雨のアリアンツ・スタジアムで行われた 2019/20 セリエA第10節ジェノア戦はロナウド選手の勝ち越し PK でユベントスが 2-1 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-1-2] |
Genoa CFC [4-2-3-1] |
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GK | 77: ブッフォン | 97: ラドゥ |
DF | 16: クアドラード 19: ボヌッチ 24: ルガーニ 12: アレックス・サンドロ |
18: ギリオーネ 17: ロメロ 2: サパタ 20: アンカーセン |
MF | 6: ケディラ 30: ベンタンクール 14: マテュイディ 33: ベルナルデスキ |
20: シェーネ 29: カッサータ 19: パンデフ 28: アグデロ 11: クアメ |
FW | 10: ディバラ 7: ロナウド |
99: ピナモンティ |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。ルガーニ選手が今季初出場を果たし、ピアニッチ選手の代役にベンタンクール選手が入る布陣で試合に臨みます。
対するジェノアのチアゴ・モッタ監督は 4-2-3-1 を選択。ピナモンティ選手を1トップに2列目のサイドでパンデフ選手やクアメ選手がサポートする陣容で試合を迎えます。
試合は中盤での守備意識が強く、相手にシュートを打たせない展開で幕が上がる。最初にチャンスを手にしたのはアウェイのジェノア。12分にピナモンティが抜け出してシュートを放つも、これはブッフォンが難なくキャッチ。
ユベントスは17分にサパタのクリアボールをディバラが胸トラップからシュート。これは GK ラドゥが CK に逃れる。徐々に流れを掴んだユベントスは32分にロナウド、直後の34分にはディバラのシュートが枠を捉えるが、いずれもラドゥに防がれてしまう。
それでも、ユベントスは36分に左 CK からニアでラドゥよりも先に触れたボヌッチのシュートが決まって1点を先行する。
対するジェノアは40分にルガーニのファールで得た FK をシェーネが狙うも、これは GK ブッフォンがブロック。しかし、41分にA・サンドロの縦パスを引っ掛けると、これがクアメの足元へと入る。クアメが右足で放ったシュートは軸足に当たったが、ブッフォンの逆を突く形となってゴールイン。
前半は 1-1 で終えることとなる。
すると52分に思わぬ形で試合が動く。ジェノアはカッサータがディバラのユニフォームを引っ張ってしまい、この日2枚目のイエローカードで退場となってしまう。
数的不利に陥ったジェノアは堅守速攻の意識を強めて中央を封鎖。ユベントスはロングレンジのシュートや逆サイドへの展開などで揺さぶるも、ゴールを決められずに時間だけが経過する。
ドローが現実味を帯び始めた87分にユベントスはカウンターで持ち上がったギュミュシュをラビオが倒してしまう。このプレーにイエローカードが出され、ラビオは2枚目で退場となり、ユベントスも10人でのプレーを強いられる。
それでも攻め続けたユベントスは92分にクアドラードからのクロスにロナウドが合わせたが、VAR でロナウドのポジションがオフサイドと判定され、ゴールは認められず。
それでも94分に右サイドでボールを受けたロナウドが仕掛けると、サナブリアがロナウドを倒してしまい、ユベントスが土壇場で PK を獲得する。これをロナウド自らがゴール左下に蹴り込み、ユベントスが勝ち越しに成功。
結局、試合はこのまま 2-1 で終了。ロナウドの決勝ゴールでユベントスが勝点3を積み重ねる結果となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
枠内シュートに脅かされる場面は少なく、落ち着いた対応を見せた。失点の場面は不運と言わざるを得ないだろう。
DF: クアドラード 6.5
クアメに粘り強く対応するとともに攻撃時には右サイドのタッチライン際でボールを引き出し、相手の守備陣系を引き寄せるとともに質の高いクロスを供給。攻守において貢献した。
DF: ボヌッチ 6.5
守備では凡庸だったものの、CK から先制ゴールを決める大きな仕事をした。
DF: ルガーニ 5.0
ピナモンティへの対応などに手を焼き、良い内容とは言えないレベルだった。ただ、試合勘が完全に欠如していることを踏まえると、バッシングの対象とすることは不当と言えるだろう。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
左サイドでバランスを取り、サポート役を務める時間が多い試合だった。オーバーラップ時は左サイドの大外を使ったクロスを主体にしており、攻撃に幅をもたらす仕事を遂行していた。
MF: ケディラ 6.0
裏への抜け出しや右サイドでボールを引き出すなど、攻撃の基準点として前半から役割を果たす。ただ、得点には直結せず、相手が1人少なくなったことで攻撃に特長があるラムジーと交代することになった。
MF: ベンタンクール 5.5
ピアニッチの代役として先発したが、周囲からレジスタ役として信頼を得るまでには至っておらず、ボールを十分に引き出すことはできなかった。止むを得ない状況であるとは言え、チームとして改善の必要があるだろう。
MF: マテュイディ 5.0
対面したシェーネの働きを制限することができず、中盤での劣勢を招いてしまう。攻撃面でも消える時間が多く、不完全燃焼の試合となってしまった。
MF: ベルナルデスキ 6.0
持ち前の走力で広範囲をカバーし、数的優位となった後半はポストプレーや正確な枠内シュートで攻撃の一翼を担うプレーを見せた。良い印象を残すことに成功したと言えるだろう。
FW: ディバラ 7.0
ドリブルで相手守備陣を切り裂いて決定機を作り、ピンポイントのクロスをロナウドに届けるなど攻撃で変化を付け続けた。自らにも得点機会があっただけにそれを逸したことだけが悔やまれる。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
良いポジショニングをしていたものの、肝心の決定機ではシュートを外すなど本調子とは言えず。それでも最後に自らが獲得した PK を決め、チームに勝点3をもたらし、帳尻を合わせることに成功した。
【交代選手など】
MF: ラムジー 6.0
61分にマテュイディとの交代で出場。右サイドを主戦場に攻撃でアクセントを加える。シュートやラストパスでは目立たなかったが、チャンスを拡大する仕事を堅実に行っていた。
MF: ラビオ 5.0
ケディラに代わって61分から出場機会を得る。左サイドをドリブルで突破するなど攻撃で違いを生み出していたが、87分に2枚目のイエローカードで退場となり、試合を潰しかけてしまった。
FW: ドウグラス・コスタ ー
ベルナルデスキとの交代で79分から出場。強烈なシュートで得点を感じさせるなど持ち味を発揮し、コンディションが整いつつあることを示した。
サッリ監督 6.0
ターンオーバーを実施したものの、メンバー固定化の弊害が色濃く出た試合でもあった。ジェノアのミスで勝点3を拾うことができた試合と言えるだろう。昨シーズンのアッレグリ監督は前半戦でメンバーを固定しすぎて失敗しているだけに反面教師とすることができかが注目点だ。
ジュア主審 5.5
荒れた試合だったが、安易にカードを出し過ぎた面は否定できない。上手くコントロールすることは可能だっただけに経験不足の面が顔を見せることになったと言えるだろう。