5月9日に行われたセリエA第35節のユベントス対カリアリ戦は、互いに譲らず 1-1 のドローで終えました。
この試合ではユベントスのゴール裏が2試合閉鎖処分が下っていたために子供たちが招待される予定でしたが、ユベントス側の抗議が認められた形で処分執行が中断されました。そのため、いつものサポーターたちがゴール裏を占めました。
両チームのフォーメーションは下図の通りです。
ユベントスはシモーネ・ペペ選手が先発するということもあり、4-3-3 を選択。残留を目指すカリアリは 4-3-1-2 を選択して試合に挑みました。ちなみに、カリアリの GK ブルキッチ選手が以前にユベントスが招待した子供たちから大人顔負けの野次を受けた選手です。
試合内容ですが、全般的に残留のかかったチームが死に物狂いで戦うというものではなく、フレンドリーマッチ(というよりもチャリティーマッチ)に近い“まったり”とした空気が流れるものでした。
この試合に出場したユベントスの選手たちへの個人的な採点は次のとおりです。
GK: ストラーリ 6.0
ロッセッティーニにゴールは許したが、GK の責任ではない。DF 陣を最後尾から鼓舞し続けており、大きなトラブルに見舞われることもなかった。
DF: ロムロ 5.0
11月下旬以来、久々に立ったピッチで最後までプレーでしたのはプラス評価。だが、右サイドバックで攻め上がりの後に戻り切れず、度々ピンチを招く起点になっていたことは評価できない。
DF: バルザーリ 6.0
ロムロのスペースも合わせて埋めるなど、CBとして十分な働きを見せていた。相手CFのコップに十分な仕事をさせなかったことも高評価。
DF: オグボンナ 6.5
彼ほどの実力者がCBの4番手と見られていることがユベントスの強みである。バルザーリのパートナーとして相手の2トップを完全に沈黙させることに成功させていた。
DF: パドイン 6.0
逆サイドでロムロが高めのポジションを取ることもあり、左で堅実な守備をこなす。コマンやポグバとの連携も取れており、デ・チェーリエ投入後はアンカーの位置でもプレーを卒なくこなしていた。
MF: ペレイラ 5.5
試合展開がフレンドリーマッチに近いこともあり、全体的なパフォーマンスはやや低調気味であった。個人技を多用したがる選手ではないため、今日の出来が選手へのマイナス評価とはならないだろう。
MF: マルキージオ 6.0
3センターの中央で存在感を発揮し、ユベントスの前線3人に良いパスを供給していた。
MF: ポグバ 7.5
復帰直後の試合で63分までプレーし、チーム唯一の得点まで決めることができた。怪我前と同じ状態になっているように見えたが、インテンシティーが段違いに上がるマドリー戦で彼がどこまで回復しているかが明らかになるだろう。
FW: ペペ 4.5
ウィンガーがガス欠を起こしているようではダメだ。残り20分ほどのポジションがデ・チェーリエの後ろだったことも問題だろう。失点シーンはロッセッティーニに頭上からヘディングされていた。ペナルティエリア内では競り合わなかったDFが有利となる笛が吹かれることはないことを理解する必要がある。
FW: マトリ 4.5
メンバー表を見直さなければ出場していたことに気づかないほどの存在感であった。実況アナウンサーも“マトリ”の名前を何回言ったのかが気になるほどだ。
FW: コマン 6.0
個人技で突破しようとしたり、スペースに飛び込み、ヘディングで狙ったりと持ち味を存分に示すことができていた。ポグバのゴールに触発される形でよく戦っていた選手の1人と評価できるだろう。
【交代選手】
MF: ストゥラーロ 5.5
59分にマルキージオとの交代で出場。当初は慣れないアンカーのポジションに入ったこともあり、目立った活躍をすることはできず。
DF: デ・チェーリエ 6.0
63分にポグバと代わり出場機会を獲得。自身が受け持った左サイドでプレーする資格があることをピッチで証明した。ガス欠で運動量がなくなったペペの分も含め2人分の働きをしていたと言える。
MF: ビターレ 6.0
ペレイラと交代で75分から出場。出場時間は短かったが、内容的には今日のペレイラと比べても遜色ないものだった。ユース出身の期待の若手選手として順調に成長して欲しいところ。
アッレグリ監督 ー
今日の試合は勝ちにこだわった試合ではないので、評価の対象外とするべきだろう。怪我から復帰した選手や出場機会に恵まれなかった選手を積極的に起用したことは評価すべき点である。リーグ戦は基本的に来期を見据えたチーム作りとしても良い状況だと言える。