5月23日に行われたセリエA第37節のユベントス対ナポリの一戦は、ホームのユベントスがペレイラ、ストゥラーロ、ペペ選手のゴールで 3-1 の勝利で終えました。
選手たちは3日間のオフを過ごした後にセリエA最終節のエラス・ベローナ戦を含め、6月6日に控える大一番に向けての準備を本格化させることとなります。
選手入場前に水曜日に勝ち取ったコッパ・イタリアのトロフィーがファンにお披露目され、選手入場の時もユベントスは全選手が自分たちの子供をエスコートするという普段とは明らかに異なる雰囲気の中で試合が始まることとなります。
両チームの先発メンバーは下図のとおりでした。
ユベントスは 4-3-1-2 を、そして負けられないナポリは 4-2-3-1 を選択して試合に挑みました。先制したのはユベントス。スピーディーが売りのコマン選手が “一瞬の閃き” も持ち合わせていることを見せつける浮き球のスルーパスをペレイラ選手に通し、それをペレイラ選手が冷静に流し込みました。
不運なPKを取られたことで同点に追いつかれたユベントスでしたが、ナポリ守備陣をあざ笑うかのようにストゥラーロ選手が見事なターンから左足でゴールを決め、突き放すことに成功します。そして、追加タイムに獲得したPKをペペ選手がど真ん中に蹴り込み、試合を決定づけました。
この試合に出場したユベントスの監督/選手への採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 7.0
失点は不運な形でのPKからのこぼれ球を押し込まれたものだった。ダビ・ロペスのボレーをストップするなど、決定的な仕事をし続けた。
DF: パドイン 6.0
試合開始時は突破されることがあったが、その後は対面するメルテンスにまったく効果的な仕事をさせなかった。
DF: バルザーリ 6.0
水曜日に120分戦ったこともあり、前半だけの出場に留まる。オグボンナとのコンビでイグアインの存在を完全に消し去っていた。
DF: オグボンナ 6.5
不要なファールをすることなく、リーグ屈指の攻撃力を誇るナポリを押さえ込んだ。シュートブロックなどをサボらなかったことも高評価。
DF: アサモア 5.5
PKの判定は不運だったとしか言い様がない。ほぼ半年ぶりのプレーだっただけに前半のボールタッチには荒さが見えた。後半は感覚を取り戻しつつあることが見えたが、88分過ぎのクリアで足を痛めたと思われるため容態が1番の気がかりだ。
MF: ストゥラーロ 6.5
ガットゥーゾの様な闘志を全面に押し出すタイプと思われていたが、エリア付近ではテクニシャンの一面も持ち合わせていることを証明した1番となった。
MF: マルキージオ 6.0
中盤の底として守備的な任務を確実に実行していた。バルセロナとの大一番でも彼の働きが相手の攻撃の芽を摘み取れるかに大きく影響するだろう。
MF: ポグバ 6.5
水曜日の試合ではスタミナに不安を覗かせたが、この試合ではその心配は不要だった。徐々に試合感を取り戻しており、6月6日には「1億ユーロの選手」にふさわしいプレーを見せてくれるだろう。
MF: ペレイラ 6.5
効果的な動き出しから冷静にゴールを決めた一連の流れは文句のつけようがない。ビルドアップに参加する際に繊細さが加われば、さらに選手としての評価を高めることになる選手である。
FW: モラタ 5.5
一瞬でもマークを外すと危険な選手と思われるようになったことは大きな成長の証である。このタイトなマークが緩んだ隙を見逃さず決め切れるようになれるかが来シーズンのテーマとなるだろう。
FW: コマン 6.5
スピードによる突破一辺倒ではなく、ペレイラへのアシストパスにも見られたようにセンスも見せつけることに成功した。もちろんスピードも一級品でナポリの守備陣を混乱に陥れていた。改善すべきはラストパスのタイミングだけであった。
【交代選手】
DF: ボヌッチ 6.0
後半からバルザーリと交代出場。ナポリが盛り返したこともあり攻め込まれるシーンも見られたが、目立ったミスをするようなことはなかった。
MF: ピルロ 6.0
70分にマルキージオと交代で出場。前に出るナポリの裏にできたスペースを狙う意図を持ったパスを効果的に通していた。
MF: ペペ 6.0
ペレイラと交代で79分から出場。彼にとってユベントスの選手として最後のホームゲームとなる可能性がある試合でPKを譲られたことが選手達からも愛されていたことが見て取れたシーンである。
アッレグリ監督 6.0
ストゥラーロ、ペレイラ、ポグバ、モラタ、コマンと25歳未満の選手を5人先発させるなど、来期以降を見据えた起用だったとも言える。今日の交代策はCBの疲労を考慮したものと、ピルロやペペといった今シーズンで見納めとなる可能性がある選手達にファンとの別れの機会を提供したと見ることもできるだろう。