2023/24 セリエA第28節アタランタ戦はユベントスが逆転に成功するも、拙い守備を突かれて同点ゴールを許して引き分けに終わりました。判断ミスで相手にチャンスをプレゼントしてしまっているため、要改善と言わざるを得ないでしょう。
ロカテッリが簡単に釣り出されたのがあまりに痛かった
同点ゴールを許した場面で対応を間違えたのは “主戦レジスタの” ロカテッリ選手です。
75分の場面でロカテッリ選手は『エデルソン選手へのバックパス』を合図にプレスを敢行したのですが、「ミリク選手が(エデルソン選手の)チェックに行っていた」ことを踏まえると持ち場を離れる必要はありませんでした。
そのため、アタランタは『ロカテッリ選手の背後スペース』を労せずして確保。ジムシティ選手への縦パスが容易になります。
ロカテッリ選手が『本来の持ち場』に留まっていれば、ジムシティ選手はトラップが大きくなるとボールロストをする確率が高くなります。
しかし、実際には「コープマイネルス選手へのパスコース上にユベントスの選手はいない(=そっち方向にトラップが大きくなっても問題なし)」というプレッシャーの少ない状態でした。
その結果、ジムイティ選手は縦パスを左足で見事なトラップを披露。持ち上がりからのスルーパスでコープマイネルス選手の同点ゴールをお膳立てしています。
この際にブレメル選手が「足が止まっていた」などとの批判を受けていますが、ブレメル選手が対応すべき最優先事項は「ジムシティ選手のシュートブロック」。
しかも、“ガッティ選手の背後からスプリントを仕掛けるルックマン選手” も視野に入っています。
これらの複数事項に対して卒なく対処することは非現実的であり、それを要求することは無理難題と言わざるを得ないでしょう。
「労せずして守備ブロックから釣り出せる」は深刻な問題
判断ミスで守備ブロックから釣り出されたのが “トップチームでのプレー時間の短い若手選手” なら弁解・擁護の余地はあります。
ただ、今回その手痛いミスをしてしまったのは “経験豊富な主戦レジスタの” ロカテッリ選手。レギュラー選手が相手チームから簡単に守備ブロックから釣り出されてしまっては守備戦術が機能しないのは当然です。
ポゼッション型のチームは「守備ブロックの持ち場を離れる選手」を作り出すためにパス交換などで揺さぶりをかけ続けてチャンスを伺っているのです。
そのようなチームを相手に不必要なタイミングで『本来の持ち場』を離れてしまうと墓穴を掘るのは当たり前。“本来なら無防備でないスペース” から有効打を放たれてしまうため、手痛い代償を支払う確率が跳ね上がることになるのです。
ポゼッション型のチームであっても『相手のカウンター攻撃に備えた本来の持ち場』は存在します。“拙い状況判断で『本来の持ち場』を離れてしまう選手” は現代サッカーでは評価されにくいでしょう。
どのような改善策を採るかが注目点になると思われます。