5月16日に行われたセリエA第36節インテル・ミラノ対ユベントスの一戦は、マルキージオ選手とモラタ選手のゴールでユベントスが 1-2 で逆転勝ちを納めました。
両チームの先発メンバーは次の通りです。
どちらのチームも 4-3-1-2 を選択しました。ユベントスはチャンピオンズリーグ直後の試合であることと、20日にコッパ・イタリア決勝が控えていることをから大幅なターンオーバーを実施しています。
GK: ストラーリ
DF: リヒトシュタイナー、バルザーリ、ボヌッチ、パドイン
MF: ロムロ、マルキージオ、ストゥラーロ、ペレイラ
FW: モラタ、マトリ
試合はチャンピオンズリーグに出場した選手たちが疲労からのミスを繰り返し、劣勢に立たされるという展開となります。ユベントスの試合への入り方は明らかに良くなかったのですが、インテルも試合序盤から選手間が“間延び”を起こしており、1対1での精度が高い方が前半は優位に試合を進めるといった形でした。前半だけで相手にイエローカード3枚を出させ、1-1 のドローで終えれたことは良かったと言えるでしょう。
後半はユベントスが56分にオグボンナ選手を投入して 3-5-2 にシステムを変えたことを皮切りに、インテルも長友選手を71分に入れて 3-4-1-2 にスイッチ。3バックで決着を目指すことになりました。
試合を決めたのはモラタ選手のゴール。惜しいシュートを枠内に飛ばし続けていたモラタ選手がこの試合で始めた放った “シュート回転” が強烈にかかったシュートがハンダノビッチ選手の予想に反し、ゴールネットに突き刺さりました。
メンバーをかなり落とした中でも、インテルに逆転勝ちしたということは相手にかなりのショックを与えたことでしょう。この試合に出場したユベントスの選手に対する採点は次のとおりです。
GK: ストラーリ 7.0
38歳という年齢は詐称しているに違いない。イカルディの得点はリフレクションであり、彼の責任ではない。後半に見せた彼のビッグセーブ2連発が勝ち点3に結びついた。
DF: リヒトシュタイナー 5.0
スタミナは無尽蔵だが、判断力とパスの精度には限度があったようだ。次節のナポリ戦は累積警告による出場停止だが、彼には良い休養になるだろう。
DF: バルザーリ 6.0
ストラーリとともに守備陣を支え続け、戦っていた選手の1人。対人守備の強さは今の健在であることを示すことができていた。
DF: ボヌッチ 6.0
インターセプトやクリアなど、連戦の疲労を感じさせないプレーを見せていた。チームが招いた大きなピンチはいずれも自陣の右サイドからだったことがその証拠である。
DF: パドイン 6.0
対面するダンブロージオやブロゾビッチのサイド攻撃を上手く封じていた。また、左サイドからの攻撃の起点としても機能しており、エヴラの代役を十分に勤め上げたと言えるだろう。
MF: ロムロ 5.0
セントラルMFとしての適性が現時点は乏しいことを示すパフォーマンスとなった。プレーに安定感が出始めたのは 3-5-2 に変更し、右WBに入ってからであった。
MF: マルキージオ 6.5
PKキラーのハンダノビッチからPKで得点したことで面目躍如だろう。疲労からパフォーマンスは思わしくなかったが、王者の威厳をプレーで見せつけることに成功した。
MF: ストゥラーロ 6.5
中盤で走り続けたことでチームに与えた貢献は大きい。ボールタッチについても周囲からの信頼が得られるようになっており、次はボールの持ち運びなど“エゴ”の面を上手く出して行くことだろう。
MF: ペレイラ 5.5
インテルの心臓部であるメデルのマンマークにつくようアッレグリから指示を受けていたのだろう。だが、肝心のメデルが低い位置に居続けたことでトリノ戦のように中途半端な立ち位置となり、チームとしての機能を失ってしまっていた。
FW: モラタ 7.5
疲労の残る中で効果的なスプリントを繰り返し、ゴールに迫り続けていた。最終的にゴールを決める決定力を示したが、ハットトリックができるだけのチャンスが訪れていただけにそれらをどれだけ決めきれるかがファンからの要求となるだろう。
FW: マトリ 6.0
前半15分過ぎまでは試合から完全に消えていた。しかし、その後はやや下がり目からモラタとのコンビネーションであったり、裏への抜け出しと動き出しが増え、PK獲得を獲得する突破も行った。
【交代選手】
DF: オグボンナ 6.5
56分にリヒトシュタイナーと交代で出場。3バックとして相手にチャンスを与えることを減らし、勝ち点を獲得するというミッションに貢献した。
FW: ジョレンテ 5.5
66分にマトリと交代してピッチに立つ。シュートチャンスには恵まれなかったが、ポストプレーやビルドアップで貢献した。だが外に流れて、ボールのある外で張り続けるのは彼のような CF として評価できない。
MF: ポグバ 6.0
ペレイラと交代で78分から出場。ファイナルの舞台へ向けた調整の意味合いが強い出場だったが、モラタが決めたゴールとなるボールの競り合いに行ったのは彼だった。
アッレグリ監督 6.0
先発メンバーと試合に向けて準備した戦術は満足のいくものではなかった。失点後からチームとして徐々に修正し、最終的に逆転勝ちに結びついた采配は合格点に値する。コッパ・イタリア決勝で起用できないマルキージオとモラタが得点を決めたのだから、アッレグリの狙い通りだったのではないだろうか。