2026年6月30日までの契約でユベントスの指揮官に就任したスパレッティ監督ですが、その命運は「カンビアーゾ選手とコンセイソン選手の同時起用を思い留まれるか次第」と言えるでしょう。
“禁断の果実” に手を出した前任監督は2人続けて解任の憂き目に遭っているからです。

カンビアーゾとコンセイソンの同時起用は『絶対アカン』
“LSB のカンビアーゾ” と “RWG のコンセイソン” の守備力を考えると、『左 WG が担う守備のタスク量』が増えることは止むを得ないでしょう。
- LSB: カンビアーゾ
- サイドバックとしての守備力は不足
- 守備時は左 WG を『盾』として使うことが無難
- RWG: コンセイソン
- カード寸前の反則で止める傾向があり、守備ブロックの際は2トップの一角に組み込まれがち
- その代償で左 WG が MF として守備ブロックに参加
ところが、現在のユベントスで左 WG を担っているのが「ユルディズ選手」であることが大きな問題なのです。

“攻撃の牽引役であるユルディズ選手” が「(要求水準に達していない味方選手の守備力を補うための)守備に奔走することを強いられて疲弊」してしまっては本末転倒。
その原因となる「 “LSB のカンビアーゾ” と “RWG のコンセイソン” の同時起用」が『絶対アカン』となるのは当然でしょう。
「カンビアーゾ選手とコンセイソン選手の同時起用を続けたチアゴ・モッタ監督(※ 4-1-4-1 と 4-2-3-1 を兼用)やトゥドール監督(※ 3-4-2-1)のチームがどういう結末を迎えたのか」を思い出さなければなりません。
ブランビッラ暫定監督が第9節ウディネーゼ戦で示した最適解
解決策の1つはブランビッラ暫定監督が第9節ウディネーゼ戦で示した 3-4-1-2 でしょう。

3バックは DF 陣をそのまま起用できますし、コープマイネルス選手も戦力です。
WB 陣は右サイドにカンビアーゾ選手とJ・マリオ選手の技巧派コンビとカルル選手。左サイドは LWB兼LSB のケリー選手とカバル選手にコスティッチ選手で戦術幅と選手層を確保できます。
ボランチはマッケニー選手が右 WB の守備力を補填。CB 陣の必要枚数が揃えば、コープマイネルス選手を守備的 MF で使えるため、当面は現有戦力で乗り切れるでしょう。
攻撃を司るトップ下はユルディズ選手。ミレッティ選手もトップ下でのプレーが可能であり、守備力が求められる試合ではマッケニー選手やテュラム選手を配置し、ユルディズ選手は FW 起用することで一定の攻撃力は担保されます。
FW 陣は2トップ。トップ下が「自陣側の衛星役」となり、2トップを組む相方が「横や奥側を担当する衛星役」となるため、前後左右に “セーフティー・バルブが存在する状態” でプレーできるからです。
就任して1勝2分のスパレッティ監督ですが、「カンビアーゾ選手とコンセイソン選手をスタメンで同時起用したスポルティング戦とトリノ戦では引き分けに終わった」が現実なのです。
スパレッティ監督がどの選手と自身の監督キャリアを一蓮托生する決断を下すのかに注目です。