NO JUVE, NO LIFE!!

- FINO ALLA FINE - ユベントス関係のニュース記事を扱うサイト

クリスティアーノ・ロナウド移籍に対する抗議ストライキを呼びかけたフィアット労組、スト参加者はわずか5名に終わる

 クリスティアーノ・ロナウド選手の獲得に1億ユーロ超を投資したユベントスに対し、同じ親会社(= Exor)を持つフィアットの労働者が抗議のストライキを宣言していましたが、「スト参加者はわずか5名だった」とロイター通信が報じています。

画像:FCA
PR

 

 ストライキを呼びかけたのはイタリア南部バジリカータ州メルフィにあるフィアットの主要工場で働く従業員(と労働組合)です。

 「サッカー選手に何億ユーロも費やし、労働者に犠牲を強いるのは不平等で容認できない」と主張。「何千人もの将来を保証する自動車モデルへの投資」を求め、“抗議のストライキ” を呼びかけていました。

 

 ただ、この呼びかけに対する賛同する声が他の労組から上がらず、始めから向かい風が吹いている状況でした。その主な理由は以下のものです。

  • 『ユベントス』と『フィアット』は別会社であり、“フィアットの労働者” がストライキを実施する正当な根拠がない
  • イタリア南部の工場は「南部工業振興政策」で操業が始まったものが多い

 日本で例えると、「『福岡ソフトバンクホークス』が FA 戦線で高額選手を獲得したこと」を理由に「『ソフトバンクの子会社』の従業員や労組が抗議のストライキを呼びかけている」状況なのです。世間一般からストを呼びかけた労組に支持が集まることはないでしょう。

 また、南部の工場は政府の振興政策で操業されている工場が多く、「生産性の低さ」が度々問題となっています。これは「マフィアの勢力を弱めるために産業を根付かせる」という目的で始まりましたが、「撤退は起こり得ないから、サボっても大丈夫」と労働者に足元を見られていることが理由です。

 そのため、他地域の労働者から厳しい目で見られていたのです。

 

 結局、抗議ストに参加したのはわずか5名。メルフィ工場に勤務するのは約1700人ですから、0.3% の従業員が参加した計算になります。

 ちなみに、FCA (フィアット・クライスラー・オートモービルス)従業員の過半数が属する労働組合はストライキを拒絶。今回のストを「単なる宣伝」と切り捨てています。

 ストに賛同してしまうと、「労働者の持つ権利の範囲を正しく認識していない代表に自分たちの生活を任せられない」との突き上げを受ける可能性が高まるだけに妥当な判断と言えるでしょう。今回は “痛い労働者” が失笑を買う結果になったと思われます。