ユベントスのコモリ CEO がファイナンシャル・タイムズが主催するフットボール・サミットでガラタサライ戦でのケリー選手の退場判定を批判していたと『スカイ・イタリア』が報じています。

ただ、ユベントス(やイタリア・サッカー界)がどれだけ騒ぎてても効果は乏しいでしょう。なぜなら、『アメリカ市場を意識した判定基準』が採用されることは避けられないからです。
アメリカ市場以外は頭打ち
サッカー界全体でのトレンドとして「(アメフトの視聴体験が根付いた)北米市場を意識した競技規則の導入」は避けられないでしょう。
理由はアメリカ市場だけが「国内リーグの競技収入」と「国外サッカーの放映権料収入」の両方で成長する可能性が残されているから。それ以外の国や地域では(欧州から見て)どちらかに問題を抱えています。
ただ、アメリカ市場を開拓する場合は「アメフトの競技規則」を意識せざるを得ません。視聴者が “アメフトの試合テンポ” に慣れているからです。
したがって、競技規則そのものが『アメフト寄り』に変わって行くことでしょう。
時間稼ぎとラフプレーの追放が肝
時間稼ぎの典型例としては「選手交代」ですが、MLS では「交代ボードの提示から10秒以内にピッチ外に出ないと途中出場予定選手は最低60秒はピッチ外で待機」で運用中です。
今後は「メディカルテントの設置」で「GK の治療待ち」も削減されるでしょう。
“負傷した GK” はピッチ外のメディカルテント内で入念に治療を行い、その間は “控え GK” を『交代回数および交代枠を消化しない特例出場』で一時的に起用できるようルールを改正すれば良いからです。
もう1つは「ラフプレー」の追放。「ラフプレーでスター選手が長期離脱するのは損失」と機構・球団・選手会が認識しており、ローブロックなど大怪我につながる(リスクのある)反則には厳しい罰が科されます。
ケリー選手のガラタサライ戦での退場理由はまさにそれ。退場の理由が UEFA の公式タイムラインで次のように記されているからです。

故意か偶然かの判断には主観が入り込むため、その判定基準が採用され続ける可能性は低いでしょう。審判員への批判が強まる要素にしかならないからです。
『チャレンジ制度の導入』で批判の矛先や内容が変わる
サッカー界の注目点としては「どの国の1部リーグが『チャレンジ制度の導入』に踏み切るか」でしょう。イタリアでは3部のセリエCで導入実験が行われています。
チャレンジ制度の利点は「『誤審と思われる判定』に異議申し立てをするか受忍するかの選択はチーム側に付与」されていること。
チームは『異議申し立てをしなかった判定』に文句を言うと叩かれますし、審判団は『異議申し立てがなかった誤審』を放置したままだと「まともな審判員をアサインしろ」と批判されることになります。
チャレンジ失敗のペナルティーは「交代回数の1回分」などでバランスを取ることは可能と思われます。審判員に無謬を求めることから転換を図ることが重要になるでしょう。
コモリ CEO は『メジャーリーグ(野球)のマネーボール』を陶酔している様子ですが、サッカーとの親和性は『アメフト』の方が規則や運用の観点で大きいのです。そのことを踏まえたクラブ運営やリーグ運営に参画することができるのかに注目です。