2024/25 セリエA第38節が行われ、アウェイでヴェネツィアと対戦したユベントスは 2-3 で逆転勝利し、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を獲得しました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

| Venezia FC [3-5-2] |
Juventus FC [3-4-2-1] |
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|---|---|---|
| GK | 28: ラドゥ | 29: ディ・グレゴリオ |
| DF | 25: シンティエンヌ 33: シュヴェルコ 2: カンデ |
2: A・コスタ 37: サヴォナ 6: ケリー |
| MF | 24: ゼルビン 97: ドゥンビア 14: ニコルッシ (C) 77: エラートソン 5: ハプス |
11: N・ゴンサレス 5: ロカテッリ (C) 19: テュラム 27: カンビアーゾ |
| 7: コンセイソン 10: ユルディズ |
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| FW | 10: イェボア 18: フィラ |
20: コロ・ムアニ |
ヴェネツィアのディ・フランチェスコ監督は 3-5-2 を選択。出場停止のイツェス選手の代役にシュヴェルコ選手を指名し、前線はイェボア選手とフィラ選手を指名して勝利が必須の最終戦を迎えます。
対するユベントスのトゥドール監督は 3-4-2-1 を選択。こちらはコンディション面を優先した選考を実施し、ヴェイガ選手に代わってサヴォナ選手が先発した以外は前節を同じスタメンで試合に臨みます。
先手を取ったのはホームのヴェネツィア。2分にハプスがエラートソンとのワンツーで左サイドを突破してダイレクトクロスを入れると、フィラが合わせて先制に成功する。
対するユベントスは5分にクロスのクリアボールを回収したA・コスタがミドルシュートをゴール右上に突き刺すも、VAR でトラップ時のハンドが確認されてゴールは認められず。
それでも25分にカンビアーゾがスローインをクイックで入れて速攻を持続させると、ユルディズがその勢いを活かした左足シュートで GK ラドゥを破って 1-1 の同点に追い付く。
追い付いたユベントスは31分にユルディズが相手のクリアボールを身体に当ててルーズボールを発生させると、ペナルティーエリア手前での混戦から抜け出したコロ・ムアニが右足で蹴り込んで 1-2 と逆転に成功する。
追いかける展開となったヴェネツィアは34分にニコルッシが左ショートコーナーから直接狙うも、シュートは左ポストを直撃。ユベントスは肝を冷やしたものの、前半を 1-2 と1点リードで折り返す。
残り45分をこのまま逃げ切りたいユベントスだったが、スコアを動かしたのはヴェネツィア。55分にニコルッシのロングフィードに反応して抜け出したドゥンビアの折り返しをハプスに決められて 2-2 の同点に追い付かれてしまう。
両チームとも勝利が必要でオープンな展開となった試合は71分にイェボアのスルーパスに抜け出したドゥンビアが枠内シュートを放つも、ユベントスは GK ディ・グレゴリオが左手でゴールを死守。
すると、ユベントスは73分にカウンターからコンセイソンがペナルティーエリア内でニコルッシに倒されて PK を獲得。これをロカテッリがゴール右上に決めて 2-3 と勝ち越しに成功する。
2点が必要となったヴェネツィアは反撃を試みるも、残り約20分で耐えるユベントス守備陣から再びゴールを奪えずに試合終了のホイッスル。
試合は 2-3 で終了し、勝利したユベントスが来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を獲得。敗れたヴェネツィアはセリエBへの降格が決定した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ディ・グレゴリオ 6.5
ヴェネツィアが逆転の望みを託したドゥンビアのシュートをストップ。このセーブが試合結果を左右したことは言うまでもない。素晴らしい働きだった。
DF: アルベルト・コスタ 6.0
攻撃参加においては特長が存分に示されていたが、本職である DF としての守備力はリスク要素となっていた。カードトラブルの可能性を考えると交代は止むを得ない。
DF: サヴォナ 5.0
コンディション面を理由に消去法で先発起用となったのだから、CB としての守備能力がお粗末なのは想定内。1年前の時点でハイセンに大きく水を開けられたことを忘れてはならない。
DF: ケリー 5.0
立ち上がりにフィラを離して先制点を許し、後半は周囲のスペースをドゥンビアに活用されてピンチを招き続けるなど低調なパフォーマンスだった。
WB: ニコラス・ゴンサレス 5.5
跳躍力などパフォーマンスに一瞬の輝きはあったが、全体としては低調で降格圏のチームを相手に実力差を見せることに苦戦。不完全燃焼なシーズンを象徴する内容だった。
DMF: ロカテッリ 6.5
責任を背負って PK に臨んだ覚悟は素晴らしい。その一方でチームのパフォーマンスを引き上げるプレーができなかった現実を受け止め、自身のプレースタイルや判断に反映させる必要がある。
DMF: テュラム 6.0
対面したドゥンビアが背後を突く形で効果的な攻撃を許してしまったのはマイナスではあるが、普段よりも守備へのバランスにも配慮して献身的に奔走していたことはプラスだった。
WB: カンビアーゾ 5.5
ユルディズの同点ゴールを演出するクイックでのスローインは称賛に価するが、その抜け目なさを守備でも発揮して欲しかったことも事実だ。
OMF: コンセイソン 6.5
勝利が必須で前に出ざるを得なかったヴェネツィアにカウンターを浴びせて PK を奪取。この働きのためだけにピッチに立ち続けて結果を残したことは評価されるべきだ。
OMF: ユルディズ 7.0
来シーズンの所属チームを選べる立場であるにも関わらず、誰よりもチームのために戦い続けていた。プレーで魅せ、結果を残したことは大きなプラス材料。来季もチームに残留してくれることを願うばかりだ。
FW: コロ・ムアニ 6.5
得意な形で持ち出せた幸運を活かして一時逆転となるゴールを決める。ハッピーエンドでカンピオナートを締めくくれたことは何よりだ。
【交代選手など】
DF: ヴェイガ 6.0
ハーフタイム明けの46分にA・コスタとの交代で出場。ヴェネツィアの攻撃の芽を摘み取り続ける作業を地道に遂行した。
WB: マッケニー 6.0
カンビアーゾに代わって76分から出場。逃げ切りを図るチームにおいて守備に奔走し、目的の達成に貢献した。
FW: ヴラホヴィッチ 5.5
76分にコロ・ムアニとの交代で出場。状況判断が的確だったとは言い難い。守備免除の資格を持ってようと、チームメイトを助けるための守備貢献が理解できないと頭打ちとなるだろう。
WB: ティモシー・ウェア ー
N・ゴンサレスとの交代で81分から出場する。
DF: ガッティ ー
コンセイソンに代わって86分から投入される。
トゥドール監督 7.0
ボロボロのチーム状態で引き継ぎ、1試合あたりの獲得勝点2を達成してチャンピオンズリーグ出場権を獲得した結果は評価されるべきだろう。ダメージコントロールでの卓越した手腕が備わっていると改めて示した。これらの業績が消えることはない。
コロンボ主審 6.5
A・コスタのゴール取り消しも、PK 判定も妥当だった。当事者である両チームから判定に対する文句は出ないだろう。チームとしての試合運びの拙さを転嫁する言い訳にしか聞こえないからだ。