ユベントスは公式サイト上でハンス・ニコルッシ選手が買取義務の付随する期限付き移籍でヴェネツィアに加入したと発表いたしました。プレスリリースがないことから、“クラブ経営への影響が少ない移籍金” が設定されていることが伺えます。
イタリア北西部アオスタ出身のニコルッシ選手は2000年6月生まれの24歳。8歳の時からユベントスに在籍し、2018/19 シーズンにトップチームでセリエAデビューを果たしています。
キャリアが足踏みとなったのは 2020/21 シーズンに(当時セリエAの)パルマに期限付き移籍をした際に前十字靭帯を断裂してしまったからです。
医療ミス絡みで復帰が予定よりも遅れたものの、2022/23 シーズンにズュートティロールとサレルニターナで結果を残し、2023/24 シーズンはユベントスのトップチームに籍を置くまでに復調しました。
ただ、2023/24 シーズンは公式戦10試合356分の出場で1アシスト。パフォーマンスが出場機会の増加に結び付かなかったことが移籍を後押しした要因の1つになったのでしょう。
ニコルッシ選手の新天地となったのはセリエA昇格組のヴェネツィア。
昨シーズンはフロジノーネを指揮したディ・フランチェスコ監督が率いており、ニコルッシ選手には『昨シーズンのバッレネチェア選手』のような中盤での舵取り役が期待されていることは明らかです。
しかし、戦力的にヴェネツィアは降格本命チームの1つ。“降格が有力視されるチーム” への完全移籍はどの選手も敬遠しますし、それが交渉妥結に至らなかった最大の理由と考えられます。
その結果、株式会社ユベントス・フットボールクラブが公開の必要性に迫られるだけの移籍金が設定されなかったのでしょう。堅苦しい文面のプレスリリースが発表されていないからです。
ヴェネツィアに新天地を求めたニコルッシ選手は「セリエAでシーズン全体を通して貢献できる体力・技術・精神力を備わっていること」を示すことが課題となります。
それを実証できれば、選手キャリアを大きく飛躍させることができるでしょう。ヴェネツィアへの移籍が良い意味での転機にして欲しいと思います。