チアゴ・モッタ監督を迎えた 2024/25 シーズン前半戦のユベントスはセリエAで7勝11分。順位は5位であり、不完全燃焼であることは否めません。
シーズン後半戦は各チームが「前半戦での対戦を教訓に対策を講じてくる」ことを考えると、ユベントスが『前半戦と同じアプローチ』で試合に臨むと高い代償を支払うことになるでしょう。

チアゴ・モッタ監督の前評判
チアゴ・モッタ監督がユベントスの指揮官に就任する前の評判は「訓練型と状況判断型のハイブリッド」で「モダンなサッカーを志向する青年指揮官」でした。
- 訓練型
- 例:コンテ監督
- 試合での再現を目的にトレーニングで訓練
- 「訓練の精度(=練度)を高めること」が目的
- 状況判断型
- 例:アッレグリ監督
- (予測不能を含めて)試合で遭遇する様々な局面での判断力と対処力を重視
ユベントスのクラブ首脳陣が前評判を理由にチアゴ・モッタ監督を指名したことは間違いではないでしょう。主な懸念点は「監督として UEFA 主催大会との二足の草鞋を履いたことがない」ぐらいだったからです。
訓練型の指導者として選手を成長させられていないのは誤算
経験不足に起因する問題は「経験を積むこと」が解決策の1つです。しかし、備わっているはずの『訓練型の監督としての指導力』に疑念が生じていることは懸念点です。
ポジショニング・(ボールを受ける際の)身体の向き・球出しのタイミングは『訓練』で改善効果が見られるもの。
グアルディオラ監督は新指揮官として就任した際に「身体の向き」などを事細かに要求しますし、チアゴ・モッタ監督も同様に要求・指導を行なっていることでしょう。
ところが、プレシーズンの時からポジショニングや身体の向きに課題を抱えていた選手は「課題を抱えたまま」で「成長しているが引き続き取り組む必要がある」という状態にまで改善した選手は見当たりません。
これは誤算と言わざるを得ないでしょう。
ファイナルサードで「グラウンダーでの折り返し」に固執
また、一部で改善したと評されている攻撃面に関しては「ファイナルサードでの選択肢が限られてまま」であることが懸念点です。
- ユベントスの WG がサイドで縦に突破した場合は『グラウンダーでマイナス方向への折り返し』を選択するので、
- 守備側はダブルチームで『縦への突破』に誘導
- 1人は WG を追走した上で「クロスを上げる行為」を妨害
- もう1人は「マイナス方向への折り返しが来る場所」を先取りするために帰陣
この守り方でコンセイソン選手の脅威がほぼ排除されてしまっているのですから、何らかの対策を講じた上でシーズン後半戦に臨むべきでしょう。
相手がダブルチームで WG に対応しているのであれば、ピッチ上のどこかでは自分達が数的優位なのです。
そこに素早くボールを展開して局面を変えた状態で WG にボールを戻してテュエルを仕掛けるなど柔軟な判断がチームとして下せるかが問われることになると思われます。
「層の薄いチーム編成」や「負傷者続出」はチアゴ・モッタ監督だけの責任ではありません。
ただ、「選手の適性を軽視したアサインメント」や「訓練の成果がプレーに見受けられないこと」の責任からは逃れられないでしょう。現実主義者の一面を併せ持っていることを示せるのかに注目です。