が現れる。アレックス・サンドロからのクロスをイグアインが落とし、マンジュキッチにラストパスを送る。やや高い軌道だったが、胸トラップからのジャンピングボレーが決まり、ユベントスが追いつくことに成功する。
前半は互いに譲らず 1-1 で終えたが、後半に入ると、圧力を強めたレアルの前にユベントスはリズムを失い始める。54分にはモドリッチが左足シュートを放ったが、これはブッフォンがキャッチ。
しかし、61分に左サイドに開いたベンゼマからの折り返しからクロースがシュートを放つ。アレックス・サンドロがブロックしたものの、この跳ね返りをカゼミーロがシュート。それがケディラに当たってコースが変わり、レアルが再びリードを奪う。
追いつきたいユベントスだったが、64分に右サイドを抜け出したモドリッチからのクロスを後ろから走り込んだロナウドに決められ、リードを2点差にされてしまう。
交代カードでクアドラードを投入したが、83分にセルヒオ・ラモスが退場に追い込む狡猾さを見せつけ、ユベントスの勢いは完全に失われる。90分にはマルセロの突破からアセンシオが決めて4点目。試合は 1-4 でレアルが勝利し、大会史上初の連覇を達成することとなった。
出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 5.5
1失点目はクリアしようとしたボヌッチが、2失点目はブロックにいったケディラのプレーが不運にも悪い方へと作用した。GK に責任はないが、チームが不運な形で失点した時こそ、キャプテンの鼓舞が求められていたのではないだろうか。
DF: バルザーリ 6.0
レアルの左サイドからの攻撃を抑え、深く切れ込ませないなど攻撃の幅を限定し続けた。退いた後に守備が脆弱なったことからも貢献度は明らかだ。
DF: ボヌッチ 5.0
フィードの正確さで前線にボールを供給するなど持ち味は発揮したが、意図的に2列目のポジションを採った CF に2得点を許すなど決定的な存在にはなれなかった。
DF: キエッリーニ 5.5
ロナウドに自由を与えず、上手く消していたが、自身がクロスへの対応が必要な状況を作られた時に決定的な3点目を許すことになってしまった。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
同点ゴールとなる折り返しをするなど攻撃にも絡んだが、守備に追われ、パスの精度を欠く場面があるなど後手に回る場面が多かった。
MF: ピアニッチ 6.0
強烈な枠内シュートを放ち、ボールを動かし、ドリブルで持ち上がるなど中盤で違いを生み出していた選手だった。足を痛めたことで交代となったが、大一番で力を見せていた選手である。
MF: ケディラ 5.0
中盤のスペースを消すことに重きを置きすぎたのか、プレーへの関与が少なかった。カゼミーロのシュートコースを変えたことがハイライトでは寂しい限りだ。
MF: ダニ・アウベス 5.5
マルセロを潰す役割を全うし、ロナウドが得た得点機に全力で戻るなど大奮闘した。しかし、攻撃では周囲からの十分なサポートが受けられず、力を発揮するまでには至らなかった。
MF: ディバラ 5.0
カゼミーロやセルヒオ・ラモスのマークに苦しみ、右サイドに流れる場面が多く、流れの中で得点チャンスを演出できなかった。このような状況下でも違いを生み出す力を見せることが必要となるだろう。
MF: マンジュキッチ 6.5
アクロバティックな同点弾を決め、チームの士気を高める仕事をやり遂げた。ユベントスの中で最も得点の匂いを感じさせていた選手だったが、サイドでチャンスメイクに注力したことが惜しまれる点である。
FW: イグアイン 5.0
試合時間が経過するごとに存在感が消え、マンジュキッチの同点ゴールを演出した後は特筆に値するプレーがない状況だった。
【交代選手など】
MF: クアドラード 4.5
66分にバルザーリとの交代で出場する。ボールタッチは少なかったが、83分にセルヒオ・ラモスによって退場に追い込まれる。上手く演技されたと言えるが、パフォーマンス内容は芳しいものではなかった。
MF: マルキージオ 5.5
ピアニッチとの交代で71分から出場。レジスタの位置からボールを配給したものの、試合展開を大きく変えるようなプレーを見せることはできなかった。
MF: レミナ ー
ディバラに代わり、78分から出場機会を得る。4-3-3 のセントラル MF に入ったが、持ち味は示せず。試合終了間際にマルセロに振り切られるなど厳しい現実を突きつけられた。
アッレグリ監督 5.0
アンラッキーな形で2失点を喫するまでは守備を上手く機能させており、周到な準備ができていたと言えるだろう。しかし、攻撃面での準備不足は明らかだ。「ディバラが封じられる場合」を想定したプランBがなかった印象が残ったのは残念なことだった。
ブリッヒ主審 6.0
フィジカルコンタクトを容認したこともあり、両チームともにフラストレーションを募らせていた。クアドラードの退場についてはセルヒオ・ラモスの声だけで判断した副審の責任が大きいと言うべきだろう。