セリエA第2節注目となったローマ対ユベントスの一戦はユベントス側に退場者が出たこともあり、ホームのローマが 2-1 で勝利しました。
イタリアが1リーグ制になってからユベントスが開幕2連敗を喫するのは史上初のことです。なお、このチームに先発した両チームのメンバーは以下のとおりです。
A.S. ROMA [4-3-3] |
Juventus [3-5-2] |
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GK | 25: シュチェスニー | 1: ブッフォン |
DF | 24: フロレンツィ 44: マノラス 16: デ・ロッシ 3: ディニュ |
4: カセレス 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
MF | 15: ピャニッチ 20: ケイタ 4: ナインゴラン |
26: リヒトシュタイナー 37: ペレイラ 20: パドイン 10: ポグバ 33: エヴラ |
FW | 11: サラー 9: ジェコ 14: イアゴ・ファルケ |
21: ディバラ 17: マンジュキッチ |
『ローマがボールを保持して攻め込み、ユベントスが守備を固めてカウンターを狙う』という両監督が予想した前提に基づき、先発メンバーが選ばれています。デ・ロッシ選手(ローマ)を CB 起用したことがその典型だと言えるでしょう。
前半はローマに押し込まれるも、ブッフォン選手が最後の砦として立ちふさがりゴールレスで折り返します。後半は互いに長所を消し合う展開が続くも、上手く攻撃が組み立てられないことからイライラが蓄積しファール数が増え始めます。
ゴール前で与えてしまったファールをピャニッチ選手に FK を直接叩き込まれ、エヴラ選手が退場となった2度目ファールからの FK を起点にジェコ選手の追加点が生まれました。
評価できる点としては10人になってから目を覚まし、ローマを押し込める力があることを証明したことでしょう。チームとしてはこの戦い方を基準に攻撃陣を整備し直す必要があると言えます。
この試合に出場したユベントスの選手/監督への採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
決定的なセーブを何度も披露し、試合を引き締めていた。ピニャニッチの FK は防ぎ様はなかったが、2失点目は DF への指示次第で防げた可能性はあった。
WB: リヒトシュタイナー 5.5
守備で与えられたタスクを忠実に実行し、闘志を全面に戦っていた。ビルドアップ時でのパスコース作りと前線とのコンビネーションが改善点だろう。
CB: カセレス 5.5
攻め込まれていた右サイドでカットインを許さず、ジェコに狙い撃ちをされるような弱点とはならなかった。
CB: ボヌッチ 6.0
終始上げられたクロスを弾き返すことに成功。エリア内で存在感を示していた。
CB: キエッリーニ 5.5
エリア内でピンチの芽を摘み取っていたが、2失点目では上手くジェコにやられたと言えるだろう。
WB: エヴラ 5.0
カード2枚で退場となったが、実質的にポグバの身代わりとなったようなものだ。攻撃参加時を見極めるセンスは非凡なものがあるだけにビルドアップ時でも同様の貢献を求めたい。
MF: ストゥラーロ 5.5
とにかく守備に忙殺された試合だった。よくボールを追いかけていたが、ビルドアップ面など攻撃面では存在感を発揮できなかった。
MF: パドイン 4.5
ボールを散らすことはできていた。しかし、DF 陣の前で盾となるはずが、持ち場を離れてタックルに行くもボール奪取とならなかったことが苦戦の発端となった。
MF: ポグバ 5.0
彼が実力者であることは疑いのない事実だ。だが、エブラが退場するまで頭に血が上った状態であり、チームとして空回りをしている象徴になっていた。
FW: マンジュキッチ 5.0
空中戦で孤軍奮闘するも、それが結果として現れることはなかった。地上戦でも脅威であることを示すことができなければ、ジエゴに再来になるのは時間の問題だろう。
FW: ディバラ 6.5
ルチアーノ・モッジが「ユベントスの得点王候補」と評したことは正しかったようだ。テベスの後継者としての地位を確立しつつあるだけでなく、FW 陣の『軸』も彼に移りそうだ。
【交代選手】
FW: モラタ 5.5
62分にマンジュキッチと交代で出場。昨年から所属していたこともあり、連携面ではマンジュキッチより一日の長があることを示した。枠内にシュートを飛ばし切れていれば、十分に合格点に値する内容だった。
FW: ペレイラ 6.5
72分にリヒトシュタイナーに変わって出場機会を獲得。4バックにスイッチしたことでトップ下でのプレー機会が生まれ、ディバラのゴールをお膳立てするなど先発メンバーでなかったことが悔やまれるほどの内容を見せつけた。
MF: クアドラード 6.0
75分にパドインと交代出場。エヴラ退場によるスクランブル出場で、右SBおよび右MFの両タスクをこなしていた。ポグバとの距離感も近く、攻撃面で良い連携が期待できるだろう。
アッレグリ監督 5.0
攻撃面が個人任せになっていたことは要改善だ。ポグバは規格外のスケールを持つ選手だが、絶好調時のイニエスタのような(数人に囲まれても毎回ドリブルで突破してくれると)期待するのは間違っている。しかし、選手交代の采配が的確だった点は大いに評価できる。
リッツォーリ主審 6.5
判定基準がブレることなく、毅然と試合を裁いた。特にデ・ロッシのハンド(64分)は VTR からエリア外であることが明らかで、内容と判断するまでの所用時間など文句のつけようがなかった。異議を唱えた第3GKのルビーニョを退場させたのは余興と言える。
なお、現地イタリアで試合を中継した Sky Sports Italia による試合スタッツは以下のとおりです。