2025/26 シーズンのセリエA開幕節が行われ、ホームにパルマを迎えたユベントスはデイヴィッド選手とヴラホヴィッチ選手の得点で 2-0 の勝利を手にしました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Juventus FC [3-4-2-1] |
Parma Calcio 1913 [3-4-2-1] |
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GK | 16: ディ・グレゴリオ | 31: 鈴木彩艶 |
DF | 4: ガッティ 3: ブレメル 6: ケリー |
15: デル・プラート (C) 39: チルカーティ 5: バレンティ |
MF | 15: カルル 5: ロカテッリ (C) 19: テュラム 27: カンビアーゾ |
18: ロヴィク 10: ベルナベ 16: ケイタ 14: ヴァレーリ |
7: コンセイソン 10: ユルディズ |
11: アルムクヴィスト 24: オルドニェス |
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FW | 30: デイヴィッド | 9: ペッレグリーノ |
ユベントスのトゥドール監督は 3-4-2-1 を選択。カルル選手を右 WB に配置し、空いた右 CB にはガッティ選手を起用した他は予想されたメンバーが開幕スタメンに名を連ねて試合の臨みます。
対するパルマのクエスタ監督も 3-4-2-1 を選択。オルドニェス選手の中盤での立ち位置で 3-5-2 に可変が可能なシステムを用いてアウェイでの開幕戦を迎えます。
主導権を握ったのはホームのユベントス。12分にテュラムのフィードに反応したコンセイソンがダイビングヘッドで合わせるも、シュートは GK 鈴木彩艶の好守に阻まれてしまう。
18分には抜け出したコンセイソンが右足で折り返すも、ゴール前のスペースでデイヴィッドとユルディズが重なってシュートに持ち込むことはできず。
42分には左サイドで得た FK からユルディズが入れたクロスをブレメルがヘディングシュートで狙うも、ボールは枠の右へと逸れてノーゴール。
一方のパルマはユベントスゴールをほとんど脅かせないまま前半終了のホイッスル。前半はユベントスが押し込むも、0-0 のゴールレスで終了する。
ハーフタイムでの修正が効果となって表れたのはパルマ。47分にスルーパスに抜け出したアルムクヴィストからの折り返しをペッレグリーノが左足で合わせたが、シュートはブレメルが右足でブロック。ユベントスは肝を冷やす。
窮地を脱したユベントスはガッティやユルディズがミドルシュートを放って状況の打破を試みるも、シュートは枠をわずかに捉えず。膠着状態を崩すことができない。
スコアが動いたのは59分。ユルディズが左 CK をショートコーナーで再開し、自らの仕掛けで左足でのグラウンダーのクロスを入れると走り込んだデイヴィッドが伸ばした右足で合わせてユベントスが先制に成功する。
ユルディズは79分にコープマイネルスの縦パスからデヴィッドがポストプレーで落としたところをミドルシュートで狙ったが、これは GK 正面で2点目とはならず。
すると、82分にブレメルからのサイドチェンジのボールをロヴィクと競ったカンビアーゾが接触プレーに腹を立てて報復行為で一発退場。ユベントスは残り約10分を1人少ない状況で戦うことを強いられてしまう。
それでも、ユベントスは直後の84分にコープマイネルスとJ・マリオの2人でボール奪取に成功するとロングカウンターを発動。ヴラホヴィッチがユルディズからのリターンパスを冷静に流し込んで 2-0 とリードの拡大に成功する。
一矢報いたいパルマだったが、残り時間内で “数的不利のために意思統一がされているユベントス守備陣” を崩すことはできず。試合はこのまま 2-0 で終了。後半に2得点をあげたユベントスが開幕戦を勝利で飾った。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ディ・グレゴリオ 6.0
セーブ機会はほとんどなく、窮地にはブレメルが対処してくれたため大事に至らなかった。クリーンシートで終えれたことが何よりだ。
DF: ガッティ 6.0
連携面での精度を高めることが課題だが、それはどの選手にも言えること。持ち味である積極性を消すことなくチームへの貢献を試みていたことがプラス材料。
DF: ブレメル 7.0
後半立ち上がりに訪れたピンチを防ぐなど卓越した守備力が錆び付いていないことをプレーで証明した。1週間後の試合に向けた身体の回復力が注目点だ。
DF: ケリー 6.0
可もなく不可もなく無難なプレーに終始した。昨シーズンでの評価を覆すにはビッグマッチでの堅実なプレーが必要だが、その試合に出場するための安定感を示すことが今は肝心だ。
WB: カルル 6.0
守備重視の目的で右 WB として期待に応え、J・マリオが投入された後は右 CB として安定したパフォーマンスでチームに貢献していた。可変システムを機能させる上で重要な存在となるだろう。
DMF: ロカテッリ 5.5
ボール保持時のプレー関与と貢献度が低く、及第点に達したとは言い難いパフォーマンスだった。自分達のポゼッション比率が高かったのだから、辛めの寸評は止むを得ない。
DMF: テュラム 6.0
フィジカルを活かしたボールキャリーと守備力は素晴らしく、相手 DF ライン裏に落とす浮き球フィードの精度も良かった。ユルディズ以外の前線 FW とのホットラインが機能すれば心強い。
WB: カンビアーゾ 5.0
ロヴィクが遅れ気味で肘を出して競って来たとは言え、報復行為による一発退場はあまりに迂闊だった。試合が進むほどナーバスになっており、コスティッチ投入の予防策を採るべきだった。
OMF: コンセイソン 6.0
味方が作った決定機で勝負を仕掛けるなど持ち味は発揮していた。ただ、獲得に投じた費用を考えると「(カウンター局面など)チャンスメイクの部分でのクオリティー」は物足りなかった。
OMF: ユルディズ 7.5
チームの2得点をアシストで演出。自らも積極的に得点を狙うなど攻撃陣を牽引していた。対策を講じられるのは時間の問題であり、チームとして『ユルディズ対策』をどう打ち破るかが問われることになるだろう。
FW: デイヴィッド 6.5
CF として得点を決め切ったことは大きい。ワンタッチのポストプレーなど持ち味を発揮できたこともプラス。プレースタイルを知られてからの対応力が注目点だろう。
【交代選手など】
WB: ジョアン・マリオ 6.5
57分にガッティとの交代で出場し、右 WB を務める。チームが得点を取りに行く姿勢を色濃くする中で守備にも奔走。カウンター局面でのクオリティーは素晴らしいものがあった。
DMF: コープマイネルス 6.0
57分からロカテッリに代わって出場する。レジスタ役として落ち着いたプレーで攻撃に比重を移すチームのバランスを取っていた。レジスタとしての先発起用はあり得るだろう。
OMF: ニコラス・ゴンサレス ー
コンセイソンとの交代で80分から出場。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
デイヴィッドに代わって80分から投入される。カンビアーゾ退場後の不穏な雰囲気をユルディズとのロングカウンターで一掃。得点を決めたことが何よりの特効薬だ。
OMF: マッケニー ー
89分にユルディズとの交代で出場する。
トゥドール監督 6.5
開幕戦を勝利で終えたことは何よりも素晴らしい。その一方で「カンビアーゾを下げるタイミング」などピッチ上でのパフォーマンスが芳しくない選手を変える采配については改善すべき余地があると言えるでしょう。チーム内競争を良い形で起こすことが長いシーズンで結果を残す上では重要となる。
マルチェナーロ主審 6.0
カンビアーゾ退場の判断は何も間違っていない。その決定打となったロヴィクの肘出しレイトチャージをイエローの対象にするかが議論の対象になるぐらいだろう。審判団としての試合全体への判断は上々だった。