8月28日にモナコで行われた 2025/26 UEFA チャンピオンズリーグ・リーグフェーズの組み合わせ抽選会で囲み取材に応じたユベントスのコモリ GM が「ヴラホヴィッチは 99% 残留する」と公言したことで『コロ・ムアニ選手の獲得に関するマスコミ論調』に変化が生じています。
「ユベントスが『勇気ある撤退』を選択できるか」が今後の注目点でしょう。

コロ・ムアニ選手と PSG の現行契約は2028年夏まで。2025年夏時点での残存簿価は約6000万ユーロで、PSG はこの額を移籍金としてユベントスに要求しています。
ただ、これは PSG にとって “自国フランスの代表選手であるコロ・ムアニ選手” の獲得にプレミア価格を上乗せした移籍金を費やしたことが要因。
PSG が今夏に “イタリア代表の正 GK ドンナルンマ選手” を切って “自国フランスの次期代表 GK シュヴァリエ選手” を正 GK に指名したことと同じです。
ユベントスにとってのコロ・ムアニ選手は「自国の代表選手ではない」ため、『PSG 基準でのコロ・ムアニ選手への評価額』よりも低くならなければなりませんし、現状では『撤退』が賢明でしょう。
また、ユベントスは UEFA 主催大会における『クラブ内育成選手枠を除く最大21選手の登録枠』が現時点で埋まっていると目されるのです。
List A | Po | 選手名 |
---|---|---|
A-TP 【下限4】 |
GK | 1: ペリン、16: ディ・グレゴリオ |
DF | 4: ガッティ、24: ルガーニ | |
WB | 27: カンビアーゾ | |
MF | 5: ロカテッリ | |
Free 【上限17】 |
DF (4) | 3: ブレメル、6: ケリー、15: カルル、32: カバル |
WB (2) | 18: コスティッチ、25: J・マリオ | |
MF (4) | 8: コープマイネルス、17: アジッチ、19: テュラム、22: マッケニー | |
FW (5) | 7: コンセイソン、9: ヴラホヴィッチ、11: N・ゴンサレス、14: ミリク、30: デイヴィッド |
この状態でコロ・ムアニ選手を先に獲得することはリスキーと言わざるを得ないでしょう。
FW 陣でミリク選手かヴラホヴィッチ選手を登録外にした場合、空中戦での高さ勝負で1点を取りに行くことを強いられた際に切るべき有効なカードを1枚捨てることになります。
“2006年5月生まれのアジッチ選手” は「クラブ在籍歴が1年」のため、起用する場合は『リストA』での登録が必須です。
チャンピオンズリーグの登録メンバーから漏れた選手とクラブとの関係は(エムレ・ジャン選手やA・コスタ選手のように)悪化の一途をたどるため、コロ・ムアニ選手を『PSG の要求に近い条件』で獲得するメリットは現状ではほとんどないと言わざるを得ないでしょう。
ユベントスが「2026/27 シーズンでの収支およびキャッシュフローの黒字転換」をクラブの中長期目標として定めていることを踏まえると、コロ・ムアニ選手の獲得交渉からは『勇気ある撤退』を決断すべきでしょう。
責任者のコモリ GM が最終的にどのような選択をするのかに注目です。