2024/25 セリエA第9節が行われ、アウェイでインテルと対戦したユベントスはユルディズ選手のドッピエッタで2点ビハインドを追い付き、4-4 で引き分けました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
FC Internazionale [3-5-2] |
Juventus FC [4-1-4-1] |
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GK | 1: ゾマー | 29: ディ・グレゴリオ |
DF | 28: パヴァール 6: デ・フライ 95: バストーニ |
27: カンビアーゾ 15: カルル 6: ダニーロ (C) 32: カバル |
MF | 2: ダンフリース 23: バレッラ 7: ジエリンスキ 22: ムヒタリアン 32: ディマルコ |
5: ロカテッリ |
7: コンセイソン 16: マッケニー 21: ファジョーリ 22: T・ウェア |
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FW | 9: テュラム 10: ラウタロ (C) |
9: ヴラホヴィッチ |
インテルのインザーギ監督は 3-5-2 を選択。チャルハノール選手が不在のレジスタにはジエリンスキ選手を配置し、前線はM・テュラム選手とラウタロ・マルティネス選手の2トップで試合を迎えます。
対するユベントスのチアゴ・モッタ監督は 4-1-4-1 を選択。T・ウェア選手を左サイドに回し、CF のヴラホヴィッチ選手をサポートする布陣で試合に臨みます。
試合が動いたのは14分。抜け出したパヴァールからの折り返しに合わせたようとしたM・テュラムがダニーロに蹴られる形となってインテルが PK を獲得。この PK をジエリンスキがど真ん中に蹴り込んでインテルが先手を取る。
対するユベントスは20分にカンビアーゾの横パスを受けたカバルの浮き球クロスにマッケニーが反応。マッケニーの右足での落としからヴラホヴィッチが左足で合わせて 1-1 の同点に追い付く。
追い付いたユベントスは26分にコンセイソンが右サイドを縦に突破して右足のクロスで折り返すと、中央に詰めていたT・ウェアが少し背後に来たボールを残した右足で合わせて 1-2 と逆転に成功する。
一方のインテルは34分にムヒタリアンがM・テュラムとのワンツーで中央突破に成功し、左足でのシュートをゴール左下に蹴り込んで 2-2 とスコアを同点に戻す。
勢いに乗ったインテルは直後の36分にT・ウェアのボールロストからカウンターを発動。M・テュラムのクロスが戻ってきたT・ウェアに触れて軌道が変わって焦ったのかカルルがダンフリースを蹴って再び PK を献上してしまう。これをジエリンスキがゴール左下に決めて3-2。
ユベントスは前半終了間際にT・ウェアがカットインからシュートを放つも枠のわずかに右。前半は 3-2 とインテルが1点リードで終了する。
後半で先に主導権を握ったのはインテル。49分に抜け出したディマルコが強烈な枠内シュートを放つも、GK ディ・グレゴリオが横っ飛びセーブでの応戦を強いられるなどユベントスは苦しい入りとなる。
対照的にインテルは53分に左 CK から生じた混戦でダンフリースが押し込むことに成功。4-2 とリードを2点差に拡大し、勝利を大きく手繰り寄せる。
しかし、ピンチが続いていたユベントスが71分に反撃。マッケニーからの展開のパスを受けたユルディズが左サイドで単騎の速攻を完結。縦への持ち出しからゴール右下に左足でのミドルを決め、4-3 と1点差に詰め寄る。
ユベントスは82分に中央突破で持ち上がったカバルが右に展開すると、コンセイソンのクロスがファーに流れた所を回収したユルディズが左足でのシュートを決めて 4-4 の同点に追い付く。
