2016/17 UEFA チャンピオンズリーグ準決勝に進出したユベントスの相手はモナコに決定しました。2シーズン前に準々決勝で顔を合わせているのですが、その時からの変更点などを整理することにしましょう。
1:バスを止めたことが裏目に出たモナコ
2戦合計 1-0 でユベントスが勝ち上がったのですが、両チームの明暗を分けたのは「バスを止めたタイミング」でした。
4-3-1-2 を採ったユベントスに対し、モナコのジャルディム監督は実質的に 5-4-1 を採用し、バスを止めることを選択。
攻撃を止めることには成功したのですが、攻め手が個人技によるロングカウンターだけに限定されてしまい、逆に裏のスペースに走り込んだモラタ選手が獲得した PK をビダル選手に決められ、ユベントスが先勝しました。
2:バスを止め、リードを守りきったユベントス
1点のリードを持ったユベントスのアッレグリ監督はセカンドレグで「バスを止める」ことを迷わず選択します。
負傷離脱していたポグバ選手は起用できなかったものの、最後尾は BBC が並び、ピルロ選手の両脇はビダル選手とマルキージオ選手が封鎖。リヒトシュタイナー選手とエヴラ選手がサイド攻撃を抑えることに専念し、突破を決めた対戦でした。
今回の対戦も前回と同様に拮抗した戦いが繰り広げられることになるでしょう。
3:4-4-2 のチームに生まれ変わったモナコ
ユベントス、モナコの両者に言えることですが、2014/15 シーズンに対戦した際に先発した選手の約半数はチームを離れています。そのため、別のチームに生まれ変わっているという認識が必要となります。
ちなみに、モナコの基本布陣は次のものです。
ボックス型の 4-4-2 が基本フォーメーションとなっており、先発メンバーも怪我による戦線離脱が生じなければ、サプライズ起用的な抜擢もないと言えるでしょう。基本コンセプトは不変で、チーム力が上積みされたと見るべきだと思われます。
4:モナコの変わらない基本戦術と変更点
モナコがチームとして持つ以下の基本コンセプトは2年前と不変です。
- 屈強なDFとMFが中央を固める
- 空中戦に強い
- 速さのあるサイド攻撃に特長がある
ファビーニョ選手とバカヨコ選手のダブルボランチに注目が集まっていますが、屈強なボランチが中央を締めるスタイルは2年前と同じです。トゥララン選手やコンドグビア選手の役割が受け継がれていると言えるでしょう。
速さと巧さを持つウィンガーを活かした攻撃をオプションで持っていることも同じです。この点についての驚きは少ないはずです。
変わった点は「2トップでクロスに合わせる人数が増えたこと」と「サイドバックが積極的に攻撃参加するようになったこと」です。攻撃への比重が高くなっており、攻撃に厚みが出るようになったと集約することができます。
ダブルボランチがボールをカットしてからのショートカウンターが最大の武器になっており、精度の低い縦パスを奪われることのリスクが非常に大きい対戦相手だと言えるはずです。
明確な武器を持つモナコに対し、アッレグリ監督がどのように相手の強みを抑え、ユベントスの強みを活かすのか。難敵との対戦が続くリーグ戦とのやりくりに注目です。