2018/19 UEFA チャンピオンズリーグ第4節マンチェスター・ユナイテッド戦はロナウド選手のゴールで先制するも試合終了間際のセットプレーで2失点を献上したことで響き、1-2 の逆転敗けを喫することになりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
| Juventus [4-3-3] |
Manchester United [4-3-3] |
|
|---|---|---|
| GK | 1: シュチェスニー | 1: デ・ヘア |
| DF | 2: デ・シリオ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ  12: アレックス・サンドロ |
18: ヤング 12: スモーリング 2: リンデロフ 23: ショー |
| MF | 6: ケディラ 5: ピアニッチ 30: ベンタンクール |
21: エレーラ 31: マティッチ 6: ポグバ |
| FW | 16: クアドラード 10: ディバラ 7: ロナウド |
14: リンガード 7: アレクシス・サンチェス 11: マルシャル |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。負傷が癒えた直後の選手は基本的にベンチスタートとなり、前線はクアドラード、ディバラ、ロナウドの3選手が担当する布陣で試合に臨みます。
対するマンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督も 4-3-3 を選択。こちらは前線にリンガード、アレクシス・サンチェス、マルシャルとスピード自慢の3トップを起用する陣容で試合を迎えます。
試合は5分にディバラの浮き球パスを受けたロナウドがシュートを放つなど、ユベントスが序盤からユナイテッドのゴールを脅かす展開で始まる。
主導権を握り続けたユベントスは34分にクアドラードのシュートがマティッチに当たってコースが変わるも、デ・ヘアが好セーブ。直後の35分には右サイドに抜け出たロナウドの折り返しを中央でフリーのケディラが合わせたが、シュートはファーポストを叩き、先制点をあげることができない。
結局、前半はこのまま 0-0 で終了する。
後半に入っても、ユベントスが攻め立てる展開が続く。ユベントスは50分に右サイドでボールを引き出したディバラが中に切れ込んでシュートを放つが、ボールはクロスバーに嫌われてしまう。
対するユナイテッドは前半よりは攻め込む回数が増えたものの、シュチェスニーを脅かす枠内シュートを放つまでには至らず。両チームともに決定力を欠く中で時間だけが経過する。
すると65分に均衡が破れる。ユベントスはボヌッチからのフィードにロナウドが反応。リンデロフの裏にスプリントで抜け出して、後方からの浮き球をロナウドが右足のダイレクトボレーでデ・ヘアの牙城を破り、ユベントスが待望の先制点をあげる。
1点をリードしたユベントスは72分にピアニッチ、74分にカウンターからクアドラードに絶好の追加点の機会が訪れたが、肝心のシュートが枠を捉えない。
それでも、ユベントスはデ・シリオに代えてバルザーリを投入し、逃げ切りを図る。だが、この判断が完全に裏目に出る。
85分に自陣右サイドからの突破を許して中央にボールを持ち込まれると、ペナルティーアーク付近でマテュイディがポグバを倒し、FK を与えてしまう。すると、これをマタに壁の上を通すキックを決められ、同点に追いつかれてしまう。
89分には自陣右サイドで与えた FK から、ヤングにシュチェスニーと DF の間にボールを入れられ、シュチェスニーがブロックしたボールがポグバのマークでゴール方向に走っていたボヌッチとＡ・サンドロに当たってオウンゴール。逆転を許してしまう。
アッレグリ監督はマンジュキッチを投入するが、逆にカウンターを受け、あわや3失点目のピンチを招いてしまう。試合はこのまま 1-2 で終了。ユベントスが自滅する形で今季公式戦の初黒星を喫することとなった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
悪い出来ではなかったが、動き出しという点では改善点があったように思われる。ただ、戦犯扱いされるような内容ではなかったことは確かだ。
DF: デ・シリオ 6.5
マルシャルを封じ込み、タイミングの良い攻め上がりで攻撃時にアクセントを付けた。交代後に担当していた右サイドから自慢の守備網が崩壊したことがパフォーマンスの良さを示している。
DF: ボヌッチ 5.5
ロナウドの芸術的なゴールをアシストするなど、ボール保持時は世界最高の DF であることを証明した。ただ、終了間際の2失点への関与分がマイナスである。
DF: キエッリーニ 6.0
身体を張り続け、自らが担当するサイドから相手が決定機を作ることを阻止し続けた。それだけに、セットプレーからの2失点が悔やまれる。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
オールド・トラッフォードで見せた内容をトリノでも再現。期待された仕事を最後まで忠実に再現した。記録上はオウンゴールをしたことになったが、その責任はほぼゼロだ。
MF: ケディラ 5.5
負傷明けで60分までミスなくプレーを見せたことは評価されるべきだ。ただ、35分に訪れた決定機を活かせなかったことが響く結果となってしまった。
MF: ピアニッチ 6.0
攻守にバランスを取り、中盤でボール奪取を行うなど持ち味を発揮。しかし、ケディラと同様に決定機を逃し続けたツケを最後の最後で払う羽目になった。
MF: ベンタンクール 6.5
マテュイディの役割を難なく遂行し、高い能力を有していることを示した。インサイドハーフとして、現状は最も高いパフォーマンスを期待できる選手と言えるだろう。
FW: クアドラード 6.0
自慢のスピードと意外性で違いを見せる。ただ、ゴール前での決定力も普段どおりで、チームの勝ちを決定づける仕事をすることはできなかった。
FW: ディバラ 5.5
ポスト直撃シュートを放つなど存在感は発揮したが、全体としては低調な出来だった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.0
チーム訪れた最も難しい決定機を難なく決め、エースとしての存在感を発揮した。決定機の演出もしており、これ以上の仕事を求めるのは酷だろう。
【交代選手など】
MF: マテュイディ 5.5
61分にケディラとの交代で出場する。持ち味を発揮していたが、ポグバへの不用意なファールをしてしまうなど本調子とは言えなかった。
DF: バルザーリ ー
デ・シリオに代わり84分から出場。3バックの一角としてプレーするも、チームは2失点を喫して逆転敗け。戦犯扱いされているが、仮にベナティアが出場していたとしても同じ結果になっていただろう。
FW: マンジュキッチ ー
逆転を許した92分にクアドラードとの交代で出場機会を得る。だが、与えられた時間が短すぎ、何もすることはできなかった。
アッレグリ監督 5.0
（本人は認めないだろうが）逆転敗けの原因を作る選手交代をしてしまった。マルシャルを抑えたデ・シリオを下げたことが最大の失敗だった。CB を1人増やしたいなら、ディバラかクアドラードとの交代を決断し、5-4-1 のブロックを構築すべきだったと言えるだろう。最も慢心していたのは監督自身であることが明らかになった試合でもあった。
ハツェガン主審 6.0
ジャッジは公平な水準だった。ただ、前半にエリア内でクアドラードがショウに手を使って倒されたシーンを見逃すなど、疑問が残る場面もあり、手放しで称賛できる審判団ではなかったことは確かだ。
