セビージャ戦を終えた直後のリーグ戦となるセリエA第14節ジェノア対ユベントスの一戦はシメオネ選手の2ゴールなどでジェノアが 3-1 で勝利しました。
両チームの先発およびフォーメーションは以下のとおりです。
Genoa CFC [3-4-3] |
Juventus [3-5-2] |
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GK | 1: ペリン | 1: ブッフォン |
DF | 5: イッツォ 8: ブルディッソ 24: ムニョス |
23: ダニ・アウベス 19: ボヌッチ 4: ベナティア |
MF | 22: ラゾヴィッチ 88: リンコン 4: コフィー 93: ラクサール |
26: リヒトシュタイナー 6: ケディラ 11: エルナネス 5: ピアニッチ 12: アレックス・サンドロ |
FW | 30: リゴーニ 9: シメオネ 11: オカンポス |
17: マンジュキッチ 7: クアドラード |
ジェノアは主力選手が欠場したポジションにシメオネ選手、コフィー選手、ムニョス選手を起用し、3-4-3 を継続。これまでの戦い方を継続し、ユベントスを迎えます。
対するユベントスは 3-5-2 に戻すことを決断。ダニ・アウベス選手が右CBに入り、両WBはリヒトシュタイナー選手とアレックス・サンドロ選手が起用され、柔軟に4バックにスイッチできる可変システムで試合に臨みます。
しかし、この可変型のシステムが完全に裏目に出ます。3バックの認識でプレーするリヒトシュタイナー、ボヌッチ、アレックス・サンドロと4バックの認識でプレーするダニ・アウベス、ベナティアの間でズレが生じ、守備があっけなく崩壊。
まずは3分、ボヌッチの軽率なクリアをリゴーニが拾い、シュート。ブッフォンやアレックス・サンドロがクリアするも、最終的にシメオネが押し込み、ジェノアが先制する。
ジェノアは前に出るボヌッチの裏にできるスペースを攻め続けると、13分にはラゾヴィッチからのクロスをシメオネがニアで合わせ、リードを2点に広げる。さらに29分にはCKで落とされたボールをリゴーニがダイレクトボレーで3点目を奪い、試合の行方はほぼ決する。
一矢報いたいユベントスはリヒトシュタイナーとダニ・アウベスの立ち位置を入れ替え、崩壊した守備陣に応急手当をするも、ボヌッチが左足ハムストリングの負傷で途中交代。41分にはエルナネスからのパスをエリア内で受けたマンジュキッチが後ろから倒されるも笛は鳴らず。良いところなく、前半を終える。
後半に入ると、アッレグリは 4-3-1-2 に変更。ややリズムを取り戻し、52分にはCKからルガーニが落としたボールをケディラがボレーで狙うも、枠を捉えることはできない。
逆にジェノアは57分にスルーパスに反応したシメオネに決定機が訪れるも、ここはブッフォンがストップ。
ところが、すでに交代枠を使い切っていたユベントスは76分にオカンポスに蹴られたダニ・アウベスが負傷離脱。残り時間を10人で戦うことを強いられる。それでも、82分にゴール正面左で得たFKをピアニッチが蹴り込み、1点を返す。
ユベントスはここから捨て身の反撃を開始。しかし、85分のマンジュキッチ、86分のストゥラーロ、94分のマンジュキッチといずれの決定機もシュートは枠をとらえず。試合は 3-1 でジェノア勝利に終わった。
ユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 5.5
決定機で見事なセーブを見せるなど個人としての内容は素晴らしい。だが、キャプテンとして守備を統率するリーダーとして落ち着きを与えられなかった点は大きなマイナスだ。
DF: ダニ・アウベス 5.0
最終ラインでプレーし、持ち味を出すことが全くできなかった。ポジションを上げた後半は持ち味を出したものの、負傷退場となり良いところはなかった。
DF: ボヌッチ 4.5
自らの軽率なクリアで先制点の原因を作る。ポストプレーを潰しに行くも、釣り出される結果となり、スペースを開けただけだった。
DF: ベナティア 4.5
ピッチに苦労し、シメオネのマークが甘く、セットプレーでの守備で競り負けるという散々な出来だった。バイエルンからの買取オプション行使は考え直すべきでだろう。
WB: リヒトシュタイナー 5.5
右サイドで幅を取る役割を果たすも、戦術自体が後手に回っていたため、劣勢の中でのプレーを強いられた。
MF: ケディラ 4.5
中盤での存在感はなく、途中交代は必然的な内容だった。守備時の戻りも甘く、右サイドで相手をチェーシングする姿を見たファンはいなかっただろう。
MF: エルナネス 5.0
リンコンとコフィーがスペースを消した中央へのパスコースがなく、外へのパスを狙われるという対策に手を焼いた。MF間でのパス交換があれば、違った展開を演出できたかもしれない。だが、その余裕すらない状況だった。
MF: ピアニッチ 5.5
攻撃のタクトを必死で振るったが、3点リードを持ったジェノアを脅かすまでには至らず。それでもFKを見事な位置に決め、意地を見せた。
WB: アレックス・サンドロ 5.5
ジェノアの右サイドを押し込めず、WBとしての効果は少なかったことは事実だ。しかし、ゴール前まで戻って必死のクリアを行い、単独で突破するなど最後まで戦い続けた数少ない選手である。
FW: マンジュキッチ 5.0
前半はボールが届くこと自体が皆無に近く、PKと判定されなかったことは不運としか言いようがない。だが、試合終盤に訪れたチャンスのどちらかは枠内に飛ばすべきであった。
FW: クアドラード 5.0
右ウィングとしては輝けるが、左では不完全燃焼となることを示してしまった。右サイドのスペシャリストとして起用するということを徹底しなければならないだろう。
【交代選手など】
DF: ルガーニ 5.5
33分にボヌッチの交代し、出場機会を得る。投入直後はナーバスなプレーもあったが、落ち着きを持ってプレーした後半は安定した内容だった。セットプレー時のヘディングで飛ばす角度が守備での改善項目と言えるだろう。
FW: イグアイン 5.5
リヒトシュタイナーと交代で53分からピッチに投入される。ボールを受けるなどの役割は果たしたが、相手の守備陣を崩すことが本職ではなく、3点のリードを持つジェノアの脅威になることはなかった。
MF: ストゥラーロ 5.5
ケディラと交代で72分から入り、ピッチの広い部分をカバーするために奔走した。ダニ・アウベス負傷後は左MFと左WBを兼務。86分のシュートを枠内に飛ばす落ち着きがあれば、チーム最高点となるパフォーマンスだった。
アッレグリ監督 4.0
用意した戦術は最悪で、試合に向き合う姿勢も最悪。先制点を奪われた後に同じパターンで何度もピンチを招くも修正が行われず、試合の情勢が決した後に手を打ち始めたが、そこから負傷者が出るなど采配で評価できる内容は皆無に等しいものだった。
マッツォレーニ主審 5.5
フィジカル的な接触は容認するというジェノアホームでは見たことのある基準で試合を裁いていた。ただ、41分のマンジュキッチに対するオカンポスのチャージはPKと判定すべきだった。だが、3点差のある試合状況だったので、そこまで誤審と騒がれるジャッジにもならないはずだ。