セリエA第25節の大一番となったユベントス対ナポリは88分にザザ選手のゴールが決まり、ユベントスが競り勝ち、リーグ首位に躍り出ることに成功しました。
試合に先発した両チームの選手は以下のとおりです。
Juventus [4-4-2] |
SSC Napoli [4-3-3] |
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GK | 1: ブッフォン | 25: レイナ |
DF | 26: リヒトシュタイナー 19: ボヌッチ 15: バルザーリ 33: エヴラ |
2: ヒサイ 33: R.アルビオル 26: クリバリ 31: グラム |
MF | 16: クアドラード 6: ケディラ 8: マルキージオ 10: ポグバ |
5: アラン 8: ジョルジーニョ 17: ハムシク |
FW | 21: ディバラ 9: モラタ |
7: カジェホン 9: イグアイン 24: インシーニェ |
大一番で起用されるフォーメーションに注目が集まったホームのユベントスは 4-4-2 を選択。守備のバランスを考慮し、左 SB にはエヴラ選手が入り、ケディラ選手が先発に復帰しました。
対するナポリはお馴染みの 4-3-3 を継続。第6節サン・パオロでの勝利を再現すべく、ベストメンバーが名を連ねます。
試合は大方の予想通り、両チームとも集中力を保ち、クオリティの高い内容が続く。ナポリは前線からのプレスと DF ラインからの小気味好いリズムでパス回しからチャンスを伺うも、枠内シュートを放つまでには至らない。
ユベントスも14分に右サイドを突破したクアドラードのシュート、20分のポグバの FK というチャンスはあったものの、レイナを脅かす内容ではなかった。
前半最大のチャンスを手にしたのはアウェイのナポリ。35分に右サイドのスペースを駆け上がったヒサイから中央のイグアインに対して絶好のアーリークロスが入る。絶好の得点パターンだったが、イグアインの鼻先でボヌッチが右足でクリアし、ユベントスは難を逃れた。
ゴールレスで迎えた後半、両チームは互いに左サイドから攻撃の起点を作ろうとする。先にその効果が現れたのはユベントス。
62分にボックス左でボールキープに成功したポグバが鋭いグラウンダーのクロスを中央へ。フリーで走り込んだディバラに最大のチャンスが訪れるも、左足から放たれたシュートはクロスバーを超えた。
両チームとも守備の集中力を切らさず、緊張感が張りつめた試合が続く。「ドローは最悪と結果」と言えないこともあり、このまま引き分け濃厚と思われた88分についに均衡が破れる。
ケディラからの浮き球のフィードをディバラと代わったアレックス・サンドロが頭で落とす。そのボールを拾ったエヴラが中央のザザに送る。ザザはトラップからの時計回りのターンでクリバリを引き離すと、DF の隙間から左足で一蹴。ラウル・アルビオルの足をかすめたシュートはレイナの牙城を打ち破り、ユベントスが先制点を記録した。
ナポリに残された反撃時間は少なく、試合は 1-0 で終了。ユベントスはリーグ15連勝を達成するとともに、スクデット5連覇に向けてポジティブな試合結果を手にすることとなった。
試合に出場したユベントスの選手/監督への採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
(バルザーリへのファールでプレー自体が無効とされた)アルビオルが前半の CK から放ったシュートをブロックしたシーンが最大の見せ場だった。やはり存在感と実績は別格である。
DF: リヒトシュタイナー 6.0
リーグ最高の攻撃陣を相手にしたこともり、攻撃参加によるチーム貢献は少なかった。しかし、相手の長所を消し去る大きな仕事をしたことは明らかだ。
DF: ボヌッチ 6.5
イグアインを自由にさせず、またシュート機会も寸前でクリアしたプレーは大きい。ケディラとの衝突で後半早々に交代を余儀なくされたが、ザザのゴールを真っ先に喜んでいたことから負傷は打撲程度ではなかろうか。
DF: バルザーリ 7.0
エクセレントという一言に尽きる。ルガーニとのコンビを組まざる得ないことが判明した段階でユベンティーニは1失点は覚悟したはずだ。しかし、最終ラインは崩れることなくクリーンシートを達成しており、その貢献はすばらしいものだった。
DF: エヴラ 6.0
久しぶりの4バックであったが、90分間に渡る仕事を成し遂げた。タイミング良く攻撃のサポートに加わっており、地味ではあるが、貢献度は高かった。
MF: クアドラード 6.5
持ち前の走力とクイックネスでロングカウンターという武器に実用性があることを証明した。また、相手のカウンターを遅らせる守備での献身性などバイエルン戦に向けたジョーカーになることだろう。
MF: ケディラ 6.5
コンディションが懸念されたが、問題がないことをフル出場で証明した。タイトなマークを物ともせず、冷静さを保ち、ポグバとポジションを入れ替えるなど存在感を見せつけていた。
MF: マルキージオ 6.5
前後左右からのナポリのプレスを物ともせず、ボールを動かし続け、カウンターの芽を摘み取るなど中央で存在感を発揮し続けた。確かにロングフィードの精度はピルロと比較すると物足りないかもしれないが、それを差し引いても十分すぎるパフォーマンスだった。
MF: ポグバ 7.0
アランとの肉弾戦を制し、機を見てはシュートを放ち、攻守両面に顔を出し続けた。ディバラのシュートが決まっていれば、今日のプレー全体が称賛されたことであろう。
FW: ディバラ 5.5
要警戒選手リストのトップに記載されたことで、シュートコースを真っ先に消す守備に手を焼き続けた。クオリティは本物であることはプレーの随所に見受けられることから、相手の守備意識を逆手にとるプレーが披露できるかが次の評価項目となるだろう。
FW: モラタ 5.0
CF として求められる中央でのプレーに自信を見せ始めていることは大きい。だが、今日の試合では脅威になることはできず、物足りなさが残った内容だった。
【交代選手など】
DF: ルガーニ 6.5
負傷したボヌッチに代わり、52分から出場。難しい試合にスムーズに入り、クリーンシート達成に大きく貢献した。リーグ屈指の攻撃陣に上手く対抗した経験は大きな自信になることだろう。
FW: ザザ 7.5
58分にモラタと交代でピッチに立つ。ジェノア戦でのレッドカードからどういったプレーを見せるのかが注目されたが、成長した姿を見せていた。ゴールはファンの心を鷲掴みにするとともに、先発の座が現実味を帯びる大きな要因にもなるはずだ。
MF: アレックス・サンドロ ー
ディバラと交代で86分から出場する。ヒサイをマークすることが主なタスクだったはずだが、ケディラからのボールを頭でエヴラにつなぎ、先制点に絡んだ。展開を冷静に読めており、戦術理解度が高いことも証明した。
アッレグリ監督 7.0
4バックでスムーズに戦えたことは大一番に向けた入念な準備ができていたことを示している。ビルドアップでも4バック用のポジショニングが徹底されており、切り替えに対する障害はないと言えるだろう。交代を余儀なくされた試合だったが、いずれの交代選手も良いパフォーマンスだったのだから不満はないはずだ。
オルサート主審 6.5
(物議を醸すようなプレーがなかったこともあるが、)ジャッジは良いものだった。ファールについてもプッシング、足をかける、肘を使うといったものには厳しく、フィジカルコンタクトは容認していた。プレミアの審判がセリエの試合を担当したと言う評価が的確だろう。