アリアンツ・スタジアムで行われた 2019/20 コッパ・イタリア準決勝ミラン戦は 0-0 で終了したことで2戦合計 1-1 となり、アウェイゴールの差でユベントスが決勝に駒を進めました。
両チームの先発選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
AC Milan [4-4-2] |
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GK | 77: ブッフォン | 99: ドンナルンマ |
DF | 13: ダニーロ 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
12: コンティ 24: ケアー 13: ロマニョーリ 2: カラブリア |
MF | 30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
39: パケタ 79: ケシエ 4: ベナセル 10: チャルハノール |
FW | 10: ディバラ 7: ロナウド 11: ドウグラス・コスタ |
18: レビッチ 5: ボナベントゥーラ |
ユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。右 SB にはダニーロ選手を起用し、前線は右からディバラ、ロナウド、D・コスタの3選手が並ぶ布陣で試合に臨みます。
対するミランのピオーリ監督は 4-4-2 を選択。レビッチ選手が最前線にボナベントゥーラ選手がトップ下でサポートする予想された陣容で試合を迎えます。
試合はホームのユベントスが押し込む展開で幕が上がる。まずは2分にA・サンドロのクロスに良いタイミングで飛び込んだD・コスタが合わせるも、シュートは枠をかすめて右へと外れる。
12分にはディバラの左 CK の際にコンティの右肘にボールが当たっていたと VAR で判定され、ユベントスが PK を獲得。しかし、ロナウドが蹴った PK は左ポストに嫌われて勝ち越しとはならず。
一方で、ミランは PK の跳ね返りがクリアされたボールを追いかけたレビッチが足裏でダニーロを蹴ったことで一発退場。残り10人で最低でも1点が必要という状況に追い込まれてしまう。
中央を固めるミランに対し、ユベントスは31分にダニーロが上げたクロスにロナウドの背後にいたマテュイディが合わせるも、シュートはドンナルンマの正面。前半は両チームともに均衡を破れずに 0-0 で折り返すことになる。
後半で先に惜しいチャンスを作ったのはアウェイのミラン。48分にボヌッチと入れ替わったボナベントゥーラのクロスにチャルハノールがダイビングヘッドで合わせたが、シュートは枠の右。
この後はユベントスがボールを持って押し込む時間が続くも、中央を固めるミラン守備網を突破してシュートを放つまでには至らず。試合は最終盤へと差し掛かる。
1点が必要なミランは79分に左 CK からケアーがニアで合わせて力強いヘディングシュートを放つが、これは枠の左。一方のユベントスは直後の80分にディバラのシュートが枠を捉えたが、これはドンナルンマが CK に逃れて得点とはならず。
結局、両チームがゴールを奪えないまま試合は 0-0 で終了。2戦合計 1-1 となったが、アウェイゴールの差でユベントスが決勝に駒をすすめることになった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン ー
GK が仕事をする場面がほとんどない試合だった。
DF: ダニーロ 6.5
良いタイミングでオーバーラップに加わり、周囲との連携の良さも披露。先発に抜擢されるに相応しいパフォーマンスだった。攻守でこの内容を継続して欲しいところだ。
DF: デ・リフト 6.5
カウンターで単騎突破を狙うミラン攻撃陣を相手に上手く対処し、守備での安定感を示す。上々の出来と言えるだろう。
DF: ボヌッチ 6.0
DF ラインを上手く統率し、クリーンシートで終える。結果を持ち帰ったことが評価の対象。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
D・コスタやマテュイディとの連携で左サイドからの攻撃を活性化。守備では対面したパケタを沈黙させ、内容の良さを示した。
MF: ベンタンクール 7.0
中断期間を全く感じさせず、両チームの選手を通して最も状態が良いことを印象付けるパフォーマンスだった。「状態の維持」が課題となるだろう。
MF: ピアニッチ 6.0
上手くボールを散らすと共に守備ではミランを自陣から脱出させないように上手く蓋をした。中央を固めるミランに対し、縦パスを通すことができていれば最高だった。そこが唯一の要求と言える。
MF: マテュイディ 6.0
対面するケシエの推進力を消し、自らは攻撃参加でペナルティーエリア内から枠内シュートを放つなどサッリの要求を満たしつつアピール。レギュラーの一員に値する内容を示した。
FW: ディバラ 6.0
右サイドのタッチライン際やハーフスペースでボールを引き出し、逆サイドのD・コスタに展開するなどの形で攻撃に変化を加える。シュートも枠を的確に捉えており、状態はまずますと言えるだろう。
FW: ロナウド 5.5
PK 失敗に象徴されるようにコンディションは悪くはないが、まだ本調子とは言えない出来だった。微調整で済む内容なだけに多くの時間を必要とはしないだろう。
FW: ドウグラス・コスタ 6.5
バイエルン時代に担当することが多かった左 WG としてプレーし、持ち前の突破力からのクロスでチャンスを演出するなど持ち味を上手く発揮していた。この内容が継続すれば、移籍の噂はすぐに消え去るのは確実。
【交代選手など】
MF: ケディラ 5.5
ピアニッチに代わり62分から出場。ベンタンクールが担当していた右のインサイドハーフに入る。久しぶりの実戦でレオンのスピードに手を焼く。終盤には徐々に動きを取り戻していたものの、少し時間を要しそうだ。
MF: ラビオ 5.5
62分にマテュイディとの交代で出場し、役割を引き継ぐ。先発組と比較するとケディラと同様に整っておらず、こちらはケシエのパワーに劣勢となる。過密日程で出場機会は巡ってくるだけに活かせるかが鍵。
FW: ベルナルデスキ 5.5
D・コスタとの交代で62分から出場機会を得る。逃げ切るために守備時のスペースを消すことを最優先にしたにしても、突破力など攻撃面でのアピールができなかったことが残念だった。そこは次回のチャンスに期待したい。
DF: クアドラード ー
86分にダニーロとの交代で右 SB に入る。上手く試合に入り、クリーンシートで終えることに貢献した。
サッリ監督 6.5
前日に試合勘の欠如を懸念点として口にしていたが、杞憂に終わった。相手を自陣内に押し込んで攻め立てることができたのだから、第一段階は十分にできている。課題は相手の守備ブロックを崩すという第二段階だろう。左のD・コスタと右のディバラが機能するかは大きな注目点だ。
オルサート主審 6.0
ミランにとっては12分過ぎの VAR 介入がすべてだった。ただ、コンティの右手が動いていたから PK は妥当だし、レビッチの前蹴りをイエローで留めるのは無理がある。ファールを取る基準は一定であり、審判団としては上々の内容だった。