2022/23 コッパ・イタリア準決勝のファーストレグが行われ、ホームにインテルを迎えたユベントスはクアドラード選手のゴールで先制するも後半アディショナルタイムに PK で追い付かれて 1-1 で引き分けました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-1-1] |
FC Internazionale [3-5-2] |
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GK | 36: ペリン | 1: ハンダノヴィッチ (C) |
DF | 15: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
33: ダンブロージオ 15: アチェルビ 95: バストーニ |
MF | 11: クアドラード 44: ファジョーリ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
36: ダルミアン 23: バレッラ 77: ブロゾヴィッチ 22: ムヒタリアン 32: ディマルコ |
FW | 22: ディ・マリア 9: ヴラホヴィッチ |
9: ジェコ 10: ラウタロ |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-1-1 を選択。GK のペリン選手を除くフィールドプレーヤーは現時点でのベストメンバーを予想どおりの配置で起用し、大一番に臨みます。
対するインテルのインザーギ監督は 3-5-2 を選択。こちらは先発予想が多かったアスラニ選手ではなくブロゾヴィッチ選手を起用。ボールを保持してジェコ選手とラウタロ選手の2トップに託す形で試合を迎えます。
最初に惜しい場面を作ったのはユベントス。4分にロカテッリのボール奪取から縦パスを入れるとヴラホヴィッチが落としてディ・マリアがドリブルで持ち上がって右足でシュート。しかし、GK に触れられて枠のわずかに左へと外れる。
その後は両チームともに相手の 5-3-2 のブロックを崩す有効打を見出すまでには至らず。
インテルは33分に右サイドからのクロスをジェコが落とし、ムヒタリアンからのラストパスを受けたブロゾヴィッチがダイレクトシュート。だが、GK ペリンが左足でストップし、先制機を逸してしまう。
ユベントスも37分にファジョーリのクロスにヴラホヴィッチが頭で合わせたが GK ハンダノヴィッチの正面。インテルも45分に抜け出したディマルコが狙うもブレメルのブロックに阻まれてノーゴール。
前半は 0-0 で終了する。
後半も膠着した時間帯が続く。ユベントスは59分にコスティッチが思い切ったミドルシュートを放つもクロスバーの上。対するインテルは64分にムヒタリアンの左足シュートは枠のわずかに右へと外れる。
試合が動いたのは引き分けの雰囲気が帯び始めた83分。ユベントスはラビオが入れたクロスが逆サイドにまで流れるもクアドラードが回収。1人余った状態だったクアドラードが豪快なミドルシュートを突き刺し、ユベントスが先制に成功する。
このまま逃げ切りたいユベントスだったが93分にダンフリースがヘディングで折り返したボールのクリアを焦ったブレメルが右手で触れてしまい PK を献上してしまう。インテルはルカクがゴール左に蹴り込んで土壇場で 1-1 の同点に追い付く。
結局、試合は 1-1 で終了も試合終了後にルカクのゴールパフォーマンスに関してクアドラードとハンダノヴィッチが衝突。両者ともにレッドカードで一発退場となり、遺恨を残してファーストレグは終了した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ペリン 6.5
ブロゾヴィッチのコントロールショットに的確な反応で応戦。正 GK に匹敵する素晴らしいパフォーマンスを示していた。
DF: ガッティ 6.5
インテルの多様な FW 陣とのバトルに苦しむことなく自身の持ち味である対人守備力をアピール。この試合でも堅牢な守備は健在だった。
DF: ブレメル 5.5
最後の最後で何もないところからインテルに PK をプレゼント。この試合でインテルの攻撃陣を封じて来た仕事の成果を台無しにしてしまった。プレーで取り返すしかない。
DF: ダニーロ 6.0
ビルドアップ時の監視が緩かったこともあり持ち上がりでチームを前進させる。最後は足が攣るほどまで出し切っていたが、勝利をいう結果を持ち帰ることはできなかった。
WB: クアドラード 7.0
厄介なディマルコとのマッチアップだったが、攻撃面で期待されたアクセントを示して先制点を奪取とチームに大きく貢献。ただ、試合終了後に退場となったことでセカンドレグに起用不可となったことがマイナス。
MF: ファジョーリ 6.0
インテルの揺さぶりに対してスタミナを消耗させられたが、ムヒタリアンに許した64分のシュートシーン以外は精力的な働きでチームのために攻守両面で奔走し続けていた。
MF: ロカテッリ 6.5
ハイプレスを回避する動きやバイタルエリアでの危機管理など DF ライン前を主戦場にチームを引き締める。
MF: ラビオ 6.0
動き回るバレッラの監視に忙しく、それ以上の役割を担うことまではできなかった。それでもドリブル突破やクロスの供給など要所で存在感は見せ付けていたことは事実だ。
WB: コスティッチ 5.5
逆サイドのクアドラードや同サイドのラビオと比較すると存在感は明らかに薄かった。コンディション不良から復帰直後だったとは言え、もう少し存在感を高めてもらう必要はある。
FW: ディ・マリア 5.5
攻撃時に自由なポジショニングが許され、守備時のタスクが最も軽かったことを考えるとパフォーマンスの物足りなさは否めない。
FW: ヴラホヴィッチ 5.5
空回りが解消される見込みはなさそうだ。ディ・マリアとのコンビネーションは限定的で得点を感じさせるのはサイドからのクロスに飛び込んだ瞬間のみと縦の連携の改善が鍵になるだろう。
【交代選手など】
MF: ミレッティ 6.0
65分にファジョーリとの交代で出場。役割をそのまま引き継ぎ、中盤で攻守両面において献身的な働きを示していた。
FW: キエーザ 6.0
65分にディ・マリアとの交代で出場機会を得る。守備時はブロゾヴィッチの監視、攻撃時は左サイドの WG として仕掛ける機会を伺う。ただし、戦況を変えるほどの強烈さはなかった。
FW: ミリク ー
ヴラホヴィッチに代わって74分から出場。ポストプレーヤーとしての役割を色濃くしたプレーに終始し、チームメイトをゴール前に呼び込む任務を遂行していた。
アッレグリ監督 6.0
膠着した試合の終盤で先制に成功したが、試合最終盤に PK を献上して逃げ切りに失敗してしまった。結果を最優先にする指揮官であるだけに手痛いダメージを受けることになるだろう。過密日程が始まってしまっているだけに切り替えられるかが肝心だ。
マッサ主審 6.0
PK の判定は妥当だったし、ラフプレーにはイエローカードを提示して毅然と対応していた。試合終了後の退場劇に関する責任は審判団にはない。