2023/24 セリエA第7節が行われ、アウェイでアタランタと対戦したユベントスは 0-0 で引き分けました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Atalanta BC [3-4-2-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 1: ムッソ | 1: シュチェスニー |
DF | 2: トロイ (C) 19: ジムシティ 42: スカルヴィーニ |
4: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
MF | 77: ザッパコスタ 15: デ・ローン (C) 13: エデルソン 22: ルッジェーリ 11: ルックマン 7: コープマイネルス |
16: マッケニー 21: ファジョーリ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 27: カンビアーゾ |
FW | 17: デ・ケテラーレ | 18: ケーン 7: キエーザ |
アタランタのガスペリーニ監督は 3-4-2-1 を選択。デ・ケテラーレ選手が CF に入り、2列目にはルックマン選手とコープマイネルス選手が入る得点力重視の先発メンバーで試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。キエーザ選手とケーン選手が2トップを組み、左 WB にはカンビアーゾ選手を起用して中盤でのポゼッションに重点を置いたの布陣で試合に臨みます。
試合は両チームともに相手の快速 FW に抜け出されたくないため、前線からのハイプレスが機能しないと深追いはせずにペナルティーエリア手前に守備ブロックを構築して迎撃を試みる展開となる。
最初に惜しいシーンを作ったのはアタランタ。14分に左サイドのルッジェーリが上げたクロスに大外からゴール前に侵入したザッパコスタが狙うもシュートの正確性を欠いてしまう。
アタランタの最終ラインを突破できずにチャンスを作れていなかったユベントスは31分にカンビアーゾの入れた右 CK からファジョーリがコントロールシュート。しかし、GK ムッソのセーブに阻まれてしまう。
ユベントスは35分にキエーザからのパスを受けたケーンが反転ターンから強引にシュートにまで持ち込んだが、これも GK ムッソがストップ。
前半は互いに相手ペナルティーエリア手前にまで迫ったが相手 GK に冷や汗をかかせるようなシュートを放つまでには至らず。ゴールレスで終える。
後半で先に決定機を掴んだのはユベントス。51分にザッパコスタが試みたロングフィードのクリアが味方に当たってキエーザにチャンスボールが転がり込むもシュートは GK ムッソがストップ。ユベントスはエピソードを活かせない。
対するアタランタはクロス攻撃でユベントス守備陣を揺さぶり続ける。70分にはコラシナツが左 CK からフリックシュートもロカテッリがブロック。74分にはムリエルが直接 FK を枠に飛ばすも GK シュチェスニーが好セーブでゴールを死守。
ホームで勝ち切りたいアタランタは試合終了間際の87分にエデルソンやムリエルが決定機を掴むもゴールを奪い切れず。また、コープマイネルスもシュートの正確性を欠いて決め切ることはできず。
結局、試合は 0-0 のままで終了。両チームが勝点1を分け合う結果となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
勝点1を持ち帰るに欠かせない好セーブでチームに貢献。87分にムリエルのシュートをファンブルしたが大事にはならないだろう。
DF: ガッティ 6.0
背後のスペースを狙われていたが、相手の誘いに乗らずに我慢強く対応。コープマイネルスを視界に置き続けることで脅威を限定していた。
DF: ブレメル 6.0
カイ・ハフェルツを彷彿させるようなデ・ケテラーレに粘り強く対処。アタランタの攻撃陣に起点を作らせず、強固な壁として機能していた。
DF: ダニーロ 6.0
偽 CB としてボランチの位置からの配球でアタランタに前線からのプレスを断念・撤退させる。その一方で単騎になってしまう場面もあり、特定の局面での不利な状況はチームとして改善すべきだろう。
WB: マッケニー 6.0
ルッジェーリとの “押し相撲勝負” で優位性を確保。突破に成功した後も安易なクロスは自重するなどサイドでチームに落ち着きを与えていた。
MF: ファジョーリ 6.0
序盤はパスミスやトラップミスなど試合に入れていなかったが、尻上がりに調子を戻してチームのために奔走。ベストを尽くしていた。
MF: ロカテッリ 6.0
レジスタながら最後尾にまで落ちて相手 MF を引っ張り出してビルドアップを円滑化させ、守勢時には自陣ペナルティーエリア内で身体を張るなど良いプレーが随所に散りばめられていた。
MF: ラビオ 5.5
ハイキックで累積4枚目のイエローカードは好ましくない。トラップミスなどプレー精度も今節では低かった。試合の入り方が上手く行かなかったのだろう。
WB: カンビアーゾ 5.5
偽 SB として振る舞うタスクは難なく遂行していたが、前方のキエーザや斜め前のラビオとの連携においては影を潜める。マッチアップしたザッパコスタの攻撃参加を上手く監視していたとは言えず厳し目の評価にならざるを得ない。
FW: ケーン 6.0
ほぼ単騎だったにも関わらず、最前線で身体を張ったポストプレーで起点を作り続けた献身性に大きな意味がある。負傷明け直後でなかったらフル出場するべき戦術的貢献度があった。
FW: キエーザ 6.0
スピードを活かした突破でアタランタ守備陣に気を張らせていたが、51分に訪れた “エピソード” で冷静さを欠いてしまったことが反省点。ケーンが下がった後は試合から消えていた。
【交代選手など】
MF: ミレッティ 6.0
ファジョーリとの交代で68分から出場。中盤でボールを保持し、バランスを確保するために汗をかく。ただ、得意ではないフリーランニングの距離と頻度に関しては改善の余地がある内容だった。
WB: コスティッチ 6.0
カンビアーゾに代わって68分から出場する。フィジカルの強さでチームに活力を与えていたが、ミドルレンジのパスが相手に引っかかるなど上手く試合に入れたとは言い難いパフォーマンスだった。
FW: ユルディズ ー
75分にケーンとの交代で出場。キエーザと中盤を繋ぐためのリンクマンとしてプレー。身体を張るポストプレーを厭うことはなく、非ポゼッション時にはスペースを埋めることに気を使うなど卒なく経験を積み重ねていた。
DF: ルガーニ ー
右足を痛めたブレメルとの交代で81分から緊急出場。攻勢を仕掛けるアタランタに対して最後まで守り切り、戦力として計算されるべき存在であるとアピールした。
WB: ティモシー・ウェア ー
84分にマッケニーとの交代で出場。アタランタがガッティの前後にあるスペースを使って決定機を作ろうとしていたため、苦手分野である「背後のスペースのケア」に追われた試合となった。
アッレグリ監督 6.0
無失点で終えたことは収穫だろう。自陣からのビルドアップに関しても手応えを感じているはずだ。ただ、主力 FW が2人も起用できなかったとは言え、ファイナルサードでの崩しの形がほとんど見えなかったことは反省しなければならない。攻撃面に関しては改善が課題であることは明白だった。
キッフィ主審 6.5
カードの提示基準など主審としてのゲームコントロールは的確だった。しかし、キエーザが追いついたゴールライン上でのトラップを割ったと判断したのは誤審だろう。審判団としての働きぶりは良くて及第点だった。