2025/26 セリエA第12節が行われ、アウェイでフィオレンティーナと対戦したユベントスはコスティッチ選手のゴールで先制するも後半開始早々にマンドラゴラ選手に同点ゴールを許して 1-1 で引き分けました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

| ACF Fiorentina [3-5-2] |
Juventus FC [3-4-2-1] |
|
|---|---|---|
| GK | 43: デ・ヘア | 16: ディ・グレゴリオ |
| DF | 5: ポングラチッチ 18: パブロ・マリ 6: ラニエリ (C) |
15: カルル 6: ケリー 8: コープマイネルス |
| MF | 2: ドド 8: マンドラゴラ 44: ファジョーリ 7: ゾーム 65: パリージ |
27: カンビアーゾ 5: ロカテッリ (C) 19: テュラム 18: コスティッチ |
| FW | 20: ケーン 91: ピッコリ |
22: マッケニー 10: ユルディズ |
| 9: ヴラホヴィッチ |
フィオレンティーナのヴァノーリ監督は 3-5-2 を選択。ケーン選手とピッコリ選手が2トップを組み、ファジョーリ選手がレジスタを務める布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのスパレッティ監督は 3-4-2-1 を選択。ケリー選手が3バックの中央に入り、両 WB はカンビアーゾ選手とコスティッチ選手が担当。ヴラホヴィッチ選手が CF を務める陣容で試合に臨みます。
両チームがビルドアップに苦戦する中で先にチャンスを作り出したのはユベントス。14分にロングボールに反応したヴラホヴィッチが入れ替わったパブロ・マリにエリア内で倒されて PK を獲得するが、VAR で取り消しの憂き目に遭ってしまう。
難を逃れたフィオレンティーナは25分にケーンが右サイドをスピードで突破。シュートにまで持ち込んだが、クロスバーに嫌われてゴールとはならず。
肝を冷やしたユベントスは35分にヴラホヴィッチが反転ターンから独走状態を作ることに成功。GK デ・ヘアも交わしたが、シュートを打つ角度がなくなってしまい枠を捉えることはできず。
それでもユベントスは前半アディショナルタイムの50分にカルルのクロスを起点に最後はコスティッチが強烈なロングシュートをゴール右下に決め、前半を 0-1 と1点リードで折り返す。
ハーフタイムで修正策が機能したのはホームのフィオレンティーナ。48分にケーンが浮き球を改修すると、マンドラゴラが思い切ったロングシュート。これがゴール右上に決まり、スコアは 1-1 の同点となる。
追い付かれたユベントスは51分にカルルのクロスが弾き返されたところをロカテッリが枠内ミドル。しかし、シュートは GK デ・ヘアの正面を突いてしまう。対するフィオレンティーナも直後のケーンが枠内ミドルで応戦。こちらは GK ディ・グレゴリオが CK に逃れる。
勝ち越しを狙うユベントスだが、この日はヴラホヴィッチとユルディズの呼吸が合わず前線で攻撃が停滞。80分には右サイドを突破したコンセイソンのクロスにマッケニーがヘディングシュートで応えるも、GK デ・ヘアがまたも立ちはだかる。
一方のフィオレンティーナも CK などセットプレーからゴール前に人数を送り込んだ時が最大のチャンスだったが、決定力を示すことはできずに試合終了のホイッスル。
結局、試合は 1-1 で終了。両チームが勝点1を分け合う結果となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督への採点は次のとおりです。
GK: ディ・グレゴリオ 6.0
マンドラゴラのシュートを阻むのは現実的ではないが、見送るしかなった対応には改善の余地があるだろう。昨シーズンの対戦から GK としての成長が披露されていないからだ。
DF: カルル 6.5
ピッコリとのデュエルを危なげなく制し、タイミングの良い攻撃参加でクロスを供給するなど攻守においてチームの下支えを着実に遂行していた。
DF: ケリー 6.0
3バックの中央から巧みな球出しで貢献していたが、肝心の守備ではケーンを制限することに苦戦。細かなミスも多く、自陣での守備が課題であることに変わりない。
DF: コープマイネルス 6.0
ケーンのスピードを活かした縦方向への突破を止める必要性に直面して大苦戦。対応が苦手な局面が露呈してしまった。どのように修正を試みるかが問われるだろう。
WB: カンビアーゾ 5.5
右サイドでポジションチェンジをしていたが、顔を出した先でのプレーは低調だった。守備ではパリージに翻弄され続けたこともマイナス。
DMF: ロカテッリ 5.5
ポゼッション時にもレジスタがいるべき場所に留まれたことが評価ポイント。プレー判断と精度は不十分なのだから、及第点に達したと評するのは難しい。
DMF: テュラム 5.0
動きは重く、中盤でのプレーで光るものは発見できなかった。真っ先に交代の対象となったことに驚きはない。
WB: コスティッチ 7.0
対面したドドなどに攻撃時の起点を作らせず、前半のアディショナルタイムに先制点を奪取してチームを鼓舞。仕事人として評価で報われるべき存在だ。
OMF: マッケニー 5.5
攻撃時にもっと関与して欲しかったことは事実だが、今節では前線の3選手にボールが渡る機会が少なかったことを差し引く必要がある。少なくとも、チームのために汗をかき続けていた。
OMF: ユルディズ 5.5
基本的にカバーされていたため、ボールを受ける機会が制限されて脅威は限定的だった。決め切る意識が強すぎてヴラホヴィッチと互いに持ち味を消していたことはマイナス。
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
予想されたラフプレー上等のマークや人種差別チャントにめげることなく、CF としてポストプレーによる攻撃の起点作りでチームに貢献。だが、2列目の選手との連動制に欠いていたため、骨折り損だけで終わってしまった。
【交代選手など】
WB: カバル 5.5
66分にコスティッチとの交代で出場。アピールしたい気持ちが空回りし、無駄なイエローカードをもらっていた。判断力など頭脳面での飛躍が求められる。
DMF: ミレッティ 6.0
テュラムに代わって66分から出場する。ライン間に顔を出し、ボールを引き出して相手ゴール前に顔を出した味方へのリンクマンとして機能することを試みていた。
FW: コンセイソン 6.0
カンビアーゾとの交代で75分から出場機会を得る。右サイドをスピードで縦に突破していたが、突破した後のクロスは相手 DF 陣の網に引っかかっていた。
FW: オペンダ ー
86分にユルディズとの交代で出場。
FW: デイヴィッド ー
86分にヴラホヴィッチとの交代で出場。
スパレッティ監督 6.0
アウェイでのフィオレンティーナ戦で勝点1を持ち帰ったことは評価されるべきだろう。しかし、失点を許した後に “ブラックアウト” したことなどチームが抱える課題は多い。リーグ戦中断期間での取り組みに疑念が持たれないよう結果で示すことが求められている。
ドヴェリ主審 5.5
ヴラホヴィッチへの人種差別チャントで試合を止めたことは評価できるが、VAR で PK を取り消した判断は支持できない。完全に入れ替わってエリア内に侵入した相手選手と縺れた状態で倒れれば PK を免れるのは摩訶不思議な判定基準だ。