2024/25 セリエA第20節が行われ、アウェイでトリノと対戦したユベントスは前半にユルディズ選手のゴールで先制するもヴラシッチ選手のゴールで追い付かれて 1-1 で引き分けました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Torino FC [4-2-3-1] |
Juventus FC [4-1-4-1] |
|
---|---|---|
GK | 32: ミリンコヴィッチ | 29: ディ・グレゴリオ |
DF | 27: ヴォイヴォダ 13: マリパン 23: ココ 24: ソサ |
37: サヴォナ 4: ガッティ 15: カルル 16: マッケニー |
MF | 28: リッチ (C) 77: リネティ |
26: D・ルイス |
22: ラザロ 10: ヴラシッチ 7: カラモウ |
10: ユルディズ 8: コープマイネルス (C) 19: テュラム 51: バングーラ |
|
FW | 18: アダムス | 11: N・ゴンサレス |
トリノのヴァノーリ監督は 4-2-3-1 を選択。CF を担当するアダムス選手の背後にラザロ、リネティ、カラモウの3選手を配置する布陣でダービー戦を迎えます。
対するユベントスのチアゴ・モッタ監督は 4-1-4-1 を選択。基本的にはスーペルコッパ準決勝ミラン戦のスタメンを継続し、D・ルイス選手とN・ゴンサレス選手を先発に抜擢して試合に臨みます。
試合が動いたのは8分。サヴォナから短い横パスを受けたユルディズがカットインを仕掛け、左足で思い切り良くミドルシュート。これがゴール右下に突き刺さり、ユベントスが先制する。
対するトリノは14分に左 CK がリネティの足元に流れて来るも、シュートはクロスバーの上を通過してしまう。
ユベントスは31分に右サイドをオーバーラップしたガッティがユルディズからのリターンのクロスに頭で合わせるも枠の左。43分にはコープマイネルスのラストパスにバングーラが反応するも、シュートを打つ寸前で阻まれる。
すると、前半アディショナルタイムにトリノはカラモウが左サイドからの仕掛けに成功。ラストパスを受けたヴラシッチがトラップからの左足シュートを左ポストの内側に当てて同点ゴールを奪い、前半は 1-1 で終了する。
後半で先にチャンスを作ったのはトリノ。51分にラザロの右 CK から最後はマリパンが反転シュートを放つも、これは GK 正面。
ユベントスは55分にバングーラの折り返しにユルディズとN・ゴンサレスが狙うも重なってチャンスを活かせず。対するトリノはカラモウがカウンターを仕掛けるもギリギリのタイミングでサヴォナがタックル。
このプレーで両軍ベンチが2度目の乱闘騒ぎとなり、両指揮官が退席処分となる。
ポゼッション率を背景に攻め続けるユベントスは64分にユルディズがミドルを放つも枠のわずかに上。この直後にコープマイネルスのミドルが枠を捉えるも、GK 正面を突いてしまう。
74分にはバングーラのクロスにN・ゴンサレスが合わせたが、上手くミートし切れなかったシュートは GK ミリンコヴィッチ=サヴィッチが右手1本の横っ飛びセーブでゴールを死守。
結局、この後もユベントスは攻め続けるも GK ミリンコヴィッチ=サヴィッチの牙城を崩せず。試合は 1-1 で終了し、ユベントスは勝点1を獲得するに留まった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ディ・グレゴリオ 6.0
失点の責任はないが、CB の2人からはクロス対応の能力や指示出しを全く信用されていない。厳しい状況で信頼を獲得していく必要がある。
DF: サヴォナ 5.5
ダブルチームで対応していたのだから、カラモウに2人の間を割られての突破は防ぎたかった。プレーの粗さを減らすための練習時間を確保したいところだ。
DF: ガッティ 6.5
クロスで揺さぶるトリノの攻撃を跳ね返し、機を見た攻撃参加でアクセントを加える。カルルと共にチーム全体を押し上げる下支えを遂行していた。
DF: カルル 6.5
ガッティと2人でゴール前に強固な壁を構築。ファーサイドを狙ったトリノのクロス攻撃を良い形で防ぎ続けた。
DF: マッケニー 6.0
走力を活かしたカバーリングやフィジカルの強さでサイドバックとしてもチームに貢献。その一方で連携やサポートの洗練は後回しになっており、個人技頼みの状態で不完全燃焼なパフォーマンスでもあった。
DMF: ドウグラス・ルイス 5.5
ボールタッチと配球はシンプルで効果的だった。その一方で守備は持ち場にいるだけの傍観者となっており、接戦では “脆弱点” となる困った存在だったことは否めない。
OMF: ユルディズ 7.0
背番号10に相応しい選手であることをプレーで実証し続けている。主将の腕章はユルディズに託し、ガッティを副将としてチームを鼓舞させる役割を担わせた方が良いのではなかろうか。
OMF: コープマイネルス 5.5
球際が脆くて雑だったことを除けば、悪いプレーではなかったはずだ。トップ下としての順応度や貢献度はN・ゴンサレスの方が良いという現実を直視しなければならない。
OMF: テュラム 5.5
トリノの中盤 MF 陣の流動性によって空回りをさせられ、持ち味であるフィジカルを活かした前線への飛び出しは影を潜めていた。土壇場でのボレーシュートが決まっていれば全く別の評価だっただろう。
OMF: バングーラ 6.5
マッケニーの後方支援を受け、左サイドでの高い貢献度と効果的な選択でチームに貢献。攻守共に良い内容だった。
FW: ニコラス・ゴンサレス 5.5
背負ったポストプレーとロングスプリントによる前線からのプレスは光っていたが、FW に期待されるボールを持った際の決定的な仕事での貢献は不十分だった。
【交代選手など】
DF: カンビアーゾ 6.0
70分にサヴォナとの交代で出場し、右 SB を担当。期待されていた勝ち越し点を奪う効果的な役割で存在感を発揮するまでには至らなかった。
OMF: ティモシー・ウェア 6.0
バングーラとの交代で76分から出場。役割を引き継ぐも、周囲との呼吸が合っている様子は見られなかった。
チアゴ・モッタ監督 5.5
勝利に対する固執や強迫観念がないのは本心なのだろう。チームが抱えている課題に対する効果的な解決策を試行錯誤する様子がプレーに現れていないからだ。批判に対して前日会見で “私達のような偉大なチーム” と応戦したことを恥じなければならない。
ファッブリ主審 6.5
N・ゴンサレスのオフサイドやサヴォナのタックルなど審判団として的確な判定を下していた。開始直後に乱闘騒ぎを起こしていたのだから、55分に前代未聞の両監督同時退席処分は妥当なものだった。