2023/24 セリエA第1節が行われ、アウェイでウディネーゼと対戦したユベントスはキエーザ選手の先制ゴールを皮切りに前半だけで3得点を奪い、0-3 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Udinese Calcio [3-5-2] |
Juventus FC [3-5-2] |
|
---|---|---|
GK | 1: シルベストリ | 1: シュチェスニー |
DF | 18: ネウエン・ペレス 29: ビヨル 27: カバセレ |
6: ダニーロ (C) 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
MF | 2: エボセレ 6: サラガ 11: ワラシ (C) 4: ロヴリッチ 12: カマラ |
22: T・ウェア 20: ミレッティ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 27: カンビアーゾ |
FW | 9: ベト 26: トヴァン |
9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
ウディネーゼのソッティル監督は 3-5-2 を選択。去就騒動で揺れるサマルジッチ選手がベンチスタートなり、代わりにサラガ選手が先発。前線はベト選手とトヴァン選手の2トップで開幕戦を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督も 3-5-2 を選択。3人目の CB にA・サンドロ選手が選ばれ、左 WB にはカンビアーゾ選手を配置した他が予想どおりの布陣とメンバーで試合に臨みます。
先手を取ったのはユベントス。2分に前線からのハイプレスでウディネーゼのミスを誘発し、ヴラホヴィッチがボール奪取に成功してショートカウンターを発動。ヴラホヴィッチからのラストパスを受けたキエーザがゴール左下に決めてユベントスが先制する。
ユベントスは19分にセットプレーの流れからA・サンドロが左サイドのペナルティーエリア内でクロスを入れたところでエボセレの手に当たって PK を獲得。これをヴラホヴィッチがゴール左下に流し込み、リードを2点に広げる。
前半にほとんど決定機を作れなかったウディネーゼだが、46分にベトとトゥバンの2人でロングカウンターを発動させてユベントスゴールに迫るもトゥバンの枠を捕らえたシュートは GK シュチェスニーに阻まれてしまう。
すると前半アディショナルタイムの48分に左サイドを縦に突破したキエーザがヒールキックで後方に戻すと、カンビアーゾがダイレクトでクロス。これにファーサイドのラビオがヘディングシュートで合わせ、ユベントスは3点のリードを持って前半を折り返す。
安全圏に入ったことでユベントスは後半開始と同時に2選手を交代。T・ウェアとミレッティを下げ、マッケニーとファジョーリを投入して戦力の拡充を図る。
一矢報いたいウディネーゼは64分に再びカウンターから今後はサマルジッチがミドルシュートを枠に飛ばすも、GK シュチェスニーが横っ飛びセーブで阻む。
67分にはサマルジッチのフィードに反応したロヴリッチがゴール前に走り込んだ勢いを活かしてヘディングシュートを放つもボールは枠の左。ウディネーゼはゴール前でユベントスを揺さぶることができない。
諦めないウディネーゼは82分に左 CK をショートコーナーで再開するとN・ペレスがヘディングシュート。しかし、これもシュチェスニーに阻まれ、こぼれ球に反応したルッカのシュートも防がれてゴールとはならず。
結局、試合は 0-3 で終了。前半の3得点で勝利を大きく手繰り寄せたユベントスが後半は出場機会を与える選手交代をしつつ、クリーンシートで開幕戦を飾ることに成功した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
ポゼッション型のチームが決められたくないカウンターでの失点を防ぎ切ってクリーンシート達成に貢献。充実したプレーを示した。
DF: ダニーロ 6.0
スペースを管理し、カウンターによる前進は許すもののペナルティーエリア内での仕掛けなど最後の最後で自由を与えない守備を粘り強く行なっていた。
DF: ブレメル 6.0
ベトに効果的なポストプレーを自由にさせず、ウディネーゼの攻撃の選択肢を制限する献身的な守備でチームに貢献した。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
左サイドに人数をかけて攻勢に出る方針が採られているため、長所である攻撃参加とテクニックが光っていた。リードを2点に広げる PK を奪取したことが自信になるだろう。
WB: ティモシー・ウェア 6.0
前半だけで3点リードとなったことで早退となる。マッケニーが右サイドでのスペース管理が可能かを確認するための交代であり、パフォーマンスに懸念点があったからではない。
MF: ミレッティ 6.0
ファジョーリに実戦経験を与えてコンディションを高めさせたいため、3点リードとなったことで前半のみの出場に留まる。T・ウェアと同様にプレー内容に問題はなかった。
MF: ロカテッリ 6.5
今季から元サッスオーロのフランチェスコ・マニャネッリがアッレグリ監督のスタッフ入りした恩恵を最も享受するかも知れない。攻守に良い内容で素晴らしいスタートを切ることに成功した。
MF: ラビオ 7.0
昨季に開花した得点能力で勝敗の行方を決定付ける3点目を奪取。サマルジッチを捕まえ続けることには少し苦労したが、中盤での存在感は大きいままだった。
WB: カンビアーゾ 7.0
先発出場が抜擢ではなく実力による選出であることをプレーで示した。両足で精度の高いプレーが可能でハーフスペースでのプレーを苦にしないことが左サイドからの仕掛けの潤滑油になっていた。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
喧騒の夏は続いているが、チームが獲得した最初の PK を確実に決め切って自らの存在をアピール。2列目のポジションから良い形でプレスをかけており、ゴールやアシスト以外での成長も期待されるだろう。
FW: キエーザ 7.5
ヴラホヴィッチから託されたラストパスに股抜きシュートで応じる。イタリア代表の監督に就任したスパレッティ監督は偽9番も採用するため、ストライカーとしての結果を残したことは大きい。
【交代選手など】
MF: マッケニー 6.0
46分にT・ウェアとの交代で出場。3点リードの展開だったため、右 WB のポジションでのスペース管理と抜け出しを狙う選手のケアが主な仕事だった。仕事ぶりがどう評価されるかで去就が定まるだろう。
MF: ファジョーリ 6.0
ミレッティに代わって46分から出場する。マッケニーと同様のタスクを背負いつつ、自らのコンディションを高めるための実戦機会になっていた。
WB: イリング 6.0
70分にカンビアーゾとの交代で出場する。
FW: ミリク ー
キエーザとの交代で77分から出場。
FW: ユルディズ ー
85分にヴラホヴィッチとの交代でユベントスでのトップチームデビューを果たす。
アッレグリ監督 7.0
前半で勝敗の行方を決定付け、後半の45分は実戦で試したい選手を起用して無失点で終えたのだから高く評価されなければならないだろう。だが、昨季も開幕節は 3-0 で勝利している。この試合内容の再現性が問われるのは言うまでもない。
ラプアーノ主審 6.0
身体から離れたエボセレの手に当たっていたため、PK の判定は妥当なものだった。早い時間帯で勝敗の行方が決した上、暑さも加わって激しいプレーが自重気味なこともあり、審判団を悩ます場面は少なかった。