2021/22 UEFA チャンピオンズリーグ・ラウンド16のビジャレアル戦はジェラール・モレノ選手の PK を皮切りに後半だけで3得点を奪ったビジャレアルが 0-3 で勝利し、準々決勝に駒を進めました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [4-4-2] |
Villarreal CF [4-4-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 13: ルジ |
DF | 6: ダニーロ 4: デ・リフト 24: ルガーニ 2: デ・シリオ |
25: オーリエ 3: R・アルビオル (C) 4: パウ・トーレス 12: エストゥピニャン |
MF | 11: クアドラード (C) 27: ロカテッリ 5: アルトゥール 25: ラビオ |
21: ピノ 6: カプエ 5: パレホ 14: トリゲロス |
FW | 7: ヴラホビッチ 9: モラタ |
17: ロ・チェルソ 15: ダンジュマ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-4-2 を選択。ヴラホビッチ選手とモラタ選手が2トップを組み、予想された選手がスタメンに名を連ねる布陣で試合に臨みます。
対するビジャレアルのエメリ監督も 4-4-2 を選択。こちらもロ・チェルソ選手とダンジュマ選手の2トップは変わらず。ピノ選手やトリゲロス選手などサイドの選手を入れ替えて試合を迎えます。
試合は両チームがボールを重要視する姿勢で始まる。最初に決定機を得たのはユベントス。11分にクアドラードからのクロスにモラタがヘディングで合わせるが、GK ルジが好セーブで阻む。
ユベントスは20分にモラタのポストプレーからヴラホビッチが強烈なミドルも GK ルジが横っ飛びセーブ。直後の21分にはデ・シリオのクロスにヴラホビッチがニアで合わせたが、これはクロスバーに嫌われてしまう。
一方のビジャレアルは22分にピノが右サイドで競り勝ってボールを保持すると最後はロ・チェルソが左足で狙いすましたシュート。だが、ボールは枠のわずかに左を通過する。
ユベントスは35分に右 CK が流れて来たところをヴラホビッチがヘディングで狙うも GK ルジが飛び出してセーブ。前半は両チームともに均衡を破れず、0-0 で終了する。
後半も両チームがファイナルサードで集中した守りを見せて相手に決定機を許さない。ユベントスは58分にラビオのロングシュートが枠を捕らえたが、これはGK ルジが正面で処理。
両チームが決め手を欠く中で迎えた76分に試合は動く。ビジャレアルはジェラール・モレノとのコンビでエリア内に侵入したコクランがルガーニと接触し、VAR の介入で PK を獲得。これをジェラール・モレノがゴール右下に決め、ビジャレアルが先制する。
ユベントスは CB のルガーニを下げて FW のディバラを投入。残り時間で同点弾を狙って攻撃に出る。
だが、85分にシュチェスニーとダニーロの拙い連携から相手に CK を与えてしまうと、この右 CK をオーリエがニアでフリックに成功。これを背後に詰めたパウ・トーレスが合わせてビジャレアルのリードは2点に広がる。
90分にはダニーロのボールロストからジェラール・モレノがダンジュマに展開。ダンジュマのシュートがデ・リフトのハンドを誘発して PK を獲得すると、ダンジュマが自らゴール左に決めて3点目。
ユベントスに残された時間で一矢報いる力は残っておらず。試合は 0-3 で終了し、ビジャレアルが準々決勝に駒を進めた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督への採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
2本の PK と CK から3失点。いずれも GK が防げなくとも仕方のない失点だった。
DF: ダニーロ 5.0
先制を許した後の2失点に大きく関与。反撃のムードを萎ませてしまった。
DF: デ・リフト 5.5
サイドに流れるダンジュマをポジションチェンジを活用して封じるなど貢献度は高かったが結果には結び付かず。最後のハンドは止むを得ない。
DF: ルガーニ 5.0
コクランと縺れたプレーの判定が不運だった。あの場面ではキープされたとしてもシュートコースを切る方を優先すべきだっただろう。攻撃陣が停滞したツケを払わされる形になってしまった。
DF: デ・シリオ 6.0
左 WB として幅を取り、クロスからチャンスを演出。守備でも粘り強く対応した。
MF: クアドラード 6.0
右サイドから質の高いクロスで立て続けにチャンスを作り出す。だが、それに応える決定力を有する FW がピッチ上にはいなかった。それが全てだ。
MF: ロカテッリ 5.5
自陣では周囲の味方と連携してボールを前進させるも、ファイナルサードでは息が合わずボールが流れてしまうなど惜しい場面が散見されていた。
MF: アルトゥール 5.5
レジスタとしてボールを散らし、チームが期待する仕事は着実に遂行していた。それだけに CF への縦パスや自らのドリブルでの持ち上がりで相手の守備陣を撹乱して欲しかった。
MF: ラビオ 6.0
攻守両面で味方が手薄になっていた場面で献身的にサポート。地味だが、価値のある仕事を黙々と遂行していた。
FW: ヴラホビッチ 5.5
ポストプレーや相手 DF 陣との駆け引きなど献身的に動き続けた。ただ、前半に手にした3度の決定機をゴールに結びつけることはできず、後半は試合から消えてしまったことがマイナス。
FW: モラタ 5.5
前半に惜しいヘディングシュートや良いポストプレーからヴラホビッチの決定機をお膳立てしたが、ペナルティーエリア付近で試合を通して継続的な脅威になっていたとは言い難い。守備には奔走していた。
【交代選手など】
FW: ディバラ ー
79分にルガーニとの交代で出場。ゴール前を封鎖するビジャレアル守備時に対して効果的な仕事は何もできなかった。
MF: ベルナルデスキ ー
ロカテッリに代わって83分から出場する。左サイドのアタッキングハーフを担当したが決め手に欠いた。
FW: ケーン ー
85分からモラタとの交代で出場。
アッレグリ監督 5.0
敗退の結果は厳しい批判にさらされるだろう。だが、限られたメンバーに最善策を授けていたことは前半から決定機を立て続けに作っていた事実が物語っている。結果的に前半でリードを奪えなかったことがすべてだ。ケーンを最初の交代カードにしていれば可能性はあったかも知れない。
マルチニアク主審 6.0
PK はユベントスにとって厳しい判定だったが、PK を取ることができるプレーだった。試合を上手くコントロールしていたと言えるだろう。