4月29日に行われたセリエA第33節のユベントス対フィオレンティーナの一戦は、ユベントスがテベス選手の2ゴールなどでフィオレンティーナを 3-2 で下し、スクデット獲得まで残り1ポイントとしました。次節、アウェイでのサンプドリア戦に引き分け以上で自力での33回目のスクデットが決定します。
この試合では、テベス選手が逆転ゴールとなった1点目のゴールを決めた時に上図のゴールパフォーマンスを見せていました。これはバイオリンを奏でていることを示したものだったですが、イタリアでは「審判が味方なんていいですね」という意味を暗喩するものとしても使われることがあります。
ローマのガルシア監督がユベントス対ローマ戦でこの仕草をやって、ペナルティを受けたというアレです。選手がやった分にはセーフなのでしょうかね。いずれにせよ、主審を務めたルカ・バンティのジャッジが残念なレベルで、試合をコントロールできていなかったことは事実だと言えます。
試合に出場したユベントスの選手などについての個人的な採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
試合最終盤でのイリチッチのFKへの反応はやや遅れ気味だった。しかし、ゴール外側から巻いた強烈なフリーキックを止めるのは不可能なことも事実である。PK も2本とも同じ方向に飛んでおり、良い調子を維持していると言える。
DF: リヒトシュタイナー 6.0
対面するアロンソに効果的な働きをさせず、またシュートブロックを欠かさないなど献身性が高く光った。
DF: バルザーリ 6.5
相手のポストプレー役のマリオ・ゴメスを試合から消すことに成功。流れの中から相手にチャンスらしいチャンスを与えなかった。
DF: キエッリーニ 5.5
ホアキンの『PK狙いの動き』にまんまと釣られてしまったのはマイナス査定。レアル・マドリードには7番や11番がこの手を十八番にしていることを忘れてはいけない。足を出すのではなく、フィジカルで弾き飛ばしていれば審判の印象も180度異なっただろう。
DF: エヴラ 6.5
テベスのゴールをアシストするクロスを上げるなど、要所要所で効果的な働きを見せつけていた。累積警告で次節出場停止なのは良い休養になるとポジティブに考えるべきだろう。
DF: エヴラ 6.5
テベスのゴールをアシストするクロスを上げるなど、要所要所で効果的な働きを見せつけていた。累積警告で次節出場停止なのは良い休養になるとポジティブに考えるべきだろう。
MF: ピルロ 5.5
ジョレンテへのピンポイントのクロスは流石の一言。だが、ホアキンへの軽率な対応によるPK献上と、囲まれた時のバタバタ感は来週の試合への不安を残すことに十分すぎるほどであった。シュヴァインシュタイガーのような選手にマークされると厳しいのではないだろうか。
MF: ストゥラーロ 6.0
前節と比べてボールは足下に収まっていたし、至る所に出没しチームの役に立っていた。カウンターでボールを持ち出した際は相手DFが戻っている走路に先に体を入れるという“ズル賢さ”も今後のことを考えると身に付けるとより良いだろう。
MF: ペレイラ 6.0
トップ下だったが、インサイドハーフの位置まで下がったり、ボールを前に運んだりと派手ではないが効果的な動きができていた。
FW: ジョレンテ 6.5
空中戦は完全に1人勝ちだった。自身の得点とテベスの1点目の時に相手CBを引き付けた働きは高評価。守備面でもペレイラと同じラインで相手を追い回したスタミナもあることを示していた。
FW: テベス 7.0
逆転ゴールと試合を決定づける3点目を決めたことについての貢献度は計り知れない。試合の最後でイリチッチのゴールとなるFKを与えたことだけが残念だった。
【交代選手】
MF: ビダル 5.5
55分にピルロとの交代で出場。可もなく不可もなくといった所。先発した時と比べるとインテンシティーの高いプレーはあまり見られなかった。
DF: オグボンナ 6.0
71分にペレイラとの交代で出場。3バックのセンターとしてDFラインの統率を上手く行い、中央を固めたことでブッフォンにほとんど仕事を回さなかった。
MF: パドイン ー
78分にストゥラーロとの交代で出場。攻め上がった相手のスペースを突く形で上手く時計を進めていた。
アッレグリ監督 6.5
トリノと同じ3バックでサイドを経由した攻撃に特徴のあるチームへの対応策を講じることができていた。交代選手についてもモラタを投入予定だったが、ストゥラーロがサビッチから悪質なファールを受けたことを見て即座にパドインを入れるなど柔軟性を見せつけていた。