2021/22 セリエA第6節サンプドリア戦はディバラ選手のゴールなどで3得点をあげたユベントスが 3-2 で辛くも勝利しました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [4-4-2] |
UC Sampdoria [4-4-2] |
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GK | 36: ペリン | 1: アウデーロ |
DF | 11: クアドラード 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 12: A・サンドロ |
24: ベレシンスキ 22: 吉田 麻也 15: コリー 29: ムッル |
MF | 22: キエーザ 30: ベンタンクール 27: ロカテッリ 20: ベルナルデスキ |
12: デパオリ 2: トルスビー 6: エクダル 87: カンドレーバ |
FW | 10: ディバラ (C) 9: モラタ |
10: カプート 27: クアリャレッラ (C) |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-4-2 を選択。GK にはペリン選手が入り、両翼にはキエーザ選手とベルナルデスキ選手が陣取る 4-2-3-1 が念頭にある布陣で試合に臨みます。
対するサンプドリアのダベルサ監督も 4-4-2 を選択。カプート選手とクアリャレッラ選手が2トップを組み、両サイドの選手がミッドウィークのナポリ戦からは入れ替えた陣容で試合を迎えます。
試合は10分にA・サンドロのクロスが跳ね返されたところをロカテッリがミドルシュート。これはトルスビーにブロックされたが、こぼれ球をロカテッリが自ら回収してディバラにラストパス。ディバラがゴール右下にミドルシュートを決めてユベントスが先制する。
ユベントスは12分にキエーザ、14分にモラタが2点目の機会を手にするも決め切れず。するとユベントスは21分にディバラが負傷交代を強いられるアクシンデント。
攻撃のリズムがやや失われたユベントスだったが41分にデ・リフトのフィードをクルゼフスキが処理をしてキエーザに展開。縦に仕掛けたキエーザがムッルのハンドを誘って PK を獲得すると、これをボヌッチがゴール左下に決めてリードは2点に広がる。
だが、44分にサンプドリアは吉田のフィードをカプートが落とし、回収したクアリャレッラがミドルシュート。これはペリンの好守に阻まれたが、このプレーで得た CK をショートコーナーで再開するとカンドレーバのクロスに吉田が頭で合わせて1点を返して前半を折り返す。
雨足が強くなった後半にスコアを動かしたのはユベントス。57分にロカテッリに浮き球フィードに反応して中に切れ込んだキエーザはシュートを打てなかったが、それをボックス内で回収したクルゼフスキからの折り返しをロカテッリが合わせてリードを2点差に戻す。
キエッリーニを投入して3バックに変更していたユベントスは74分にボヌッチの縦パスを受けたベンタンクールが持ち上がって強烈なミドルシュートを放つもアウデーロが左手で触れて CK に逃れる。
ユベントスは81分にベンタンクールからのスルーパスを受けてシュートを放ったモラタが右足を痛めて負傷交代のアクシデントに見舞われてしまう。
このままの点差で逃げ切りたいユベントスだったが、83分にダムスゴーからのスルーパスに抜け出したアドリアン・シウバの折り返しをカンドレーバが決めて再び1点差に詰め寄る。しかし、サンプドリアも反撃はここまで。試合は 3-2 で終了し、ユベントスが辛くも勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手は以下のとおりです。
GK: ペリン 6.0
クロス対応に躊躇する場面もあったが、及第点に値するパフォーマンスだった。
DF: クアドラード 5.5
クロスの質は高かったものの安易な仕掛けがサンプドリアの守備網に引っかかり逆襲を許す場面が少なからず存在した。最後の局面で身体を張ったタックルは評価できるが軽率なプレーは反省の必要がある。
DF: ボヌッチ 5.5
PK やベンタンクールへの縦パスなど足下にボールがある時は最高の DF だが、2失点の双方に絡んだことは大きなマイナス。守備力の衰えが隠し切れなくなっている。
DF: デ・リフト 6.0
カプートやクアリャレッラのテクニックに苦労したが良いインターセプトを披露するなど要所での貢献度は高かった。相手を圧倒するパフォーマンスを継続できるかが課題と言えるだろう。
DF: A・サンドロ 6.0
左サイドだけに留まらず中央などでもパスを捌くなど良い面を発揮。一方でベルナルデスキと揃って前がかりになった状態でプレスを敢行してスペースを空けてしまうこともあった。連携の精度を高める必要がある。
MF: キエーザ 6.0
チーム2点目と3点目に直結する仕掛けを左右それぞれのサイドから行うことでチームに活力を与える。FW 陣に負傷者が相次いでいることもあり、得点に直結する仕事をどれだけできるかでチームの命運が大きく変わってくるだろう。
MF: ベンタンクール 6.5
中盤でロカテッリのサポート役として奔走。ディバラが負傷交代をした後はトップ下に近いポジションまで上がり攻撃に変化を付けるなどベストを尽くしていた。
MF: ロカテッリ 7.0
攻守両面において高いクオリティーを発揮。不可欠な存在であり、酷使とならないよう細心の注意を払う必要がある。
MF: ベルナルデスキ 6.0
推進力には光るものがあるが、その一方で背後のケアが抜け落ちてしまう悪癖を克服しなければならない。守備を評価するアッレグリが監督なのだから。
FW: ディバラ 7.0
DF と MF のライン間で上手くボール呼び込み、持ち前のテクニックで違いを見せ付けていた。チームに先制点をもたらすゴールを決めていただけに負傷交代は残念だ。
FW: モラタ 6.0
中盤とのパス交換や14分の抜け出しなど良いプレーはあったが結果的に尻すぼみとなってしまった。ディバラと同じで負傷の程度が気になるところだ。
【交代選手など】
MF: クルゼフスキ 6.0
22分にディバラとの交代で急遽出場。前半は準備不足がプレーに如実に現れてしまったが、後半は自らのボール奪取からロカテッリのゴールをお膳立てして結果を残す。思わぬ形で得た出場機会を活かせるかが注目点。
DF: キエッリーニ 6.5
70分にキエーザとの交代で出場。3バックの左 CB を担当し、サンプドリアの右サイドからの攻撃を遮断。DF としての実力が他の選手とは別格であることをプレーで証明した。
MF: ラムジー 6.0
ベルナルデスキに代わり70分から出場する。役割は左インサイドハーフでスペースを埋める仕事を遂行し、駒として使えることを示した。
MF: マッケニー ー
ベンタンクールとの交代で82分から出場機会を得る。
FW: ケーン ー
82分に負傷したモラタとの交代で投入される。FW 陣が手薄のため、クルゼフスキと同様に出場機会が必然的に増えるだろう。イエローをもらったプレーは余計だった。
アッレグリ監督 6.0
辛勝ではあるが勝利は勝利だ。ただ、最終ラインや右サイドの脆弱さはあまりに深刻と言わざるを得ない。ここはテコ入れせざるを得ないだろう。ロカテッリとキエッリーニが陣取る左サイドと同水準まで守備の強度を高められるかが課題と言える。
アイロルディ主審 6.5
ファールで試合がぶつ切りになったが、落ち着いたジャッジだった。PK の判定は身体から離れていた左手に直撃しており、VAR の介入を待つことなく的確な判断を下していたことは評価されるべきだ。審判団のクオリティーも高かった。