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ユベントス、中国・上海にサッカー・アカデミー開設を発表 課題はアカデミー卒業後の進路

 ユベントスは公式サイト上で中国・上海に『Jアカデミー・プロジェクト』の一環で、サッカーアカデミーを開設することを発表しました。

画像:記者会見での様子

 欧州の強豪クラブは公式サッカースクールを設立する兆候にありますが、スクール(アカデミー)生の卒業後の進路を提示できるかがプロジェクト成否の鍵となるでしょう。

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 ユベントスが中国に進出した理由ですが、1つには中国政府が国家プロジェクトとしてサッカー普及に務めています。

 2020年までに2万校ものサッカースクール開設を具体的な目標にしているのです。そのため、設立時に行政からの支援を得やすいという恩恵を見込めます。

 また、中国には5800万人ものユベントスファンがいること(注:ユベントスの発表値)、イタリア・スーパーカップで上海で試合を行った経験がチームにあることも、中国・上海にスクールが設立される要因になったと思われます。

 ただし、問題がない訳ではありません。最大の懸念点はJアカデミー・上海の卒業生の進路をどう確保するかでしょう。

 

 アカデミー設立に対し、ユベントスは上海臨港経済発展(集団)と組み、プロジェクトを進めると発表されています。インドア(屋内)のピッチ1面を含め、7面以上を用意する予定ですので、設備面が問題になることは少ないでしょう。

 5歳から14歳の子供たちにトリノで行われているユースセクターと同じ価値が提供され、イタリアから派遣されたコーチが子供たちや地元のコーチにも指導することがセールスポイントとして挙げられています。

 ここで問題となるのは「Jアカデミー・上海の卒業生にはユベントス・プリマベーラへの進路が存在しないこと」でしょう。

 

 ほとんどのサッカー選手はプロとしてデビューする前にユースチームで経験を積み重ねています。そのルートを持たないサッカー・スクールは徐々に人が集まらなくなることが濃厚です。

 どれだけ将来有望な中国人選手を上海のJアカデミーで育成できたとしても、FIFA が定める移籍規定に抵触するため18歳未満ではトリノに連れて来ることはできません。そのため、地元クラブ(上海申花や上海上港など)へのルート開拓が必須になります。

 めぼしいユース世代の選手をすべて発掘することが実質的に不可能であることから、上手く折り合いの付けられるクラブと提携することも有力な選択肢となるでしょう。その交渉では “上海市の意向” が鍵になることは言うまでもないことです。

 まずは権力の持っている上海市長とスポーツ面で良好な関係を構築できるかがポイントになると思われます。