首位ナポリを追走する上で勝利が欲しい両チームだったが、残り約10分で勝ち越し点を奪うことはできず。試合は 4-4 で終了し、両チームが勝点1を分け合う結果となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ディ・グレゴリオ 6.5
好守でさらなる失点を阻んでいたことは事実だが、結果として PK を含む4失点は守備陣の一角として手放しで称賛することができないのが本音だ。
DF: カンビアーゾ 6.5
守備ブロックの鼻先を通すサイドチェンジのパスなどセンスのあるパスで相手を巧みに揺さぶっていた。守備では寄せの甘さなど失点の確率を下げるためにできることはまだある。
DF: カルル 5.0
トゥレに決勝弾を許したシュトゥットガルト戦と同じ対応を今節ではムヒタリアンにしてしまった。PK 献上は迂闊だったとの批判は避けられないが、今季の活躍が1試合で消えることはない。切り替えが肝心だ。
DF: ダニーロ 5.0
死角からテュラムに飛び込んで来たとは言え、2試合連続 PK 献上は印象が悪すぎる。A・サンドロを襲った急激な劣化に抗う必要がある。
DF: カバル 6.5
ダンフリースの進出を巧みに阻みつつ、5-3-2 のブロックでマークが外れたところから良質のクロスを供給。また、終盤にはドリブルでの中央突破で同点弾の起点となるなど存在感を放っていた。
DMF: ロカテッリ 6.0
持てる力はしっかり発揮していた。選択したプレーを(選手判断で)変更することで逆を突けていれば理想だったのだが、これは高望みなのかも知れない。
OMF: コンセイソン 7.0
加速力を活かした仕掛けでインテルの左サイドを困難に陥れていた。少々アフター気味でもタックルに行ってしまう守備の改善が今後の課題だろう。オフサイドでのフライングとは罰の重さが違うのだから。
OMF: マッケニー 6.5
昨季と同様にアシストを記録しつつ、後追い守備もサボることなく実施する献身性が光っていた。消耗が大きいだけに疲労を上手く分散させることがチームの責務と言えるだろう。
OMF: ファジョーリ 5.5
マッケニーとは逆サイドでマッケニーと同じ役割を背負っていたが、周囲の選手が持つ特性の違いで不完全燃焼に終わってしまった。
OMF: ティモシー・ウェア 6.5
ボールロストから逆転の PK を献上することになったが、責任を負ってエリア内まで全力で戻り、気落ちすることなく良いカットインを見せた姿勢も素晴らしい。左サイドでの起用の目処が立った収穫は大きい。
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
マッケニーの落としを押し込んで同点ゴールを決めた後はチームに何で貢献したのかを思い出すことが困難なほど試合から存在感が消えていた。
【交代選手など】
DF: サヴォナ 6.0
61分にT・ウェアとの交代で出場。右 SB に入り、相手の強みである左サイドからの仕掛けを辛くも凌ぎ切った結果は自信になるだろう。
OMF: ユルディズ 8.0
ファジョーリとの交代で61分から出場。T・ウェアの役割を引き継ぎ、2点ビハインドの状況から個人技をフルに活かした大車輪の活躍でチームが勝点1を持ち帰ることに成功した。
DF: ガッティ ー
ダニーロに代わって76分から出場する。
FW: バングーラ ー
ヴラホヴィッチとの交代で76分から CF としての出場機会を得る。縦への突破スピードが持ち味であることを考えると、奥行きが使えて攻撃に深さを与える役割でチームに貢献できるかも知れない。
OMF: ケフラン・テュラム ー
83分にマッケニーとの交代で出場する。
チアゴ・モッタ監督 6.5
インテルが用いたシステム上の弱点を的確に突いて逆転したことは準備力の賜物だろう。その一方で前半の内に逆転を許し、後半の立ち上がりも防戦一方となった守備力と修正力は改善の必要がある。ユルディズに救われる結果となった。
グイダ主審 6.0
前半だけでホームチームに PK を2つ与えたことに注目が集まるだろうが、どちらもノーファールにはなり得ない迂闊さがあった。プレーする意図があった両チームを阻害するような判定がなかったことは評価に値する。