2016/17 UEFA チャンピオンズリーグ決勝の相手はレアル・マドリードに決定しました。2シーズン前の準決勝で対戦しており、当時の試合内容や変更点などを整理することにしましょう。
1:ストゥラーロが衝撃を与えた1戦目
ユベントスはポグバ選手、レアルはモドリッチ選手と中盤のキープレーヤーが欠場した試合は代役を務めた選手のパフォーマンスが結果に直結しました。
アンチェロッティ監督はセルヒオ・ラモス選手をボランチで起用。ところが、アッレグリ監督は「トレーニングで走れていた」ストゥラーロ選手をマッチアップさせると、これが的中。
レアルの中盤を分断したユベントスが 2-1 でファーストレグを制し、セカンドレグを迎えることになりました。
2:“潰し屋” の不在が響いた2戦目
1点のビハインドでセカンドレグを迎えたレアル・マドリードは BBC の3選手が先発。先制点をあげるなど理想的な展開で試合を進めました。
しかし、中盤に “潰し屋” がいないため、必ず得点できると判断したアッレグリ監督の読みが正しかったことを証明するかのようにモラタ選手が同点ゴールを奪取。
試合は 1-1 の引き分けに終わり、2戦合計 3-2 でユベントスが決勝に駒を進めることとなりました。
3:4-3-3 の基本戦術は変わらないが、“潰し屋” がポジションを得た
レアルの基本戦術は 4-3-3。2年前の対戦時から変更はありません。変更点は以下の3点でしょう。
- 監督がアンチェロッティからジダンに変更
- モドリッチが戦列に復帰
- ボランチを本職とするカゼミーロがレギュラーに定着
ジダン監督はアンチェロッティ監督の下で助監督を務めていたため、戦略面などで大幅な変更はないでしょう。モドリッチ選手も同様です。
しかし、中盤で守備に強さを発揮するカゼミーロ選手がレギュラーのポジションを掴んだことが最大の変更点と言えるでしょう。守備陣の崩壊を事前に防ぐことができる役割を担うことができる選手だからです。
4:ジダン監督の手腕は本物、ペレス会長の意向が強すぎることがネック
ペレス会長が BBC の3選手を先発起用を熱望しており、必然的に 4-3-3 が採用されています。以下のメンバーが基本となるでしょう。
戦術的な点は2年前の対戦時のものが継承されていると考えるべきでしょう。対戦経験が活かされることが期待されますが、世界最高の選手たちがいるチームとの一発勝負であり、準備・采配・オプションが鍵を握ることになると思われます。
ジダン監督の手腕は『柔軟性を持った王道スタイル』です。クラブには世界最高の選手を集める資金力とブランドがあり、選手の能力を発揮させれば、勝利を手にすることに限りなく近くからです。
特筆すべきは「ハーフタイムでの修正力」です。前半のパフォーマンスが悪かったチームが後半に入るとネジを絞め、内容を大きく向上させるという手腕を見せているのです。ビッグマッチでそれができるのですから、監督としての実力を過小評価すべきでないと言えるでしょう。
アッレグリ監督が前年度チャンピオンに対し、どのようなプランを持って決勝戦を迎えるのか。カーディフで行われるファイナルに注目です。