トリノで行われた UEFA チャンピオンズリーグ、ラウンド16ポルト戦はディバラ選手のPKによりユベントスが 1-0 で勝利し、準々決勝へと駒を進めました。
先発した選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-2-3-1] |
FC Porto [4-1-3-2] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: カシージャス |
DF | 23: ダニ・アウベス 19: ボヌッチ 4: ベナティア 12: アレックス・サンドロ |
2: マキシ・ペレイラ 28: フェリペ 5: マルカーノ 21: ラユン |
MF | 8: マルキージオ 6: ケディラ 7: クアドラード 21: ディバラ 17: マンジュキッチ |
22: ダニーロ 20: アンドレ・アンドレ 30: オリベル・トーレス 8: ブラヒミ |
FW | 9: イグアイン | 29: ソアレス 10: アンドレ・シウバ |
ユベントスは 4-2-3-1 を継続。右SBにはダニ・アウベス選手が入り、CBにはボヌッチ選手とベナティア選手がコンビを組み、試合に臨みます。
対するポルトはファーストレグと同じ 4-1-3-2 を選択。2列目にオリベル・トーレス、アンドレ・アンドレ、ブラヒミの3選手が入り、ソアレス選手とアンドレ・シウバ選手が2トップを組む攻撃的な人選で試合を迎えます。
試合はボールを持つチームが相手陣内に押入り、守備側は粘り強く耐えるという展開で時間が経過する。
ユベントスはサイドを起点にゴール前にボールを供給する回数が増え、得点の気配が漂い始まる。すると、40分に試合が動く。
ダニ・アウベスが入れた右CKを走り込んだアレックス・サンドロがヘディングシュート。これはカシージャスがセーブして見せたが、こぼれ球にイグアインが真っ先に反応し、右足で狙う。マキシ・ペレイラが必死のブロックに入ったものの、右手で防ぐことになってしまい、主審はPKを宣告する。
レッドカードを提示され、1人少なくなったポルトに対し、ユベントスはディバラが獲得したPKをゴール右下に決め、1点のリードを得て前半を終える。
手堅く試合を終えたいユベントスだったが、後半に入ると油断からか守備陣に甘い対応が目立つようになる。49分に高いDFの裏に出されたパスの処理をベナティアが誤り、ソアレスに絶好機が訪れたが、シュートは枠を外れ、ユベントスは難を逃れる。
ユベントスは途中出場のピアツァが貪欲にゴールに迫るものの、決定機とまでには至らず。イグアインのシュートも枠を捉えず、決定的な2点目をあげることができない。
逆に、81分に細かいパスワークから裏に抜け出したジョッタに左足のチップシュートでゴールに迫られるピンチを作ってしまう。ただ、このシュートもブッフォンの飛び出しによって角度が消され、枠を捉えられずに済んだ。
試合は結局このまま 1-0 のスコアで終了。2戦合計 3-0 でユベントスが準々決勝に駒を進めることとなった。
出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.5
シュートセーブを強いられた試合ではなかったが、良い飛び出しにより枠内にシュートを打たせなかった動きは高く評価されるべきものである。
DF: ダニ・アウベス 6.0
ブラヒミの動きを抑え、ポルトの攻撃を制限した。右サイドで積極的にボールを引き出しており、持ち味が示された試合と言えるだろう。
DF: ボヌッチ 6.5
アンドレ・シウバを自由にさせず、粘り強い守備を披露した。また、前線に質の高いパスを供給しており、最後尾のレジスタとしても高いパフォーマンスを示していた。
DF: ベナティア 5.5
前半は鋭いチェックでソアレスに全くと言っていいほど何もさせなかったが、後半に入ると別人のようにパフォーマンスが悪化した。右足付け根を痛めたような姿が映像に捉えれていたが、負傷によるものだったのだろうか。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
ファーストレグに続き、サイドで主導権を握り続けた。決定的なワンプレーはなかったが、攻守で優位性を保ち続けた内容は高く評価されるべきだろう。
MF: マルキージオ 6.0
経験を活かし、ポルトの2トップを上手く分断することに成功した。イグアインが欲する浮き球のラストパスも機を見て供給しており、巧さを見せた試合だった。
MF: ケディラ 6.0
中盤で求められる仕事をマルキージオと分担し、チームに安定感をもたらした。プレスをかけるポルトに足を使わせたことは地味だが、貴重な役割だったと言えるだろう。
MF: クアドラード 6.0
マンジュキッチにピンポイントのクロスを届けるなど見せ場はあったが、早い時間帯でイエローを受けたこともあり、前半で退く結果に。ただ、献身性は示せていたため、評価がガタ落ちすることはないはずだ。
MF: ディバラ 7.0
ボールを引き出し、危険なエリアに運び、チャンスメイクをするなど攻撃において存在感が際立っていた。PKについてはスピード、コースともに素晴らしいものだった。
MF: マンジュキッチ 6.5
攻守において高い献身性を示し、チームプレーに徹した夜だった。ヘディングシュートが決まっていれば、最高の夜になっていたことだろう。
FW: イグアイン 6.0
ディバラとのコンビでポルトゴールを脅かすものの、得点とはならず。PKを得たシーンではこぼれ球に反応し、シュートを放つなどストライカーとしての嗅覚を見せつけた。
【交代選手など】
MF: ピアツァ 6.0
46分にクアドラードとの交代でピッチへ。個人技を武器に貪欲にゴールへと迫ったが、得点という結果は生まれず。周囲との連携を向上させることが期待される点と言えるだろう。選手個人としてのパフォーマンスは良いものだった。
DF: バルザーリ 6.0
ベナティアとの交代で60分から出場。ポルトのカウンターに対処を求められる場面はあったものの、相手への “ギフト” は与えず。守備に安定感を与えた。
MF: リンコン ー
疲労の見え始めたディバラに代わり、78分から出場機会を得る。中盤の底に入り、ポルト攻撃陣が一矢報いようと前に出たところを堰き止める役割を全うした。
アッレグリ監督 6.5
技術の高いブラヒミにダニ・アウベスで対応し、ボヌッチとベナティアで相手の2トップを抑え込んだ前半の出来は素晴らしいものだった。それだけに勝ち抜けが現実的になった後半の内容は反省材料になったと言えるだろう。4月上旬のナポリとの2連戦やCL準々決勝で改善されているかに注目である。
ハツェガン主審 6.5
落ち着きを持ってジャッジを下していたと言えるだろう。ユーヴェ側はクアドラードのイエローに、ポルト側はマキシ・ペレイラのレッドに対して厳しすぎるとの感想を抱いたと思われる。しかし、どちらのプレーを提示されたカードに相当する内容であることも事実だ。