ユベントスは公式サイト上でスカナヴィーノ CEO が任期満了に伴って2025年11月の株主総会を最後に退任すると発表いたしました。
なお、後任はその株主総会での承認を得る形でコモリ GM が CEO に昇進することが有力となっています。

トリノ出身のスカナヴィーノ CEO は1973年5月生まれの52歳。2004年にフィアットに入社し、2007年にはラ・スタンパに転籍。その後は GEDI グループの会長を務めていました。
ユベントスの CEO を担当することになったのは2023年1月から。
『不正会計疑惑で揺れていたユベントスのお目付け役』として親会社 Exor のエルカン CEO から兼職を命じられての就任でした。
肝心のユベントスは『スポーツ司法』と『刑事司法』の法廷闘争が終結。“サッカー界に精通した経営者” の方が “組織再編能力に長けた経営者” よりも相応しい状況となったための退任と言えるでしょう。
ちなみに、スカナヴィーノ CEO の後任はコモリ GM が有力。クラブが10月16日付で発表した親会社 Exor が提示した取締役候補(PDF)の中にコモリ GM の名前が記されているからです。
ただ、コモリ新 CEO の大きな仕事は「UEFA の FFP に抵触した疑いを晴らすこと」になるでしょう。
ユベントスは「2025年9月18日付で UEFA から 2022/23 シーズンから 2024/25 シーズンまでの期間に容認されている収益規則のパラメーターに抵触した疑いで調査を行うとの通告を受けた」と株主総会に向けて先行公開した年次報告書(PDF)で言及しているからです。

UEFA は2026年春に調査の結論を出す予定であり、“留任する(税制および会計の専門家である)フェレーロ会長” と共に「処分が下されるにしても軽微な内容で留められるか」で新 CEO としての手腕が推し量られることになるでしょう。
スカナヴィーノ CEO の後任には「独立採算制が成り立つクラブ経営の基盤作り」が求められることになります。クラブの経営再建と基盤の整備で成果が示されるのかに注目です。