2020/21 セリエA第11節ジェノア戦はロナウド選手の2本の PK で突き放したユベントスが 1-3 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Genoa CFC [4-4-2] |
Juventus [4-4-2] |
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GK | 1: ペリン | 1: シュチェスニー |
DF | 5: ゴルダニーガ 13: バーニ 55: マジェッロ 88: ペッレグリーニ |
16: クアドラード 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: A・サンドロ |
MF | 8: レラガー 21: ラドバノビッチ 65: ロベッラ 27: ストゥラーロ |
14: マッケニー 30: ベンタンクール 25: ラビオ 22: キエーザ |
FW | 9: スカマッカ 37: ピアツァ |
10: ディバラ 7: ロナウド |
ジェノアのマラン監督は 4-4-2 を選択。スカマッカ選手とピアツァ選手が2トップを組み、レラガー選手が1列下がることで守備時は 5-3-2 のブロックが形成可能な陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督も 4-4-2 を選択。前線はディバラ選手とロナウド選手の2人が先発し、こちらは攻撃時にクアドラード選手が MF の位置まで上がることで 3-1-4-2 になる布陣で試合に臨みます。
ミラーゲームとなった試合は開始1分にユベントスが FK からボヌッチが落とし、これをラビオが身体ごとボールを押し込む。しかし、ラビオの右腕に当たったボールを胴体で押し込んでいたためにゴールは認められない。
ユベントスは10分に右 CK からマッケニーがトラップして浮いたボールをヘディングで狙うが、これは GK ペリンが横っ飛びセーブで CK に逃れてゴールを死守する。
一方のジェノアはロングカウンターで縦への仕掛けは見せるも、ベンタンクールなどに対処されてシュチェスニーを脅かすまでには至らず。ユベントスは枠内シュートは放つが、ペリンの牙城を崩せないまま前半は 0-0 で折り返すことになる。
均衡が破れたのは57分。最終ラインからの浮き球フィードをマッケニーが頭で落とし、これをディバラが回収。右サイドからカットインで持ち込んでからニアサイドを低い弾道の左足シュートで居抜き、ユベントスが先制に成功する。
この直後にロナウドの縦パスに反応したキエーザがネットを揺らすが、これは VAR でオフサイドが確認されたためノーゴール。
すると、61分にジェノアが反撃。ピアツァからのパスを受けたペッレグリーニが逆サイドにクロスを供給すると、これを角度のない場所からストゥラーロが右足ボレーで合わせて同点に追い付く。
互いに勝ち越しを狙っていた中で決定機を手にしたのはユベントス。76分に右サイドから仕掛けたクアドラードがロベッラに倒されて PK を獲得。これをロナウドが正面に蹴り込み、ユベントスが再び1点を勝ち越す。
リードを得たユベントスは88分にクロスに合わせようとしたモラタがペリンに倒されて PK を獲得。今度はロナウドがゴール上に決めて、ユベントスのリードを2点に広げる。
結局、試合はこのまま 1-3 で終了。終盤のロナウドの PK でジェノアを突き放したユベントスが勝点3を手にした。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
ロベッラのミドルに肝を冷やされかけるも冷静にキャッチ。失点の場面は GK が防げなったので止むを得ないものだった。
DF: クアドラード 6.5
右サイドから良いタイミングで攻撃参加し、仕掛けやクロスで攻撃のスイッチを入れる。横幅をもたらして味方をサポートするなど攻守において献身的だった。
DF: デ・リフト 6.5
ジェノアの2トップを上手く封鎖。また、前線に良いタイミングで縦パスを付けようとするなどビルドアップでも貢献した。良い状態が維持されている。
DF: ボヌッチ 6.0
一時は同点にされたが、流れの中でジェノアに許したピンチは片手で足りるほどだった。内容が問われる試合で結果を出せたことは自信になるはずだ。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
CB を兼任する役割だったため、WB を兼任したバルサ戦と比べると低調だったと評価せざるを得ず。逆側のデ・リフトと比較すると貢献度が不足していた。
MF: マッケニー 6.5
質の良いフリーランニングと偽9番に相当するポストプレーで攻撃の起点を作る。セリエAの水に馴染んだのか、足元の技術も安定して来た。
MF: ベンタンクール 6.5
レジスタ兼 DF ラインの盾として期待された仕事を遂行。カウンターの芽を摘み取ることで貢献した。パスの判断ミスだけが唯一の反省点。
MF: ラビオ 5.0
A・サンドロと同様に試合で消える場面が多く、不完全燃焼な試合だった。ドリブルなどを使っての密集突破という点ではアルトゥールも期待できるだけに立場が怪しくなりつつある。
MF: キエーザ 6.0
対面したゴルダニーガをスピードで揺さぶってデュエルで優勢に立つ。ゴールネットを揺らす決定機での勝負強さを見せたが、VAR でノーゴールとなった部分が悔やまれる試合だった。
FW: ディバラ 7.0
先発起用に応えるプレーを見せる。仕掛けやミドルでジェノアの守備陣を脅かし、重い雰囲気の中で先制点を奪取。年内の残り試合でこの内容を維持して欲しいプレーぶりだった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.0
キエーザなどとの連携で左サイドから仕掛けて決定機を作り、勝ち越しが賭かった PK を確実に決め切ってチームに勝利をもたらした。エースとして圧倒的な存在感を発揮している。
【交代選手など】
FW: モラタ 6.5
67分にラビオとの交代で出場。CF としてペナルティーエリア内で勝負しようとする姿勢を貪欲に示す。決定的な3点目となった PK 獲得をしており、仕事は十二分に果たした。
MF: クルゼフスキ ー
83分にディバラとの交代で出場。右アタッキングハーフの位置に入る。
MF: ベルナルデスキ ー
キエーザに代わり、83分から出場機会を得る。
DF: ドラグシン ー
後半アディショナルタイムにデ・リフトとの交代で出場。
ピルロ監督 6.5
前半は内容が良かったもののスコアは動かせず。後半に微調整を加えて先制し、一時は同点にされるも修正して勝ち切ることに成功した。両監督が可変システムを駆使する戦術的な面が大きい試合で結果を残した采配の手腕は評価されるべきだ。
ディ・ベッロ主審 6.5
VAR を使って細部まで良く見ていた。その煽りでユベントスだけがゴールを取り消されたが、判定として正しいものであり審判団として良い仕事をしていたと言えるだろう。