2022/23 セリエA第36節が行われ、アウェイでエンポリと対戦したユベントスは前半に2失点を喫し、試合は 4-1 で敗れました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Empoli FC [4-2-3-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 13: ヴィカーリオ | 1: シュチェスニー |
DF | 24: エブエヒ 34: イスマイリ 33: ルペルト 65: パリージ |
15: ガッティ 3: ブレメル 12: A・サンドロ (C) |
MF | 25: バンディネッリ (C) 5: グラッシ 11: アクパ=アクプロ 21: ファッツィーニ 28: カンビアーギ |
42: バルビエリ 20: ミレッティ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
FW | 19: カプート | 14: ミリク 9: ヴラホヴィッチ |
エンポリのザネッティ監督は 4-2-3-1 を選択。カプート選手を CF にアクパ=アクプロ選手とカンビアーギ選手が両サイドから仕掛けを担う予想どおりの布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。ターンオーバーが予想されたものの前日会見でコンディションが万全でないと言及された選手たちがスタメンに名を連ねて試合に臨みます。
最初にチャンスを作ったのはユベントス。10分にロカテッリのボール奪取からコスティッチが持ち上がってシュートも GK ヴィカーリオがこれを阻む。
13分にはミレッティの入れた右 CK からミリクがヘディングシュートを放つも、右ポストに嫌われてゴールとはならず。
スコアが動いたのは17分。エンポリは右サイドからゴール前に入れた FK を跳ね返されるも、こぼれ球を回収したカンビアーギがミリクに倒されて PK を獲得。これをカプートがゴール左に決めて先制に成功する。
気落ちしたユベントスを尻目にエンポリは21分にファッツィーニが入れた左 CK を逆サイドで折り返し、最後はルペルトが押し込んでリードを2点に拡大する。
前半の内に1点を返しておきたいユベントスだったが、試合前に FIGC の連盟控訴裁判所での差し戻し審で勝点10剥奪の裁定が出された影響は否めず。反撃に転じられないまま、前半は 2-0 とエンポリがリードをして折り返す。
ユベントスは後半開始と同時にパレデスとキエーザを投入して反転攻勢を図るも、立ち上がりの48分にA・サンドロがアクア=アクプロのチェックを受けてボールロスト。このショートカウンターをカプートに決められ、3点のビハインドを背負うこととなる。
勝敗の行方が決したことで試合の見所も消滅する。
ユベントスは85分に左サイドに展開したラビオからのクロスを逆サイドで受けたキエーザが胸トラップから右足でのミドルシュートを突き刺して1点を返すことには成功する。
しかし、93分にピッコリが自らのロングカウンターで獲得した CK からケーンが前線に送ろうとしたボールがピッコリの足元に戻ってきて4点目を決められて試合は終了。4-1 でエンポリに軍配が上がった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
普段と変わらぬピッチ上での個人パフォーマンスだったが、チームとしてのパフォーマンスは機能せず。
DF: ガッティ 5.5
押し込まれるチームとともに埋没。得意のセットプレーでの貢献もゴールには結び付かなかった。
DF: ブレメル 5.5
対人守備能力という強みが宝の持ち腐れになっていた。不完全燃焼と言わざるを得ない。
DF: アレックス・サンドロ 4.5
ポゼッションが根付かない理由を3失点目を許す原因となった自らのプレーで実証。本人的にはファールと判断したのだろうが、ボールを味方に託す判断と動作が遅すぎる。
WB: バルビエリ 5.0
予想どおりの苦戦に直面。システム的に数的不利になることは想定されていただけに厳しい批判を浴びせるのは間違いだ。
MF: ミレッティ 5.5
試合で存在感を発揮することに苦労する。シーズン全体を戦い抜く体力が身に付いていないことがシーズン最終盤に響いている。
MF: ロカテッリ 5.5
序盤にボール奪取から決定機を演出し、DF ラインの前で身体を張り続けるなどベストを尽くしていた。しかし、チームが結果を持ち帰るには不十分だった。
MF: ラビオ 6.0
キエーザのゴールをアシストするなど結果を残したが、疲労困憊であることは否めない。不本意な形でクラブと袂を分かつことになるだろう。
WB: コスティッチ 5.0
立ち上がり10分の枠内シュートを機に左サイドでの主導権を確立するかと期待されたがそれだけで終わってしまった。
FW: ミリク 5.0
ヘディングシュートがポストに嫌われた4分後に PK を献上。ナーバスな状況に置かれたチームにとってあまりにダメージが大きすぎるプレーだった。
FW: ヴラホヴィッチ 5.0
ミリクとは対照的に目立ったプレーは GK ヴィカーリオとの接触プレーぐらいだった。CF が消えていては勝負にならない。
【交代選手など】
MF: パレデス 5.5
46分にミレッティとの交代で出場。古巣エンポリとの対戦だったが、リズムを掴む前にチームが3失点目を喫したことで活躍する場を奪われる結果となった。
FW: キエーザ 6.0
バルビエリとの交代で後半から出場する。個の能力で試合終盤に一矢報いる。
FW: ケーン ー
ミリクに代わって58分から出場。
FW: ディ・マリア ー
ロカテッリとの交代で58分から出場機会を得る。
DF: ルガーニ ー
63分にA・サンドロとの交代で出場する。ユース時代を過ごした古巣エンポリとの試合でモチベーションのあるプレーを披露していた。
アッレグリ監督 5.0
どれだけ無様なプレーをさらそうとも結果を持ち帰ることが重要だったが、何も得ることのない試合だった。試合放棄をして 0-3 で家路に着いた方が疲労軽減の意味でも良かっただろう。それだけ酷い試合だった。
アイロルディ主審 5.5
微妙なジャッジはすべてエンポリ有利の判定で統一されていた。この意味で基準は一定ではあるが、足裏を見せてヴラホヴィッチにタックルを仕掛けたヴィカーリオのプレーは容認してはならないだろう。