移籍情報を発信するファブリツィオ・ロマーノ記者がベンフィカのルイ・ペドロ・ブラス SD はサウジアラビアのアル・アハリを新天地にすると自身のX(旧ツイッター)に投稿しています。
7月下旬の時点では「ユベントスの新 SD 候補」として具体的に浮上だけに、ユベントスの SD は空席状態が続くことになりそうです。

ユベントスのクラブ上層部の顔ぶれと主な役割は下表のとおりですが、2025年10月初旬時点においてもスポーツ・ディレクター(SD)は空席のままです。
| 想定される役割 | |
|---|---|
| スカナヴィーノ 【CEO】 |
クラブ経営における最終責任者。中期目標である「2026/27 シーズンでの収益およびキャッシュフロー黒字化」を達成するため、チーム成績と会計面を監視 |
| コモリ 【GM】 |
“クラブが求めるシーズン目標を予算内で達成するトップチーム” の編成責任を負う立場。『ジュントリ案件』の並行処分も求められる |
| ?? 【1st Team SD】 |
『GM の最終判断を仰ぐための状況整理』が主たる業務。「新加入選手の獲得条件」や「所属選手の契約延長条件」の交渉が腕の見せ所 |
| モデスト 【1st Team TD】 |
『技術的側面からのパフォーマンス評価』が本業。マネーボールで “がらくた” と表現されている『スタッツ詐欺』を見抜く上で欠かせない |
| バージェス 【パフォーマンス・D】 |
「負傷離脱の予防」および「ハイパフォーマンス維持のためのコンディション調整」がメインと予想。チーム全体が対象 |
| キエッリーニ 【戦略ディレクター】 |
ユベントスの文化やプレースタイルを言語化してコモリ GM に報告する役割を担う。シーズン戦略や試合戦術など報告対象は多岐に渡る |
コモリ GM が就任してからの動きは「GM が有する権限を『各ディレクター』に移譲」している状態。独裁から合議制への移行が伺えます。
ただ、“選手や代理人との契約交渉を担当する最前線での責任者” である SD の不在が続いていることは好ましくないでしょう。チーム編成における影響は避けられないからです。
“チーム編成が得意分野ではないコモリ GM” は「(クラブ経営がメインとなる) CEO 就任」が噂されていますし、その人事を行う場合は「チーム編成の実務を担う SD の指名」は必須です。
期待される役割はミランのターレ SD と同じ。SD が「チームの編成戦略に沿った実務責任」を負い、“コモリ CEO” は「チーム編成戦略を策定したことによる最終的な責任」を負うという形です。
責任の所在を明確にしておくことは組織運営にとってプラス材料ですし、仕組み作りを進めることは間違っていないはずです。
まずは宙に浮いたままになっているユベントスの SD に誰が任命されることになるのかに注目です。