2023/24 セリエA第24節が行われ、ホームにウディネーゼを迎えたユベントスはジャネッティ選手に許した1点を挽回できずに 0-1 で敗れてリーグ戦2連敗となりました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-2] |
Udinese Calcio [3-5-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 40: オコイェ |
DF | 4: ガッティ 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
18: ペレス 30: ジャネッティ 31: クリステンセン |
MF | 22: T・ウェア 16: マッケニー 5: ロカテッリ 25: ラビオ (C) 27: カンビアーゾ |
19: エヒジブエ 24: サマルジッチ 11: ワラシ (C) 4: ロヴリッチ 33: ゼムラ |
FW | 14: ミリク 7: キエーザ |
17: ルッカ 26: トヴァン |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。スタメンのキエーザ選手を活かすために左 WB には中寄りのコースを取れるカンビアーゾ選手が先発し、右 WB にはT・ウェア選手が入る布陣で試合に臨みます。
対するウディネーゼのシオフィ監督も 3-5-2 を選択。こちらも両 WB が予想と異なるエヒジブエ選手とゼムラ選手が先発した他は事前に想定された9選手がスタメンに名を連ねる陣容で試合を迎えます。
最初にスタジアムを沸かせたのはユベントス。7分に左サイドに回ったT・ウェアからのパスを受けたキエーザがカットインからシュートを放つも、これは GK オコイェが難なくキャッチする。
ユベントスは22分にキエーザが入れたクロスに対してニアに侵入したミリクがヘディングで合わせようとするも、このチャンスは GK オコイェのパンチングに阻まれてゴールとはならず。
すると25分にウディネーゼは右サイドで得た FK をサマルジッチがニアに入れた所をクリステンセンがフリック。直接ゴールに向かうボールをA・サンドロが左足に当てたが、これがジャネッティへの絶妙な “落とし” となってウディネーゼが先制に成功する。
後手になったユベントスはガッティやカンビアーゾの攻撃参加に加え、ラビオのミドルシュートやミリクのダイビングヘッドでゴールに迫るが GK オコイェの牙城は崩れず。前半は 0-1 とウディネーゼがリードを持って折り返す。
後半も猛攻を仕掛けるユベントスだが、56分にラビオの折り返しに合わせたミリクのシュートはウディネーゼの CB 陣が必死のスライディングクリア。
60分には右 CK からミリクがネットを揺らすも、キエーザが蹴った CK のボールがゴールラインを割っていたため得点は認められず。
ほとんど攻勢に転じられないウディネーゼを尻目にユベントスは82分に右サイドに回ったカンビアーゾのクロスに合わせてユルディズが飛び込むも、右足でのボレーはわずかに爪先で GK オコイェを破るまでには至らず。
84分からはBチームから招集したレオナルド・チェッリを投入したが、“Bチームでポジションを確保できていない CF” がヒーローになれるほどセリエAは甘くないという現実だけを突き付けられて試合終了のホイッスル。
試合は 0-1 で終了し、ユベントスはリーグ戦2連敗となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
至近距離からシュートを打たれては GK に為す術はない。
DF: ガッティ 5.5
守備対応を強いられる頻度が少なかったため、課題が露呈する場面はほどんとなかった。セットプレーで強さを発揮できなかったことが悔やまれる。
DF: ブレメル 6.0
相手 CF に起点を作らせず、安定した守備を継続。チームが下を向きつつある時に周囲の味方を鼓舞することができれば真のリーダーになれるだろう。さらなる成長に期待だ。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
前日会見での持ち上げられ方との落差があまりに酷かった。“ボールを持たされる展開” を予想しての起用で貢献できずにマイナス面が際立ったことが致命的。
WB: ティモシー・ウェア 5.0
打開を試みる様々なアプローチを採っていたが、どれも上手く行かなかった。自らの強みを活かすにはどのようなプレー選択が重要になるかなどを考える必要があるだろう。
MF: マッケニー 5.5
闘争心はプレーに現れていたものの、周囲の不調に影響されて技術的なミスが顔を出す機会も多い試合となっていた。
MF: ロカテッリ 5.0
プレーのテンポがサイドブレーキの上がったままのような状態だった。それで有効な組み立てや崩しを演出できれば苦労はない。
MF: ラビオ 5.5
理想的なドリブルコースを選択して強烈な枠内シュートを放つなど、個人として最善のプレーをすることはできていた。ただ、チームスポーツであり、主将を務めたことを考えると物足りない結果だったと言わざるを得ない。
WB: カンビアーゾ 6.0
1点ビハインドとなった前半に左サイドを活性化することでチームに活力を与えていた。後半はややペースダウンとなったが、右サイドから惜しいクロスを供給するなど長所である攻撃面で良いアピールをしていた。
FW: ミリク 5.5
不憫。CF としてゴールを狙う姿勢を貪欲に示して枠内シュートもしっかりと放っていたが、相手 GK オコイェの好守と審判団の判定によって努力が結果として現れることはなかった。
FW: キエーザ 5.0
独り善がりなプレーが多く、相手に “ダブルチーム” を用いた基本的な守備をされると試合から消えていた。
【交代選手など】
FW: ユルディズ 6.0
T・ウェアとの交代で61分から出場。プレーで最後まで戦う姿勢を示していたが、周囲のサポートが限定的だったこともありゴールを決めるまでには至らなかった。
MF: ニコルッシ 6.0
77分にロカテッリとの交代で出場機会を得る。ミスを恐れず果敢にプレーを試みており、試合状況を把握したプレーを的確に選択できていることが成長の証だ。
WB: イリング ー
キエーザに代わって77分から出場する。プレー選択やクオリティーはキエーザと同等だったが、試合の残り時間を踏まえると選択肢が限定されていることは止むを得ないだろう。
FW: チェッリ ー
83分にカンビアーゾとの交代でユベントスでのトップチーム・デビューを果たす。
アッレグリ監督 5.0
先発起用の人選も問われるが、1点のビハインドとなってから慌てて攻勢に転じた「試合運びの未熟さ」がまずは批判されるべきだろう。エンポリ戦での教訓が全くと言っていいほど活かせてないからだ。スクデット獲得の夢から目覚め、謙虚な姿勢で再スタートを切る必要がある。
アビッソ主審 5.5
ミリクのシュートがスライディングで阻止しようとしたN・ペレスの(支え手だった)左手に当たって阻止された場面では PK とすべきだっただろう。その跳ね返りがジャネッティの左手にも当たる “2度のハンド” による恩恵があったからだ。60分の得点取り消しは審判団の質の高さが光っていた。